リカル・ザプラナ・ルイズのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本を、すでに世を去った人々、今を生きている人々、そしてこれから生まれてくる人々、すべてに捧げる。
私たちの祖先が、今ある世界を作りあげてきた。未来の世界がどんなものになるかを決めることができるのは私たちだ。
もくじ
時間のながれ
献辞
はじめに そんなの不公平だ
そしてそれは、ほんとうにあった物語だ
第1章 すべてを支配する
・世界を変えた植物、穀類、コムギ
・かわいそうな動物の金メダル、銀メダル、銅メダルを決めるを分け合うのは、ウシ、ブタ、ニワトリではないだろうか。
・農耕民は動物を、人間の役に立つ間だけ生かしておく。何年かは長生きさせてもらえる。でもそのために動物たちが払う代償は大きく、待ちうける過酷な毎日は、けっして長く生きていたくなるようなものではない。
・乳がもつ悲しい側面
肉と乳のために育てられるヒツジ
・だれが農耕民になりたい?
動物と植物を支配する、つまり自分たちの思い通りにすることによって、農耕民は以前よりずっと大きい力を手にした。
でもやがて農耕民もは、自分自身もだれかほかの人に言われた通りのことをしているのに気づいていくー農耕民はどんどんん、聖職者と首長(村や町や都市の上に立って率いる人)に支配されていった。
・農業の勝利
農業民は、採集民をどんどん追い払うようになった。そしてこれが世界中の至る所で起きて、採集民はほとんどいなくなってしまった。
第2章 しまった、こんなはずじゃなかったのに
・骸骨が語った物語
ふつうは採集民の骸骨のほうが背が高く、残った歯が多く、飢えたり病気をしたりした跡が少ない。農耕民の骸骨のほうが背が低く、残った歯が少なく、飢えたり病気をしたりした跡が多い。そしてたいていは、背骨が曲がり、膝の骨がすり減り、首の骨がいたんでいる。
・ものが多くなるほど、争いも多くなる
古代の採集民の間におきた戦争の痕跡は多くはない。ところが、農業の形跡の見える場所では、戦争の痕跡をたくさん見つけることが多い。
乱暴なほうが勝つか、穏やかなほうが戦いを覚えるか、どちらかだ。そうやって、穏やかな人たちも乱暴になった。こうして時がたつにつれて、どこでも農耕民は乱暴になっていった。
こうした悪いことのすべてはー農業革命の「意図せざる結果」だった。望んだ者も、計画した者も一人もいなかった。人々はただ、そうなることを知らなかっただけ。
人々の体も、人々の心も変えていった。
採集民はいつでも、ときには計画を立てたけれども、いまこの時起きていることに焦点をあわせていた。木の実や魚を自分たちの思いどおりにすることはできなかったからだ。だからあまり計画を立てなかったし、「計画を立てすぎてはいけない」と、採集民は子どもたちによく言い聞かせていたのではないだろうか。「今このときに起きていることに注目し、あとで何が起きるかを、あまり心配しすぎないように」
採集民は、じっさいは少しもあくせくしなかった。今という瞬間に起きていることが原因に不安になることは、めったにない。たいていは、未来に起きていることを考えて不安になる。今このときに起きていることだけに焦点をあわせれば、あまり不安を感じることはなくなるだろう。
それに対して、農耕民はいつも来月のこと、そして来年のことを心配していた。
・農業のはじまり・10の不運
干ばつ 洪水 動物の病気 人間の病気 かたよった食べもの 重労働 害虫や小動物 植物の病気 戦争 奴隷制
世界を征服した植物
第3章 おとながこわがるもの
・幽霊より悪いもの
・所有する権利と、納める義務
・骸骨はめったに嘘をつかない
・墓地の中の骸骨が私たちにほんとうのことを語ってくれる
第4章 死んだ人々の夢
・どうすれば人はルールを信じるようになるのだろうか?その答えは物語だ
すぐれた物語を持つ人類の集団は、世界で最も大きな力を持った
さまざまな王国の聖職者たちは、あらゆる種類の大きな物語を思いついた
影のない物語はない
けれどもその人々には、また別の物語があった
たくさんの不公平なルールを正しく見せてしまう物語を信じてしまった。
