アニーエルノーのレビュー一覧

  • シンプルな情熱

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    ネタバレ




    『シンプルな情熱』


    フランスの作家 アニー・エルノー の
    自分自身の体験を語った問題作♡



    【早川書房創立80周年記念
    ハヤカワ文庫の80冊】
    今、ハヤカワ文庫の帯には
    各界の著名人による
    推薦コメントが書いてあるんですよね!



    この『シンプルな情熱』の帯は
    金原ひとみさん 素敵でしょ(ღ*ˇ ˇ*)。o♡


    なんて書いてあるかと言うと……

    「ここまでの超常的な
    俯瞰視点の達成は、

    0
    2025年10月01日
  • 嫉妬/事件

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    面白かったんだけど、中絶手術の様子が生々しすぎてトラウマ級に辛かった。ちょっともう一度読める気がしないです。

    人工中絶が合法化していない&技術が発展していない時代、女性はそれだけ過酷な方法で自分の身を守っていたんだということがよく伝わりました

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    2025年07月03日
  • 嫉妬/事件

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    読み友さん、読んでいた本。気になっていた。☺ 一日に没頭した2作品。あまりに、生々しくて読むのが辛かった中絶に関する【事件】 【嫉妬】、誰にでもあるかもしれないし、ここまではないかもしれないし。 久しぶりに翻訳物。やっぱりよかった。 アニー・エルノー。フランスの作家さんで、ノーベル文学賞を受賞された方です。

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    2025年05月30日
  • 嫉妬/事件

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    妄想の代償と行動の反動と、様々な感情にただ振り回されて心が占有される様「嫉妬」

    優生手術の実態を克明に描き、苦悩と戦った女性と、権利に苦悩する息苦しさを謳う「事件」


    一歩違えば嫉妬していたかもしれないし、油断していれば事件に巻き込まれていたのかもしれない。一人称で記されているからこそ他人事じゃなく感じる。生まれた環境が違う、自分の境遇を呪う、なんて自分と他人を比べることがあると思う。そんな表層の話ではない。真に相手や時代に向き合ったとき、見える本性を読んだ気がする。

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    2025年05月27日
  • 嫉妬/事件

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    別れた恋人のSNSを覗きみたり...
    いつまでも引きずってたり、
    忘れられなかったり...
    そんな経験がある中で「嫉妬 」で刺さりまくり、穴があったら入りたくなる。
    でも、この作品のおかげで自分を客観的に見ることができた、大切な作品。ありがとう。

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    2025年01月31日
  • 嫉妬/事件

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    「彼をもう一度自分のものにしたかった」 

    当時真実だったただ一つのこと、私はそれをけっして口にしないつもりだったけれど、それは、「あなたと寝たい、そして、あなたにもうひとりの女性を忘れさせたい」だった。他のことはすべて、厳密な意味において、フィクションにすぎなかった。

    これが嫉妬の誕生でしょう。

    精神と肉体のステータスを満たすもの、満たしているものを喪失する、奪われる危険性にたいしてだとか、自分が手にできないものに対して抱かれるのではないでしょうか。
    また、それにたいして"努力をしていない"であったり、"努力の程度"が低い者ほど強く抱く傾向にあると

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    2025年01月29日
  • 嫉妬/事件

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    この作品の言葉にはあまり感情が見られない。
    出来事を言葉にすることで与えられてしまう、ある種のフィクション性がなるべく排除されている。
    記憶がドラマチックに歪曲されてしまうことを作者は危惧しているように思う。
    そういった意味で最もノンフィクションに近い小説だった。

    印象的だった箇所
    「当時真実だったただ一つのこと、私はそれをけっして口にしないつもりだったけれど、それは、「あなたと寝たい、そして、あなたにもうひとりの女性を忘れさせたい」だった。他のことはすべて、厳密な意味において、フィクションにすぎなかった」

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    2024年01月26日
  • 嫉妬/事件

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    ノーベル文学賞に身構えたが、非常に読みやすかった。

    作者の経験をから書かれた、ノンフィクションとも私小説とも言えない感じの文章。
    それだけに生々しく苦手な描写も有り。

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    2023年04月12日
  • 嫉妬/事件

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    『嫉妬』と『事件』の2作品。
    どちらも興味深いテーマだった。
    妊娠、中絶、出産。女性としての生殖機能があれば必ず考えなければならないできごと。
    何を選択してもみんなが幸せになれる世の中になればいいのにね。

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    2023年04月11日
  • 嫉妬/事件

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    私は終えた。嫉妬に囚われた想像界、ここではそれは、嫉妬の虜であり、かつ観客であつわた私自身よ想像界だったわけだが、そこに現れるさまざまな形象を抽出することを。

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    2023年03月25日
  • 凍りついた女

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    アニー・エルノー『嫉妬/事件』の次にこれを読んでみる。

    ひとりの女性の幼少から大人まで。
    独り言をまくしたててるような、短い分の連なり。

    特に少女から大人に移行していく十代後半の脳内は、特有の悩みが充満する。比較、否定、肯定…繰り返し。

    この十代の気持ちが必死に一つに、自分のアイデンティティにしようともがいている様子から引き込まれるように読んだ。自分にも覚えがあるからだろう。

    結婚してからの現実。よくある不満だ。女はこうであらなければならない、男はこうあるべきだからね。
    夫婦がどちらもバランスよく過ごすとしたら、話し合いしかない。
    話し合いができないなら、どちらかが我慢を強いられること

