アニーエルノーのレビュー一覧

  • シンプルな情熱
    原典、Passion Simple
    邦題、シンプルな情熱
    今の私には、贅沢とは、ひとりの男、またはひとりの女への"激しい恋”(=パッション)を生きることができる、ということでもあるように思えるように。


  • シンプルな情熱
    どなたか知識人の女性がテレビでお勧めしていた1冊。
    『ストレートに女の性を描いて話題騒然の書』と帯に書いてありますが性でびっくりしたのはプロローグだけ。
    読み進むうちに片思いの切なさ、待つこと以外何もしたくない時間、恋の終わりの予感の妄想や苦しみ、など本気で人を好きになったら勝手に訪れてしまう感情た...続きを読む
  • 嫉妬/事件
    身体を傷つける具体的な内容や醜い心を包み隠さない内容等が書かれており、うわ!と思わず声が漏れてしまった。人間が窮地におかれた時の見せない醜くい部分も人間らしいなと思う。
  • 凍りついた女
    凍りついた女

    著者:アニー・エルノー
    訳者:堀茂樹
    発行:1995年8月31日
    早川書房

    昨年、ノーベル文学賞を受賞した著者。1冊も読んだことがなかったが、昨年10月に「シンプルな情熱」という作品を読んだ。発売当時は日本でも大反響があり、「場所」「ある女」とあわせて〈証言〉三部作と呼ばれているら...続きを読む
  • シンプルな情熱
    積読の本を「片付け」ようと思い手に取った。
    ノーベル賞受賞アニー・エルノーの代表作。映画化されて大層話題にもなった。A役が有名なバレエダンサーで適役だということだったように思う。

    さて、「シンプルな情熱」は、まさしく「シンプル」な「情熱」であった。(繰り返してる笑)
    「シンプル」であることの剥き出...続きを読む
  • 嫉妬/事件
    著者が過去の自分の手紙を読み返しながら、この小説を書いているようで、オートフィクションという特殊なこのタイプは、はじめて読みました。読みづらかったです。

    嫉妬では、心の中での私と、もう一人の私と、さらにもう一人のわたしで会話しているかのようで、自走、仮想、妄想とずっと一人で、狭い部屋にいる感じです...続きを読む
  • シンプルな情熱
    おフランスの恋とはこのように没入的なのね…だけど時間をおくと、恋情もセックスもこのように乾いてカチリと表現できるのね。で、これがベストセラーになるのね。深いな、フランス。
  • 嫉妬/事件
    全体的にかなり読みやすい。描写や表現はノーベル賞受賞するくらいだからやっぱり凄い、と納得した。
    「嫉妬」は主人公が別れた後、男性が他の女性と暮らしていることを知り、激しい嫉妬に駆られる心情が描かれた作品。女性心理を凄く強烈に描いていて、失恋後だったらちょっとは共感できるのかもしれない。嫉妬によって妄...続きを読む
  • シンプルな情熱
    映画化を観て、
    これが小説だとどのように表現されるのかと、
    楽しみにして読んだ。

    醒めた視点は共通するが、
    原作はなんという内的な情熱の物語か。
    独白とも異なり、
    このような出来事があったという事柄は少なく、
    あくまでも自己批判的、内省的なパッションと、
    書くことに関する言語化というか、
    何が私の...続きを読む
  • 嫉妬/事件
    劇薬みたいな小説エッセイだった。
    40歳にもなって年下男の今カノを特定しようとする様はほぼホラーなのだが、その辺りの葛藤描写が精神病にも近い妄執となっており楽しめた。
    ここまで言語化できるという点が面白い。

    20代前半で望まぬ妊娠した主人公が3ヶ月間で如何にして堕胎したのかを書いた『事件』はよりシ...続きを読む
  • ある女
    母親が亡くなった後、記憶を頼りに書かれた母親の姿、回顧。ノルマンディの小さな村に生まれ育ち、貧しい中で常に上を目指して精力的に生きて来た母親と、大学に行き、いわゆる”社会的階級”の壁を乗り越えた娘。
    認知症になって施設に入った母親を、複雑な思いで見守る娘の気持ちが率直に書かれている。ボーヴォワールの...続きを読む
  • 嫉妬/事件
    仏映画 あのこと
    この原作が事件。エルノーの自伝的小説。それだけに生々しく、想像することを拒絶しそうになる。

    60年代フランスはIVG 人工妊娠中絶が違法。
    この時代背景でもって、彼女は苦しむ。
    果たして中絶することとは、権利であるのか。
    それとも。。。

    あとがきが秀逸であり、本当に考えさせられ...続きを読む
  • シンプルな情熱
    2022年 ノーベル文学賞受賞者アニーエルノーの代表作といってもよい作品。自身の不倫の経験を冷徹に観察することによって成立した作品。不倫相手を待つ苦しみ、不倫相手の離別との苦しみが主に描かれる。そして、情事の絶頂も少し触れる。情事の最中の肉体的な快感や葛藤には触れない。不倫という関係で得られる感情の...続きを読む
  • シンプルな情熱
    とても短い小説なのですぐに読める。
    内容もただ「恋」の話だから難しくもない。
    文章もシンプル。
    .
    原題は『Passion simple』

    passionはもともと外部から被害を受けたときに生じる「苦しみ」「苦難」「苦悩」を意味する語であり、Passionとpを大文字で書くとイエス・キリストの「受...続きを読む
  • 嫉妬/事件
     2022年にノーベル文学賞を受賞したフランスの作家アニー・エルノーの短編集。『嫉妬』(堀茂樹訳)と『事件』(菊地よしみ訳)所収。

     自伝的フィクション(オートフィクション、autofiction)の作家だそうで、自身の経験をもとにしたフィクション。社会問題はさておき、そしてそのことと個人の経験が...続きを読む
  • 嫉妬/事件
    自身の思考、感情などを言葉にしようとする意志の力に感嘆するものの、それ以上にこころをゆすぶられるものはなかった。
  • シンプルな情熱
    ノーベル賞を受賞したので読んでみた。
    評価ご真っ二つに分かれるとあった。女性の性について素直に書くと言う事、その時期を書き綴った事、を作品として評価されたものであるようだ。
    一読で私は何とも表現しがたかった。やはり外国の人は性の捉え方が日本と違うように感じる。
    読んで悪い本ではないが、また読み進めた...続きを読む
  • 嫉妬/事件
    2022年ノーベル文学賞作品

    届いた小説は、文字が大きく行間が広く、むかし読んだ山田詠美の小説みたいなレイアウト。
    その割には1080円と値段が高い文庫本。
    ネット注文だったので、届いた時に、見た目にはガッカリする。

    読んだ感想は、読みやすい。
    その時の“私”の気持ちを淡々と解説し続けている。
    ...続きを読む
  • シンプルな情熱
    ノーベル文学賞受賞。
    初めて読む、アニー・エルノー作品。
    生のすべてを捧ぐような情愛。道ならぬ恋。
    同時にそれをどこか客観視するような筆致。
  • 嫉妬/事件
    「オートフィクション」とは何なのか。「私小説」とは違うのか。残念ながら、私には2作ともあまり面白く感じられなかったし、文学的価値もよくわからなかった。

    『嫉妬』は、自分の心の動きをこれでもかと冷徹に書いていく筆致はよかった。どんどん嫉妬にはまってストーカーのようになっていく心理は怖くて、嫉妬ってや...続きを読む