体のそれぞれの部分にはそれぞれ異なる仕事があるように、異なる種類の人々も生きるうえで異なる仕事をもっている。➖️ルールは公平で、従うべきものだと信じた。
・魔法のにおい
大きな物語の中には、不公平なルールを正しく見せるだけではすまないものもあったーそれは、人間の「むかむかする」感情を引き起こすものだ。
だれが「清くて」誰が「けがれている」のは、偉大なる神々自身がそう考えているからだと、恐ろしい物語が他にも数多く残されている。
こうした物語はどれも本当のことではなかった。 神にはわかって、人間にはわからない魔法の匂いなどあるはずがない。でも効き目はあったんだ。それを聞いたたくさんの人々が、ただルールに従おうと思うしさえすればよかったからね。
物語を1回だけ話しても、それはただの物語にすぎない。でも同じ物語を1000回繰り返して話せば、人々はそれを本当のことに違いないと思う。
大人たちが物語をいつも信じていたのはそれを何度も聞いていたからだ。
・儀式は私たちが地域社会をまとめていくための大きな物語を信じるのにひと役買い、それは古代と同じように現代でもなお重要なものだ。
ほとんどの人には、ごく個人的な儀式もある。
・3種類のもの
古代エジプト、近代国家も物語だ。信じている物語。
・世界には3種類のものがある。
1番目は、だれでも見て、聞いて、さわれるもの。王国と国家はここには入らない。
2番目は、自分だけが感じられるもの
3番目は、共通の夢。国家はたくさんの人々が一緒に見ている夢。
例えばお金の物語は世界中で一番大切な物語の一つに数えられる。
・とっても長い夢
私たちはみんな、死んだ人々の夢の中で暮らしているともいえるだろう。
歴史上の多くの戦争は、物語をめぐる争いだった。ほとんどの人々はただ言われたことを信じ
・魔法を解く
人々がとても長い間信じてきた物語でも、ほんの数年で変えることができる。
物語は人類が生み出した最も偉大な作品だ。 私たちは物語のおかげで世界を統治できている。だが物語は私たちの最大の敵にもなる。 もしも自分で物語を作り出したことを忘れれば自らにとらわれてしまうだろう。 何百万人もの人々が悪い物語を信じるとき、悪夢で身動きが取れないように逃れられなくなる。だから人類は大きな問題を抱えている。もし私たちが耳にした物語を何も考えずに信じるなら、恐ろしい行動をとりはじめることになる。一方、もし私たちがすべての物語を信じるのをやめたら、世界は完璧なものになるのではなく無秩序な混乱に陥る。
この問題に簡単な答えはない。
大人になる過程のとても大切な部分は、どの物語を残し、どの物語を変え、どの物語を捨てるかを学ぶことだ。
物語によってたくさんの苦しみが生まれるなら その物語には気をつけてほしい。その物語のせいで苦しんでいる人に話しかけ、その人自身の物語を聞かせてほしいと頼むのが何よりの方法だ。自分の心を開き、耳を傾け・・・よく聞こう。
感謝のことば
この本について
歴史の世界地図 -
Posted by ブクログ
人間が「想像力」を駆使することで他の動物たちを支配し、環境を激変させるようになったことを描いた前作に続き、今回は「格差」がなぜ生まれてきたのかを解説しています。
それは、人間の「スーパーパワー」である想像力と、それによって作り出された「物語」を共同体のメンバーが信じてきたこと、その物語に基づいて農耕を始めたことで「意図せざる結果」が生まれそれによって格差が広がっていったことなど、人類の歴史の根本的な流れが平易な文章で書かれています。
現代社会で、多くの人々が信じている「共通の物語」がどのように広まったのか、その点についての解説は「別の物語」とのことで、次巻も期待したいと思います。 -
Posted by ブクログ
私たちが歴史を学ぶ意味を改めて考えさせてくれる一冊です。1人では大した力を持っていない(野生動物と一対一で向かい合えば、たいていの場合は勝つことができないくらいひ弱な)「人間」という生物が、地球を文字通り「支配」し、多くの動物を絶滅に追いやり、地球環境を破壊するほどのパワーを持つことができたのはなぜなのか。
