谷口真由美のレビュー一覧
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ネタバレ『はじめに』には権利について書かれてる。
『権利を持っているというのは大きく分けて次の二つのことができることを意味します。
1 自分で何かを自由に行っていいこと
2 他人に何かしてもらうよう要求できること』
「ぎゃくたいってなあに?」は権利についてだけだったけど、この本はそれで何ができるかまで書かれている。
子どもたちの日常のこまごまとしたことについてを権利を絡めてアドバイスしてくれる本。
「ぎゃくたいってなあに?」と同じく『そもそも大人たちが権利を知らない』とこの本にも書いてあるけど、まさしくそれ。
大人は知らない。
子どもだけが知っていても「生意気なガキだな」で一蹴されることもある。 -
購入済み
「あなたの役割」とは?を考える
この本は、業界を仕切る男性たちやその閉ざされた社会に対する告発や恨み節ではない。乞われて足を踏み入れたはずのラグビー協会に、手足を縛られ翻弄されながらも懸命に向き合い続け、そして結局排除された一ラグビーファンの女性による記録だ。
その筆致はとても俯瞰的で、ときにユーモラスでさえある。それがかえって業界の病理や解決すべき問題点を鮮明に浮かび上がらせた。当事者たちもこの本を虚心坦懐に読めば、自分たちの現状を客観視できるのではないか。
まず“虚心坦懐”の境地をこの人たちに求めるのが無理筋かな^^; -
Posted by ブクログ
ネタバレいやー面白かった!思い当たるところがありすぎて、うちの会社の上層部と男性陣全員に一冊ずつ熨斗つけてお贈りしたいくらい。
理事を依頼される冒頭部分の、本人の事情や意向まるで無視なおっさん達の態度からして、ニッポンの家父長制の悪いところを集めて煮詰めたよう。いまの強引な女性登用って、おっさんによって生み出された家父長制の膿なんじゃないの…とすら思ってしまう。
元ラガーマンがスクラム組んで女性一人囲んで役職を依頼するなんて圧迫面接そのものだし、彼女を登用しておきながらずけずけ意見をいわれると「意見を聞かなくなった」って他人に愚痴ってる清宮さんもたいがいマチズモ体現してるし、川渕さんもその世代の男 -
Posted by ブクログ
ステレオタイプで良くはないが、ラグビー経験者は、「俺たちは、あんたより辛い練習を耐えた」「俺たちのフィジカルは、あんたより強い」と言う優越感というか、古典的マッチョイズムというか、上から目線というか圧を出すイメージがある。もちろん肉体的に大きいだけで、そんなつもりがない場合も多々あるだろう。(そうじゃない方も多々知っているので、あくまでステレオタイプということでお許しを)
しかし、ビジネスや成長という文脈において、その優越感に浸って、同じ村の人々とのみずっと交際したりすると、危険である。最近のビジネス用語で言うと、アンラーンしないのでグロースマインドセットにならない、ダイバーシティーの欠如がイ -
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新リーグ立ち上げを盛り上げるためだったのか、ただ体裁を整えるためだったのか、兎にも角にも茶番を仕込んだつもりのラグビー協会が、凄まじいキャスティングミスを冒した一件。著者の研究分野に関する理解と自分たちの組織の体質についての客観視がどれだけできていなかったのか。そのお粗末ぶりに驚く。もちろん著者だけの言い分だけでコトの良し悪しは断定できないが、細かな経緯や結果がどうであれ、著者は自身のやるべきことをやったと思う。学者はこうでなくっちゃ、と思った。著者のしてみれば、腹が立って書かずにはいられなかったという面もあると思うが、これを公にすることにより予想される様々な煩わしさに負けることなく、本書を刊
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TBSのサンデーモーニングで、歯に衣着せぬコメントで、視聴者の溜飲を下げることでおなじみの大阪のおばちゃんこと谷口真由美さんが、日本ラグビー協会での体験談を赤裸々に綴ります。あくまで谷口真由美さんの言い分なのでしょうが、読み進めていくと谷口真由美さんの理路整然とした経過記録に引き込まれていきます。
両親の都合で、近鉄花園ラクビー場で育った青春時代。ラグビーのルールを自然と身につけ、またラグビー界との人間関係も深まる中で、半ば強引に日本ラグビー協会に組み込まれる。新リーグ設立に尽力するが、「おっさんの掟」に翻弄され、齟齬にされ、役員解任に至る。自身が憲法学者ゆえに、日本国憲法に照らしてコンプ -
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2022年2月発行ということは、かなり最近の本だ。
筆者は法学者で、かつ、テレビやラジオのコメンテーターをやられていた女性。2019年6月に、日本ラグビーフットボール協会の理事に就任。2020年1月にラグビー新リーグ法人準備室長に就任されている。
2019年のW杯で、日本チームは大活躍をし、日本中にラグビーブームを巻き起こした。一方で、競技人口の減少に危機感を持っていた協会は、ラグビーのプロ化に舵を切る。筆者の谷口さんが、法人準備室長に就任されたのは、そのようなラグビー界にとって非常に大事な時期であり、また、法人準備室長はプロ化にあたっての対外窓口を務めるキーポジションであった。
筆者はラグビ -
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ラジオノオトでずっとパートナーをお務めだった谷口さんの著書ということで購入。
ラジオでもあらすじをおっしゃっていたように、ラグビー協会が、世の中にはびこる「おっさん的」思想や行動の代表格みたいな集団でびっくりした。
協会側の意見はこの本に記載が無いということを織り込めば、谷口さんはいわゆる日本企業でお勤めをされた方ではない(はずだ)し、「組織の論理」で目上に迎合する慣習みたいなものとそもそも反りが合わなくて、巧く協会内の政治ができなかった部分はあるのかもしれない。
ただ、私が思ったのは、ラグビー協会を「その中で上手く立ち回って少しずつ変えていく」レベルではなくて、「革新的に変えていく」必要が