伊藤融のレビュー一覧
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標題にある「未来の大国」候補たるインドについて幅広い観点から書かれている。
インドは日本などと異なりどの国とも同盟関係を結ばないことを国是としている。このあたり日本人には分かりにくい。その上で米、中、ロとの関係を捉えることが必要。日本としてもインドとの関係を強化することが重要だが中、ロとの関係を強く持つこともインド側に取って重要なことなので困難が多い。
広い国土、中国を追い抜いて世界一となった人口、我々日本人が知る言葉「カースト」が生きている国...どう付き合うか難しい。
順調に経済が進展してゆけば日本のGNPを追い抜いて遥かに大きな額となるのは速い。そんな中での日本の立ち位置も難しい。 -
Posted by ブクログ
人口世界一で、IT人材も豊富、選挙による民主主義、経済成長の著しい国。一方で、カースト制度、人権弾圧、中国との国境問題を抱え、ロシアとの距離感など、まだまだ得体の知れない要素がある。特に、モディ首相の動向を見ると、日本や欧米諸国には理解出来ない行動が背景にある。
ただし、その背景には歴史的、地政学的理由があり、本書では丁寧に解説されている。インドがどこかの国のグループに属することが出来ない、誰の味方でも敵にもなることができない状況であることを、おぼろげに理解した。
単に一国の利益だけでなく、もう少し将来まで見据えた広い視点からも、独自路線にならざるを得ないのだろう。
モディ首相がどのようにこの -
Posted by ブクログ
インドでは、2014年にモディ政権が発足、多くの外資規制の撤廃や緩和が進み、西側にとって、好ましい国になってきた。それでも、カーストやカシミール問題、ムスリム差別など、人権侵害が横行し、労働や消費に対する価値観の違いがあり、インフラの未整備、宗教、民族、文化の多様性など、他国企業が進出するにあたって、やっかいな問題の多い国である。
また、どの西側の国とも「同盟」を結ばず、一方でG7やクアッドの会合に出たかと思えば、BRICSなどロシアを含む枠組みにもコミットを続ける。
このように民主主義国家とは思えず、どちらを向いているかわからない国を、なぜ、日本をはじめとする西側諸国が重要視し、関係を深めよ -
Posted by ブクログ
ネタバレ世界最大の民主主義国
人権については、脛に傷をもつ=中国に関与を認めない。
ヨガとカレーとガンジーの国。
中国は2036年には世界一のGDPになる予測もあるが、成長鈍化が続くとアメリカを上回ることはないのではないかという見方もある。
インドは人口ボーナスがつづく2040年代まで高成長を維持する。
2027年には日本が追い越される。防衛費は2.5%。今後はアジア太平洋で主要な地位を占める。
インドは世界中の国から言い寄られて戦略的パートナーシップを結んでいる。
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20240831再読
インドにとってロシアは昔からの信頼できるパートナー。
一党独裁や軍事政権 -
Posted by ブクログ
今の仕事を始めてから、ほぼ毎日マジクソと思う瞬間ばかりだ。
業務はインド案件である。
全然話通じないし、自分の主張を小一時間演説するのに、うんざりする。
まったく引かず、厚かましく、そしてたまに嘘を混ぜてくる。
まともに付き合っていたら脳みそイカれる。
インドでうまくいけば、たいていの海外案件は乗り切れる。
なぜに弊社の海外案件第一号がインドなんだ。。。
と、まじくそインド人の思考を理解するための一助となる入口に良いのが本書である。
南ユーラシアの大国インドに培われた謎の上から目線。
根拠のないのに自信が大きい。
こういう連中が、将来は日本を抜いてGDP世界第三位