小埜裕二のレビュー一覧
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この秋は熊の目撃情報が私の住む町で毎日報道されています。熊騒動のなか、賢治のなめとこ山の熊が浮かびました。本屋さんで賢治の童話集と出会い早速購入しました。昔は人間の都合で狩猟され皮と熊の胆を売られていた熊が今では生活のためではなく人間の暮らしを脅かす為に退治の対象になっています。今年の猛暑は野生動物をはじめとした大自然の中で生きるもの達に大きな打撃を与えてしまったようです。いつもなら冬眠する熊が人里で食べ物を探し彷徨う姿は可哀想に見えます。人間の都合で温暖化し自然の摂理が乱れている地球を賢治が見たらどんな想いを抱きどんな物語を書くのでしょう。
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Posted by ブクログ
「生と死を見つめ、"ほんとうの幸"を問いつづけた宮沢賢治。不朽の名作『銀河鉄道の夜』をはじめ、人間の心理を紡いだ多彩な童話を美しく幻想的な絵で贈ります」
とにかく挿絵の日下明さんの絵が素敵。
表紙はカラーだが、中の挿絵もカラーでぜひ見てみたい。
子どもの頃いくつか読んではいたが、それはただ読んで内容をわかった気でいただけ。大人になると宮沢賢治の伝えたかったこと、考えていたことが少しわかったような気がした。
貧困や病気、弱いものいじめ、戦争。
童話の中でもたくさんの問題が出てくる。現代にもある問題ばかり。だからこそ、現代人が読むべき本なのかもしれない。
「どうかにくむこと -
Posted by ブクログ
勉強?のために、小川未明をはじめて読むことになり、選んだ本がこれだった。
大判でムック本のような体裁。
表紙の色がとてもきれいで、ロマンチシズムとほのかな寂しさのある未明の世界を彩っている。
石井ゆかりさんの本で見た柊有花さんのイラストだ。
中にも挿絵がふんだんにあり、全てにルビが付き、オリジナルの文面の上段に注釈が邪魔にならぬ程度に入る。
有名なものや代表作、転換期にあたるらしい小話などの全12話という構成と、後半には小川未明の紹介、新潟県上越市での子供時代からの写真と各話の解説あり。
とにかく丁寧に作られた本。
原文そのまま、しかし100年前の日本語のままでは子供には読んでもらえない、とい