森万佑子のレビュー一覧

  • 東アジア諸国と近代世界

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    ある程度(大学入門レベルか)東アジア近代史を勉強した人に少し異なった視点から歴史を読み解くことを薦めた本だと思う。
    この時代に各国が結んだ不平等条約が「不平等である」と認識されたのはいつからで、どのようになのか?琉球の両属関係と現在の領土による国家関係が必ずしも繋がらないのはなぜなのか?このように考えていくと非常に面白い。
    何よりそれぞれの理由がなんというか、良い意味で人間臭いのである。歴史の息遣いとでもいうべきなのだろうか。

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    2025年07月06日
  • 韓国併合 大韓帝国の成立から崩壊まで

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    19世紀後半の列強諸国の東アジアへの関わりから、当時の朝鮮及び日本の立場を説明する。

    長い間中国の所謂「属国」として朝貢体制をとり、正統な中国として見ていなかった清に対し、朝鮮こそ中華思想を継承できる国であると考える非近代的な国家であったようだ。そこに植民地を拡大する列強が侵食してくる。日本にとっては脅威であり、また列強の仲間入りを目指すチャンスでもあったのは確かだ。

    日清戦争、日露戦争、韓国の植民地化は、同じ文脈で語られるが、本書ではそれを含め韓国併合までの日韓両国の条約締結までの背景や史実を淡々と述べてくれているので、読者に正統性の判断を任せているように感じた。

    日韓はよく言われるよ

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    2023年03月21日
  • 韓国併合 大韓帝国の成立から崩壊まで

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    日清戦争から日本による韓国併合までの詳細が分かる。
    日本の学校教育では、韓国との関係をほとんど教えてくれなかった。そのため、韓国側の日本への対応に関して理解が難しい。この本を読むことによりそれらの疑問への解があるていど得られる。朝鮮半島の歴史を知り、日本の植民地となった経過を詳しくしることがなければ日本と韓国の関係を語ることはできない。
    非常に近い隣国である韓国と日本が有効的な関係を築くことは両国国民にとっての幸せであることは間違いない。しかし、それが進むのではなく足踏みとか後退が多い。打開の基本は歴史を踏まえることだろう。

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    2022年10月21日
  • 韓国併合 大韓帝国の成立から崩壊まで

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    日本の戦争への道を考えるときにある種の不可逆的な一線を超えたのは、満州事変だと思う。

    が、そのとき、韓国はどうなっていたのか、日本は韓国を植民地しただけでなく、どのように併合してしまったのか、という疑問がよぎるわけだが、なかなかコンパクトにまとまっていそうなものはなかった。

    そういう中で、新書で読めるこの本を発見して、読んでみた。

    知らないことばかりで驚いた。なんと強引なやり方で、他国を植民地化していったのか。。。。

    自らが西洋諸国に植民地化される恐れの中で、頑張り続け、その結果、自らが植民地主義者になってしまったのだ。自分がやられたこと、やられそうだったことを他国に対して、やっている

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    2024年05月26日
  • 韓国併合 大韓帝国の成立から崩壊まで

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    近年の研究成果を反映しながら、大韓帝国が成立して崩壊していく過程に着目し、韓国併合に至る軌跡と実態を史料に基づき実証的に描く。また、1990年代以降の韓国併合をめぐる合法・不法等の論争についても整理している。
    これまで日本視点での韓国併合論についてはいくつか読んだことはあったが、大韓帝国の視点から韓国併合までの歴史をたどるというのは新鮮で、知らなかった史実も少なくなく、勉強になった。
    特に、大韓帝国や高宗が当初明朝をモデルとした(小)中華思想に基づく国家を目指していて、西欧流の近代国家にいち早く切り替えた大日本帝国と最初から齟齬があったという点は興味深かった。このことを象徴するものとして、日朝

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    2023年07月17日
  • 韓国併合 大韓帝国の成立から崩壊まで

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    高校までの歴史授業では、明治維新時の内政改革を列挙した後、議会開設と大日本帝国憲法が・・くらいまでしか、聞いた記憶が無い。おそらく時間切れ、あとは自習ということであったろう。日清・日露、大正デモクラシー、太平洋戦争、また、小村寿太郎、原敬・・という単語はもちろん記憶にとどめる。しかし、「韓国併合」について、高校生がどのように理解するかと言えば、征韓論→日清日露の勝利によって日本も版図を広げ帝国主義列強の一員に??という、単視眼的な理解でのインプットを促す書き方でしか、サブテキストなどにも載っていなかったと思う。東学党だの義和団だの閔妃だのというのも片隅に書いてあったとは思うが、あまりにも断片的

