エーリッヒ・フロムのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
・近代資本主義は前近代の伝統的身分社会を破壊した。しかし、そんことにはすべべての人間を自由にしたという正の側面だけではなく、人と人との温かなリアルのつながり、絆を破壊したという負の側面もあった。人間は、自由になると同時に一人で世界と対峙せざるをえない孤独な存在となった。
・権威にはふたつある。合理的な権威と非合理的な権威である。また、複縦にも自律的服従と他律的服従がある。自分では判断せず、他者の意思や判断をそのまま受け入れることが他律的服従である。服従を自覚していない者は問題である。
・「組織人」とは。自分が服従していることを忘れた人間の典型である。
・20世紀の権威は匿名の目に見えない存在となった。もはや誰も命令などしないが、それでも人は目に見えない権威に従うようになった。
権威主義的倫理の一番の問題は、理性で考えないことである。
「ひと」に同調することは自分を捨てることである。自分の考えを持たない人間はもはや人間ではなく、いつでも他の誰かと交換可能な単なる人材に過ぎない。
・しかし、なぜ権威への不服従は難しいのか。それは、孤独になるからである。服従している限り、守られていると感じ、安全だと感じるのである。
・社会的無意識、集合的無意識の問題。それが社会に蔓延し、権威となっている。
・自由を求めていたはずなのに、自由には責任を伴うことを知ったとき、人は自由を手放してしまう。自由を手放せば、自分が誰かを考えること、人生の意味を考えることからも解放される。 -
Posted by ブクログ
現代において、国内外問わず「孤独」を感じる人は多い。日本人もそうだ。人は孤独を恐れ、恐れる者同士で歪んだ共同体への参加をフロムは危険と説く。だが、強い孤独は病のように進行し、日本国内では10代から50代という学生から現役世代、初老に至るまで、その病は蔓延り進行している。
さて、本著では、新しい共同体を作ることを推奨している。友人や恩師、旧友や職場での仲間。元気な人は高齢になっても人との関わり方を持ち、独自の共同体を作っている。フロム曰く、孤独という病に乗じた支配や営利(犯罪含む)を目的としている歪んだ共同体への仲間入りするのは危険だと説く。その通りである。孤独は人を盲目にさせる。だからこそ、自分の孤独と向き合い、そして、人のと関わりの中で自分と人間の相性が良い質の高い共同体への参加を勧めている。
そして、重要なことは、私、あなたという自分自身で学び、他人の価値観や権威に従うのではなく、自分の責任と意思で行動することで本当の意味での「自由」が手に入ると述べている。現代の社会の重くしがらみが強い世界で生きる私たちに刺さる本といえよう。