人間だけがもつ、そのパワーの正体と、それがどのように他の生物を圧倒して地球環境を激変させてきたのか、人類の「発展」の歴史(と、それによってもたらされた悲劇)を、小学生高学年くらいから中学生の子どもでも分かるように丁寧に説かれています。
考古学の発見から想像できること、たぶん「確かだろう」とかんがえられること、あり得るけれども本当のところは「わからない」こと、これらをきちんと書きわけているところも、筆者の誠実さを感じます。
筆者を有名にした『サイエンス全史』はまだ読んでいませんが、本書を読んで是非読んでみたいと思うようになりました。 -
Posted by ブクログ
ホモサピエンス全史が多くの人の心を打つのが分かる。児童図書のこの作品で十分なくらい楽しい。
Audibleで拝聴後、子どもに読み語りしたくて即ポチ。
しかし、届いてみて絶望。
人間がちょっとやそっとで音読できる量ではない。そりゃそうだ。Audibleでも5時間分。2時間弱だと思っていたのは3.3倍速で聞いてるから。(プチ承認欲求)
ガチで読んでも向こう3ヶ月はかかるぞ。毎日くちびるをカサカサにしながらだ。唯一の利点は、読んでる最中に子どもが全員撃沈することくらい(笑)
人類を地球の支配者たらしめたスーパーパワーとは一体何だったのか。私からしたら、その絶滅の量産にどんな悪意があったのかと思う。なんでみんな消えちゃったの。なんで人類はこんなに強いの。
私一人は、こんなにも弱いのに。
その答えを、親が考えなくて良くなった。良著。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読みやすい本ですのでほとんどすべての世代の人たちが読むことが出来ます。
一応は人間達は全体としては、この地球上の生命の中では大変な強者であり、それだからかこそ現在まで生き残ってきている。
«〖私たちの祖先が、今ある世界を作り上げてきた。未来の世界がどんなものになるかを決めることが出来るのは私たちだ。
この世界を今のようにしたのは人間です。そして人間は、この世界を変えることができます。もしも世界に何かひどいことがあると思えるなら、もしかしたらあなた自身の力で、もっと良いものに変えることが出来るかもしれません。〗»
インドネシアフローレス島の滅びた小型の人類
小型の人とネアンデルタール人とでデニソワ人の他にも、大昔にはたくさんの種類の人類が地球上で暮らしていた。
しかし私たちの祖先は「ホモ・サピエンス」ラテン語で「賢いヒト」という意味。
人間達のことを危険な生き物に見えなかったため、警戒されずに簡単に滅ぼされてしまった。
誰も気づかないような小さな変化でも、時間がすぎるにつれてつみかさなると、大きい変化になる。……小さな変化しか起きないから、……やっぱり変化には気づかない。でも時間がたつにつれ、小さい変化がつみかさなって、とても大きい変化になる。
クジラ保護の話は反捕鯨で、日本にとって悪いことなのではないのかと思いました。
人間は世界じゅうで一番危険な動物。
私たちの祖先はそのすべてを、人類だけが持つ能力を用いてなしとげた。 -
Posted by ブクログ
『サピエンス全史』の著者による、人類のこれまでが描かれた児童書です。
人類とは何なのか、ホモ属のみんなはどこへ消えたのか、サピエンスは他と何が違うのか、動物消失の理由が児童向けに解説されていますが、年齢を問わずに役立つこと請け合いです。
サピエンスが手にした不思議なパワーは幾つかありますが、無いものを有ると仮定できることや集団で行動できる点が大きいのだろうと感じました。
ネアンデルタールなどの他人類や様々な大型生物を絶滅させるまでその力をフル活用してしまったことについては、サピエンスの一個体として残念に思います。
ネアンデルタール人やデニソワ人や小型人類がもし現代でも共に生きていたとしたら楽しそうであるとも思えるし、サピエンスの行き過ぎた行動を戒めてくれそうな気もします。
しかし彼らはもういないので、我々は同じ轍を踏むことのないよう慎重に本当の意味でホモ・サピエンス(賢い人類)になるしかないのです。