ノーベル文学賞つながりで、川端康成を本屋で買ったついでに平積みされているのをなんとなく購入。
私生活を書く人だと言うことくらいしか知らずに読む。
率直な感想は「私にはもはや遠い思い出」という感じ。
誰かを熱烈に想ったり待ち侘びたりする季節は過ぎ去ってしまった。
描写は簡潔でそっけないほどだ。
...続きを読む自己と対話するような語り口が同じフランス人作家のマルグリッド=デュラスを思い起こさせるが、例えば「ラマン(愛人)」や「太平洋の防波堤」のようにフランス領インドシナを舞台にした異国情緒による風景の拡がりみたいなものは感じられない。アニー=エルノーの描く世界は閉じた狭い街と部屋の中という感じがする。
今回、川端康成とアニー=エルノーを続けて読んで、ノーベル文学賞とはなんぞや?と改めて思った。
普段気に入った作家の小説ばかり読みがちなので、世間的に認められている本もちゃんと読んでおかないとなぁ!と反省しました。