壱原ちぐさのレビュー一覧
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購入済み
面白い、早く続きが読みたいです
私は能を知りません。
ほんの少しだけですが、ある武道を知っています。
コマから伝わるキャラの佇まいに、武道の演武のような、強さを秘めた静寂感を憶えました。セリフにあった通りです。
主人公の能の世界での成長が、楽しみです。
そして、話の良さを引き出しているのが、一つ一つのコマです。静止した絵で、描かれていない前後の動きまで観せてくださる。プロの描写技術って凄いなって、改めて感じました。
今、薦めたい漫画はと問われたら、私はこの作品をあげたいと思います。 -
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ネタバレ私も、そこそこの数の漫画を読んでいるって自負はある。
もちろん、川島明さん達のように、漫画大好き芸人を名乗れる人たちや、名作漫画をYoutubeで紹介する動画を作れる人ほどじゃ、まだないなって自覚もある。
ただ、漫画を読むのが好き、そこだけはハッキリと言える。
そんな私が、もし、他の漫画読みに「今、読むべき少年漫画は何か?」、その感じの質問を投げかけられたとしたら、この『シテの花 能楽師・葉賀琥太朗の咲き方』を推したい。
この作品のテーマはタイトルや表紙から容易に察せると思うが、日本の古典芸能の一つである「能」だ。
これまた、難題を通り越して、異色すぎるテーマに挑んだ作品だな、テーマがテーマだ -
Posted by ブクログ
人気ダンスボーカルグループのダンサーとして活躍する葉賀琥太郎は、ステージ上の事故で顔に傷を負ってしまう。芸能界を引退した彼が出会ったのは、日本の伝統芸能「能」。面(おもて)を身に着け顔が隠された状態で、舞台を支配するのは主役である「シテ」。琥太郎は能の世界で、「シテ」として花を咲かせることができるのか――。
2か月前から発売日を楽しみにしていた作品。めちゃくちゃ面白い。綿密な取材に裏付けされたであろう能の知識が各所にちりばめられているのに、キャラクターがうまくリンクしているので読み手の負担にはならず、すんなり入ってくるどころかむしろぐんぐん興味を惹きつける。そして絵の繊細さ……!週刊少年サンデ -
Posted by ブクログ
ネタバレ同門会終演、コタ「通い未満」へ、金沢合宿計画。
そう、同門会になってから北斗が急に優しい……と思っていた。その経緯に触れる。北斗は北斗なりに咲いていくことを想像し、よい。けー先輩もよき。
内弟子の面々。嫉妬心などから誰かがコタを貶めるのでは……という想像もしたけど、そんな雰囲気ではないっぽい。
泰山カレーのレシピはカバー裏。
至龍は自身を高めるためにコタをライバル関係に引き上げようとしているのか。
落語や講談の弟子の世界は興味さえあれば知ることができる(マンガ、YouTube)けど、能楽はほとんど情報が出ていないように思う。そういった意味でもこのマンガは貴重。 -
Posted by ブクログ
人々を神獣という災害から救う「霊術師」の名家・朱鶴家。霊術の才能が優先される家に能力を持たずに生まれた妹・初月。将来を有望視される能力を持って生まれた兄・望月。家のしきたりしがらみに囚われた初月を助け出したい望月の逃亡計画は失敗に終わります。
妹を助けるために必要なのは逃げ出すことでなく、家のしきたりを変えること。自分の能力はそのために使う。それには何よりも力が足りない。
妹のために、それまで嫌っていた家の流儀に従い努力を重ねる兄。
生まれた環境に感じた違和感。それから逃れるために力を奮うでなく、環境への復讐のためにでもなく、合法で変えていこうとするのが珍しい展開かな、と思いました。それは