河野一隆のレビュー一覧

  • 装飾古墳の謎

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    装飾古墳とはどんなものか....壁画古墳との違いなどを最初は教えてくれる。
    しかし、この本の内容はそのようなところには全くとどまっておらず世界の墳墓、古墳、王墓からショーヴェ壁画、
    ラスコー、アルタミラなどにも解説が及ぶ。そのような観点から日本にある装飾古墳を捉えての解説。
    かなり専門的な表現もありスマホ片手に知らない名称や用語を調べながら読んだ。
    すこぶるおもしろい。しかし、ある程度の理解を得るにはもう二回ほど読む必要があるかも....

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    2023年03月04日
  • 装飾古墳の謎

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    著者はまえがきにもあるように、装飾古墳について、よりユニヴァーサルなもの、つまり人類の芸術史の一部として捉えようとしている。

    埋葬というのは考古学において一つの重要な柱のひとつなのだそう。つまり「死生観」というものは、常に文化の根幹にある概念…というよりもあらゆる文化はそこを起点にして広がるからなのだろう。

    著者が考える死者と生者との関係は3パターンあって、それはまず死者は生者と同様に地面の下で暮らす「住まう」存在であるという垂直の関係にあるというもの。その場合は墓にもそれなりの備品が必要になる。

    次いで、死者は漂白する魂となって一定の刻に生者の下を訪れる存在であり、墓は還る/迎える場所として装飾が施された場所であるべき。つまり「飾られた死者」となる。これは生者と水平な関係性をもち、日本にもあった海上他界観もその一部なのだそう。

    そして最後、死は穢れであり、生者とは接触してはならないものとする「隠すべき」死者。

    紹介される様々な古代の文明における「墳墓」の形式を見ると、人類はそれぞれの生活の場で、それぞれの「死」に対していろいろな意味合いを持たせてきたことがわかる。そのヴァリエーションの豊かなこと!

    そしてそれらの独自色が、様々な情報の共有(特に宗教)によって次第に似たものになってしまった現在のつまらないこと!

    さらに本書ではいわゆる「洞窟絵画」との違い、文化による人物描写の特徴、世界地図を広げたときの「アート」の伝播の様子までもが解説されていて、話は墓に留まらない。

    「アート」手法の伝播は当に「人類」の歴史を辿るかのように、アフリカ大陸に始まり、ユーラシアに広がり、ベーリング海峡を渡って南米の端にまで到達する。

    九州旅行のためにちょっと齧っておこうと思っただけだったのに、ヤバい、南米にも行きたくなってしまった。

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    2026年06月09日
  • 王墓の謎

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    ネタバレ

    「王墓の大きさ=権力の大きさ」という通説を疑ってかかり、比較考古学という視点から王墓の成り立ちや変遷、衰退などの考察を行った一冊。
    全部が全部丸っと飲み込めはしなかったが、少なくとも通説よりは説得力のある面が多かったように思う。
    特に循環的時間の観念から直線的時間の観念に置き換わったという精神面にも言及があったのが個人的には目新しかった。
    時には定説を疑ってかかるという視点も大事だなと感じた。

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    2025年05月19日
  • 王墓の謎

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    王墓の印象が変わりました。

    王のために庶民がイヤイヤ作ってたんだろうな~と思ってました。
    今とは違う社会システムの中で皆に必要とされて作られていたとは驚き。

    自分は民主主義&資本主義のシステムしか実感できません。
    太古の社会システムを想像し、不思議な気持ちになりました。

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    2025年04月27日
  • 王墓の謎

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    権力を後世に残すためではなく、神聖性を軸に同時代に生きる人々が共有するための墓、という見方はなかなか面白く、そして妙に納得出来る主張。ただ、筆者の指す「神」がなんなのか、超越的な力を持ちうる概念全般と受け取っていたが、終盤では「全知全能の神」なる存在に置換されていたことに違和感を持った。無謬の神、おおよそ唯一の存在、というのは考古学的前提としてやや危ういと思う。まあそれはともかく、王墓の来し方を無批判に受け入れていた事に気づかされたという意味でもよい本だった。

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    2025年02月08日
  • 王墓の謎

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    なんとなく、気になったタイトルだったので。

    ピラミッドや兵馬俑、仁徳天皇陵など、世界各地に王墓は見られる。

    これまでは、王の権威を示すために造られたものだとされてきたけれど、本当にそうか?