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    2023年03月24日
  • 嫉妬/事件

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    縁あって読む事になった小説。「嫉妬」「事件」の2作収録につき別々に感想を書く。

    「嫉妬」
    嫉妬に駆られている自分を冷静に見つめようとしながらもそれを失念し、ふと気付くと嫉妬が原動力になって色んな事をやらかしている、やらかそうとしていた事を冷静になった自分が書き記している、という作りになっていて面白いなと思った。
    嫉妬から解放された主人公(?)が、当時の心情を分析しながら回想する時の冷えた描写が中々刺さるし、明け透け過ぎて笑えてしまう事もしばしば。
    しっかり消化するには脂身多め(自分的に)だが、何度も再読する価値があるな、と思った。

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    2023年02月18日
  • 嫉妬/事件

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     映画「あのこと」を先に観てから原作読みました。映像が何せ衝撃だったので、小説はそれに比べると淡々と書かれていた印象。それでも、主人公の苦悩、女性だけが受ける苦痛はひしひしと伝わってきました。
     人工中絶が合法化されたのは日本の方が早かったことを解説を読んで知り、とても意外でした。未だ日本では経口妊娠中絶薬が認可されていないなど、海外より遅れている印象があったからです。でも、解説によれば、日本で中絶が合法化されたのは、優生保護法により不良な子孫を残さないために中絶が必要になったとのことで!ぞっとしました。
     本書により優生保護法についても考えるきっかけになりました。

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    2023年02月05日
  • 嫉妬/事件

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    2023.1.14

    喉の奥に胸の奥に、後味がざらりと残る。

    追体験とはこのようなことを言うのか、
    と考えさせられるくらい、とめどない感情の波に呑み込まれ揺さぶられてしまう。
    読者の想像力や思考力を試しているかのような、畳み掛けるような筆致が続く。

    これは、遠い昔の話ではないのではなかろうか。
    いま我が身に起こったばかりのような迫真さ。

    中絶にまつわる世界情勢が巻末で解説されている。
    この本がノーベル文学賞受賞の話題と共に世界に広まることで、女性の人権と政治と宗教を見つめ直す契機とせねばならない。
    だからこその受賞ではと思い巡らせる。

    邦題は「事件」だが、映画版のタイトルは「あのこと」

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    2023年02月04日
  • シンプルな情熱

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    フランスらしい愛と性の話。24時間が不倫相手の男のためだけに使われている。男はそうではないけど。発展することはもちろんなく、肉体だけで繋がっている、ただそれだけの話。小説自体があっという間に終わるので、あとがきの長さに驚きました。

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    2023年01月28日
  • 凍りついた女

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    日本は海外と比べて開けていないと思い込んでいたけど、どこの国でも立場や性別で差別されていた時代があったし、今もあるのだろうと思った。

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    2023年01月16日
  • ある女

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    ネタバレ

    2022ノーベル文学賞受賞のアニーエルノーの作品。
    母親の死を契機に、母の人生を咀嚼するように、振り返るために書かれたかのような本。
     文を書くことで、母の人生を、母の価値観を、母の生活苦をそして母の心配を母の希望を母の喜びを追いかける。そうやって母の人生を文章で綴ることが唯一の追悼でああるかのようだ。これは場所で父親を追悼した時と同じ手法である。ただ母の場合は性についてより赤裸々に描写している。
    日本では私小説という分野が盛んで、小説家の家族は結構なんでも赤裸々にバラされてあらあらということがあるが、これはネタ探しというよりもう少し内省的である。フランスの民衆も歴史に翻弄され、貧しいながらも

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    2022年12月28日
  • ある女

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    母親のことが書かれている。私自身も、母親と四六時中一緒にいると息が詰まるため、一定の距離を置いている。大学に入って実家を出たときにはホッとした。ある時、実家、母親のやり方に、ふと疑問を感じ、否定する気持ちが出てきたのだ。
    晩年の母親のシーンで、自分自身と母親、また、子ども達と母親としての自分を思って怖くなった。

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    2022年12月28日
  • 凍りついた女

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    「場所」や「ある女」、「シンプルな情熱」より、前半部分は少し読みにくかった。
    日本と同じく、フランスの男尊女卑が当たり前のことだったということがわかったが、アニーエルノーが、自分の両親よりも大分前に生まれている世代なのだということに驚く。今でこそ日本でも認められつつある男尊女卑だが、その世代の人が、結婚当初には既におかしいと感じていて、1981年に本にしているという現実が、日本の遅れを感じさせられた。
    現代のフランスは、どうなのか?日本と同じように、性による役割分担が、未だに染み付いているのだろうか。知りたくなった。
    『女の場合、やる気はどれもこれもひとりでに、必然的に失せていく。』とは、まさ

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    2022年12月28日
  • ある女

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    エルノー二冊目。母の記憶をつづった一冊。『シンプルな情熱』の時同様、淡々とした語り口が好きなので、作品も好きだった。
    印象的な(視覚的に)冒頭のシーンも、母を冷静に見て、彼女が苦労したこと、階級を超えるために努力したこと、超えられなかったことも、淡々とつづられている。
    フランスは(?)こんなにも階級がかっつりしているんだなあと思いつつ、このような小説は果たして今の世代に当てはまるのだろうか、将来もこういった”階級”の小説、階級を超えようとする営みはあるのだろうか、なんてふと思った。この本で描かれているような、工場勤めの労働者階級と、大学を出て知識人と、という形はもう少し違う形で、存在するのだろ

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    2022年12月03日