ノーラエレングロースのレビュー一覧

  • みんなが手話で話した島

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    音が聴こえる人も、自然と手話を習得して、聴こえない人を区別する事なく社会に受け入れていたという、そんな素敵な社会が、かつて存在していたという話。障害とは一体なんだろうか?意思の疎通さえできれば障害とはみなされない社会。むしろ現在、同じ日本語を使っていると思っている人でも、意思の疎通ができなければそれは障害なのではなかろうか。

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    2025年11月23日
  • みんなが手話で話した島

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    小規模(島)で外との交流が比較的少ない時期において、家族や親戚の中に必ず聾者がいる。また、時代的にも島民みんなが働かなければ生きていけない、そんな環境では障害のない側が障害のある人を受け入れ、工夫し、変化せざるを得ない。そうした営みが当たり前に行われていた…ということを、角度を変えながら調査結果を示し、説明している本。
    丁寧だが、少し冗長に感じる部分もあった。
    自身の生活での関わりを考えてみると…心身にゆとりが必要だな…と思う

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    2025年11月23日
  • みんなが手話で話した島

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    その島では、聞こえる聞こえないにかかわりなく、誰もがごく普通に手話を使って話していた。

    ノンフィクションというのが驚き。手話は、耳の聞こえない人とのためのものだと思っていた。
    でも読んでるいると手話は状況によってはとても便利な「言語」だとも思った。

    どういうときに、私たちは人の特徴を障害とみなすんだろう。そんなことを考えたり。

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    2025年11月03日
  • みんなが手話で話した島

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    前から気になっていた一冊。
    たしかに、ろう者のいる環境が当たり前だったら、聴こえようが聴こえまいが、手話を使うようになり、聴こえないことを意識しなくなるんだろうな、という、貴重な「実験」になったんだろうなときちんと読んで腑に落ちました。正直、情報だけ漁っていたら、ただの近親交配の悪徳事例的な、侮辱的な歴史の物語かと思われる危険性がありますが、決してそうではない事。この史実を下に、色々な考えを巡らせる事ができる事、は書いておきたい。

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    2025年07月18日
  • みんなが手話で話した島

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    アメリカのボストンから南にあるマーサズ・ヴィンヤード島には 長きに渡ってろうの人が生活していて 誰も不自由なく暮らしていた。
    聞こえないから差別されるのではなく、聞こえる人も自然に手話を習得して 自然に手話で会話をしていた人々についての 学者さんの まとめた本でした。

    村の人はろうということに特に気に留めていなかったようです。
    「あの人たちにハンディキャップなんてなかったですよ。ただろうというだけでした」
    「何も変わったところなんてありゃしないのに」
    と 過去を振り返った村人たちはこのように語っていたようです。

    こういう場所があったのに 今はよそから人が入ってきて 状況が変わってきてるのが

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    2025年03月30日
  • みんなが手話で話した島

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    聾であることがいい意味でその人のアイデンティティーじゃなかったってすごい。
    障がいを障がいとして捉えるのは人によっては嫌な偏見になりうるってことを忘れないようにしようと思った。

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    2025年03月26日
  • みんなが手話で話した島

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    マサチューセッツ州にあるマーサズ・ヴィンヤード島は17世紀から20世紀の終わりまで、多くの聾者が暮らしていた。かつては人はその地域から動かずに暮らすことが普通であったために、遺伝子的に違い人同士が夫婦となることが多く、その結果として聾の遺伝子を持つ人同士の結婚により、聾者が島民の一割ほどになっていたということらしい。
    しかし、特筆するべきはその結果として、島民にとって聾であることはなんら驚くべきことではない普通のこと、目の色が違う程度の差であり、結果的にコミュニケーション手段として手話が使われ、健聴者も聾者と手話で話すことを普通に行っていた島だったということ。
    本書はそのマーサズ・ヴィンヤード

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    2023年11月12日
  • みんなが手話で話した島

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    あらためて、障害の社会モデルについて考えさせられました。障害に限らず、どんな社会にも少数派はいるけれど、みんなが無理せず暮らすことができる可能性を感じる良い本でした。

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    2023年08月04日
  • みんなが手話で話した島

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    【感想】
    本書の舞台であるマーサズ・ヴィンヤード島は、映画「ジョーズ」のロケ地に使われた避暑地だ。この島の中のチルマークという村は、1900年代の初頭には250人程度の人口だったが、確認できるだけでも10人が聾者だったという。
    この異様に高い聾者の比率によって、島のコミュニケーション手段は、常識では考えられないような発展を遂げた。健聴者が全員手話を使え、常に口語と手話が入り乱れるコミュニティが形成されたのだ。

    本書では「みんなが普通に手話で会話していた」というエピソードの数々が語られるのだが、われわれ健聴者社会に暮らす者にとっては驚きの内容ばかりである。
    まず、島の人はそもそも「誰が聾だった

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    2023年07月13日
  • みんなが手話で話した島

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    筆者と訳者の誠実な仕事ぶりがにじみ出ている本。

    障害はそれを持つ個人というよりも、むしろ環境や社会が作り出すのだということが、この本を通じて理解できた事実である。

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    2023年04月20日