    という所から筆者が論じてゆく。

    そもそも、王様とは何者なのか。
    王墓が出来る条件とは何か。
    など、掘り下げていくと、なかなか面白いテーマであることが、よく分かった。

    読んでいて、いくつか知りたいこと、ちゃんと理解できなかった部分もあった。

    一つは、王様がまだ「弱かった」頃の、王の選ばれ方、存在について、もっと知りたいと感じた。
    他の本では、高い戦力を誇る民族の指揮者的存在が王になったとあるけれど、そうなのか。

    また、民族間の贈答の儀が進む中で、富を偏らせないために王墓を飾り立てることがリセットの意味を持ったという所が、イマイチ分かりそうで分からなかった。

    どちらかに贈られっぱなしになると、富が偏るから、返す(回す)という意味は分かる。
    そうして贈られたものを王墓に奉る=手元になくなるわけだけど、そうするとまた最初の段階から贈答が始まるということか?
    うーん。

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    2025年08月12日
  • 王墓の謎

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    ネタバレ

    王墓とは何か、王墓はなぜ衰退したのか、王墓が与える現代への影響などを考察します。神格化された王が、時代の変遷や他との競争の中で王墓を華麗にした。その中で複合的施設王墓が生まれた。次第に王は専制君主となり、王墓の造営に当たらせる余裕が無くなり、生贄もなくなった。市民の王墓への意識も弱まった。しかし王墓は現代に歴史の流れを教えてくれる。教養が増えました。

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    2025年07月29日
  • 王墓の謎

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    ネタバレ

    ピラミッドや始皇帝陵、そして日本の古墳といった巨大な王墓はなぜ誕生したのか。一昔前のステレオタイプな考え方では、絶大な権力者であった専制君主が亡くなった際に、その栄光を永久に示し続けるためのモニュメントとして、奴隷的な労働と何十年にもわたる歳月をかけて造られたという説が主流だった。

    近年になって(グレーバーの『万物の黎明』等)、王という存在が決して専制的に権力を保持していたわけではなく、洪水や戦争といった災難に対して自己犠牲的に神への祈りを捧げ、その祭壇としての王墓が災害が激甚化するにしたがって巨大化していった説が出てきている。

    また王墓に副葬品として埋められる貴金属などの装飾具についても専制君主の経済力を示すというよりも、むしろ権力の集中を防ぐためにインフレ対策として財産を没収していたという新たな見解が示されている。

    筆者は長く国立博物館の学芸員を勤め、とくに奈良の古墳などに詳しい立場にある。日本の古墳時代にいきなり巨大な王墓が出現し、それが衰退していった理由を長年追い求めてきた中で、従来の学説を翻すのは勇気の要ることなのかもしれない。

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    2024年07月02日
  • 王墓の謎

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    ピラミッド、墳丘等の王墓について新たな観点を提唱する本。つまり王墓が王の権力を誇示するためのもの、平民や奴隷がそのために酷使されたという定説に根拠が薄いことを示す。
    そもそもは王の定義、あり方、実体に関わる。権力者ではなく、単なる施政者とか。

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    2024年06月17日
  • 装飾古墳の謎

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    ネタバレ

    <目次>
    第1章  装飾古墳とは何か
    第2章  研究の略史とデジタル・アーカイブ化
    第3章  筑紫君磐井の乱の敗戦が装飾古墳を生んだのか?
    第4章  なぜ古墳時代の中心地・近畿に少ないのか?
    第5章  装飾古墳が九州に多いのは中国に近いからなのか?
    第6章  装飾古墳への旅、日本から世界へ
    第7章  近年、注目される装飾墓の調査
    第8章  装飾古墳は洞窟壁画と関係があるのか?
    第9章  装飾古墳・装飾墓と王墓

    <内容>
    前半は装飾古墳の話や研究史で面白かったが、後半の著者の研究部分は海外の装飾墓の話で、ついてこれなかった。知識がないことと興味がないこと。研究者としては、装飾古墳が九州と関東などが大半であることの疑問に対する答えが必要なのだが、ローカルな墓制でいい気がする。

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    2023年02月08日
  • 装飾古墳の謎

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    装飾古墳と壁画古墳の違いなど、成る程と気づかせてくれる事がある。世界史との比較では、焦点が見えづらかったが、これからの進展を期待している。

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    2023年02月03日