及川順のレビュー一覧

  • 引き裂かれるアメリカ トランプをめぐるZ世代の闘争

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    政治的分断が続くアメリカには、分断を扇動する若者たち、分断に対抗する若者たち、そして分断を回避しようと試みる若者たちがいる。様々な社会問題を乗り越えてきたZ世代の若者たちは、悪魔化を唱える超保守と、リベラルを超えたプログレッシブに分かれ、その狭間でエスニックスタディーズが発展してきた。
    政治的分極化の局面で登場した超保守トランプをめぐる、Z世代たちの闘争が見事に描かれていて、日本のメディアでは知ることのできないアメリカの実情を理解するのにとても役立った。
    アメリカって一言で言っても、地域や環境によって考え方や暮らしてる人たちは様々なんだなと改めて思わされる。いつか必ず行きたいし、現地の人たちと

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    2025年11月24日
  • 引き裂かれるアメリカ トランプをめぐるZ世代の闘争

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    現在の米国若者の政治に対しての主張や考え方に基づく団体がいくつかある。それらの違いによる分断を解説してくれている。

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    2025年03月08日
  • 引き裂かれるアメリカ トランプをめぐるZ世代の闘争

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    ネタバレ

    たぶん20世紀だったら、一般的なイメージのアメリカというのは、もっと明るく自由な国だったはず。
     本書を読んでいると、二大政党制の歪みや限界が現出していることを強く感じる。保守の拡大再生産の有り様。米国にプログレッシブが存在している理由。
     結局、二つしか無いというのは、多様性を受け止めるには少なすぎるということなのだろう。

     そんな中で、エスニック・スタディーズという動きが出てくるところが、アメリカの底力なのかもしれない。

     ただ、読めば読むほど、日本の政治とそれを取り巻く状況の閉塞感に囚われてしまうのだが。

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    2025年02月26日
  • 非科学主義信仰 揺れるアメリカ社会の現場から

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    分断するアメリカを「非科学主義信仰」という切り口で捉えたルポ。時期的には、2019〜2022年と第一次トランプ政権の後半、コロナ、大統領選でのバイデンの勝利とトランプ支持者の国会への乱入、そして中間選挙に向けた動きあたりまでがカバーされている。

    第二次トランプ政権が成立した今の時点で見ても、古くないというとうか、アメリカ社会の状況の理解は進んだ。

    ルポというのは、やはり取材する範囲などの制限もあり、どうしても全体像は見えにくいし、取材する人の問題意識によって、誰の話を聞くかということは決まってくるので、必然的にニュートラルなものではあり得ない。

    この本では、著者はわりとストレートに自分の

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    2025年02月14日
  • 引き裂かれるアメリカ トランプをめぐるZ世代の闘争

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    アメリカ社会の分断を高大学生の活動にフォーカスして取材した本。

    記者によりルポなので、スラスラと読める。もちろん、これで全体像がわかるわけでもないのだが、抽象レベルの高い議論ではまだ実感できていなかったことがリアリティとしてじわっと伝わってくる。

    学生が政治的な主張を明確にした組織的な活動を行っているというのは、日本と比べると驚きだが、アメリカという国を考えると、そうだろうなと納得するところも多い。

    なるほどと思ったのは、アメリカの右派的な活動をしている人たちが反感を持っているのは、「リベラルすぎる学校教育」であるというところ。

    確かにアメリカの大学とか、多様な価値を認めあって、そこか

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    2025年02月06日
  • 非科学主義信仰 揺れるアメリカ社会の現場から

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    現在のアメリカが陥っている、東の市場関係者等と西のIT関係者というエリート層と、主に中西部に住む工場等に勤める中間層の“(収入の)格差”によって生じている、いわゆる「分断」をわかりやすくまとめた本。

    ただ、その手の本を何冊も読んだり、もしくはニュースやネット等で情報を見聞きしている人にとってはやや既知のことが多いような?(^^ゞ
    そういえば、著者はNHKのLA支局長だとかで。
    確かに、テレビのニュース等で見た記憶があることが多かった気がする。
    そういう理由で、自分はたまたま★3つにした。

    でも、例えば今年のアメリカ大統領選挙のニュースを見て興味を感じてこの本を手に取った人等、特に今までアメ

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    2024年12月16日
  • 非科学主義信仰 揺れるアメリカ社会の現場から

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    あくまで自分の場合だが、論理的思考力を養えと人から言われるたびに必ずアメリカを引き合いに出される。
    論理的思考力イコールアメリカ。(何故かアメリカなのだ…) だから本書を知った時「論理的思考力を重宝してやまないアメリカ人が、何の根拠もないところから主義主張をするのか?」と目を疑った。

    筆者はNHKロサンゼルス支局長を務めるジャーナリスト。
    2019-2022年の間、NHKのニュース番組で彼がリポートするために行った取材が本書のベースとなっている。
    タイトルの「非科学主義」は筆者が考えた言葉で、ザックリ言えば生活や政治問題を都合良く解釈すること。

    「(非科学主義の)狂信者たち」の主な特徴は白

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    2023年03月18日