ノーラエレングロースのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アメリカのボストンから南にあるマーサズ・ヴィンヤード島には 長きに渡ってろうの人が生活していて 誰も不自由なく暮らしていた。
聞こえないから差別されるのではなく、聞こえる人も自然に手話を習得して 自然に手話で会話をしていた人々についての 学者さんの まとめた本でした。
村の人はろうということに特に気に留めていなかったようです。
「あの人たちにハンディキャップなんてなかったですよ。ただろうというだけでした」
「何も変わったところなんてありゃしないのに」
と 過去を振り返った村人たちはこのように語っていたようです。
こういう場所があったのに 今はよそから人が入ってきて 状況が変わってきてるのが -
Posted by ブクログ
マサチューセッツ州にあるマーサズ・ヴィンヤード島は17世紀から20世紀の終わりまで、多くの聾者が暮らしていた。かつては人はその地域から動かずに暮らすことが普通であったために、遺伝子的に違い人同士が夫婦となることが多く、その結果として聾の遺伝子を持つ人同士の結婚により、聾者が島民の一割ほどになっていたということらしい。
しかし、特筆するべきはその結果として、島民にとって聾であることはなんら驚くべきことではない普通のこと、目の色が違う程度の差であり、結果的にコミュニケーション手段として手話が使われ、健聴者も聾者と手話で話すことを普通に行っていた島だったということ。
本書はそのマーサズ・ヴィンヤード -
Posted by ブクログ
【感想】
本書の舞台であるマーサズ・ヴィンヤード島は、映画「ジョーズ」のロケ地に使われた避暑地だ。この島の中のチルマークという村は、1900年代の初頭には250人程度の人口だったが、確認できるだけでも10人が聾者だったという。
この異様に高い聾者の比率によって、島のコミュニケーション手段は、常識では考えられないような発展を遂げた。健聴者が全員手話を使え、常に口語と手話が入り乱れるコミュニティが形成されたのだ。
本書では「みんなが普通に手話で会話していた」というエピソードの数々が語られるのだが、われわれ健聴者社会に暮らす者にとっては驚きの内容ばかりである。
まず、島の人はそもそも「誰が聾だった