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    2023年01月22日
  • 韓国併合 大韓帝国の成立から崩壊まで

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    海を隔てたとは言え、隣国である現在の韓国。
    何故、併合されたのか、歴史の教科書より少し深いところがありました。
    閔妃暗殺をもう少し詳しく知りたかったのですが、そこは他の書と同様にサラッとでした。

    巻末のあたりに
    併合とは日本からの見方で
    侵略、植民地化、韓国(朝鮮)からはそう捉えるのだ
    とある
    とても考えさせられる。
    李氏朝鮮が近代化していく風景を垣間見れた本です。

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    2022年11月16日
  • 韓国併合 大韓帝国の成立から崩壊まで

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    韓国の文書がかなりつかわれていることが見て取れる。今までの本はほぼ日本側の政治のみであったが、韓国側の政治的な動きが丁寧に書かれている。これからの韓国併合の基本書となるであろう。

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    2022年10月07日
  • 韓国併合 大韓帝国の成立から崩壊まで

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    序章:中華秩序のなかの朝鮮王朝、第一章:真の独立国家へ、第二章:朝鮮王朝から大韓帝国へ、第三章:新国家像の模索、第四章:大韓帝国の時代、第五章:保護国への道程、第六章:第二次日韓協約の締結、第七章:大韓帝国の抵抗と終焉、終章:韓国併合をめぐる論争。大韓帝国の側から見た韓国併合の様子を描く。清を頂点とする中華冊封体制から抜け出した朝鮮だったが、小中華の考え方から離れられず、高宗が専制主義を目指したため、近代資本主義を目指した日本の体制に抗うことはできずに保護国、そして日本と併合せざる得ない状況になってしまったことがよく分かる。併合が合法か、不法かの結論は出していないが、主な争点は、①通常の決済過

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    2022年09月10日
  • 韓国併合 大韓帝国の成立から崩壊まで

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    韓国併合に至るまでの過程を朝鮮側から描いた書。著者は擁護しているが高宗のビジョンの浅さが際立つ。

    従来の緩やかな朝貢体制下の宗属関係「属国自主」が西洋的条約体制に適応する際に、条約論理上の自主独立と清への完全服属を巡って日清戦争が起き、日本式の甲午改革で近代的独立国となった。
    しかし、対外独立の下立憲君主制を目指す親日改革派(都市部の独立協会)と中華の後継者として専制政治を好む親露的な高宗で対立が起き、大韓帝国成立後、露館播遷などを通じて皇帝高宗は中枢院を無効化し、儒教と洋風を混ぜた皇帝専制を志向するが、財政難に苦しむ。
    日露対立の中、高宗は対露提携・局外中立と日韓協約を天秤にかけ、前者を選

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    2022年10月01日
  • 韓国併合 大韓帝国の成立から崩壊まで

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    韓国併合の歴史を日清戦争あたりまで遡って、日韓双方の視点から軌跡と実態を描くという、パッと見、嫌韓本ということでは無さそうなので、購入した。

    今もなお隔たりのある、歴史認識の違いというのが、日韓でかわされた条約、ひいては植民地が合法だったのか非合法だったのかというレベルで食い違っているということらしい。

    これを白黒つけるのはいつまでたっても無理。ただ多くの朝鮮人が合意せず、歓迎しなかった、ということは読み取れる。だから日本も悲しい過去があった事は認めているので、そのあたりでいいんじゃないかと思う。

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    2022年09月30日
  • 韓国併合 大韓帝国の成立から崩壊まで

    朝鮮の財政的な視点に欠けている

    先ず日清戦争によって独自に独立した訳では無い。
    清の属国であったのを下関条約によって独立させた。露の南下を日本が牽制していたし、ポーツマス条約により朝鮮の実質的保護権を得た。何れにしても血を流し帝国主義的植民地化を防いだのは日本人だ。
    朝鮮政府が財政破綻していたのを国家予算の5分の1を補填費、公債の名目で援助していた。民間や技術援助を加えれば如何程であろうか。偏に東北民の犠牲の上に成り立つ繁栄だった。

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    2024年12月05日