• おっさんの掟 ~「大阪のおばちゃん」が見た日本ラグビー協会「失敗の本質」~(小学館新書)
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    「あなたの役割」とは?を考える

    この本は、業界を仕切る男性たちやその閉ざされた社会に対する告発や恨み節ではない。乞われて足を踏み入れたはずのラグビー協会に、手足を縛られ翻弄されながらも懸命に向き合い続け、そして結局排除された一ラグビーファンの女性による記録だ。
    その筆致はとても俯瞰的で、ときにユーモラスでさえある。それがかえって業界の病理や解決すべき問題点を鮮明に浮かび上がらせた。当事者たちもこの本を虚心坦懐に読めば、自分たちの現状を客観視できるのではないか。
    まず“虚心坦懐”の境地をこの人たちに求めるのが無理筋かな^^;

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    2023年02月12日
  • 雄飛 15
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    天賦の才と邂逅の妙が拓く人生

    雄飛の人生はあまりにも過酷だ。戦争による敗走の最中、母と姉を奪った強姦魔の所業を6歳で目の当たりにした雄飛は、復讐の燠火をひとり燃やしながら生き抜き、偶然の出逢いながら彼の天賦の才と折れない意志に惹きつけられた人たちに育まれて復讐の相手に辿り着いた。ドラマチックだがあくまで雄飛自身が切り拓いていく運命を、読者もまち子姉ちゃんや大垣親分や由美の立場に成り代わって見守る気分だ。

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    2018年10月06日
  • 女が、さむらい 最後の鑑定
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    荒唐無稽になってしまった

    風野真知雄の作品は殆ど読んでいる。時代劇だが価値観や人物設定は現代に近く、勧善懲悪も心地よい。
    この「女がさむらい」もそのトーンで進んでいたが、この最終巻?でまさかの路線変更、SF映画「未知との遭遇」「宇宙大戦争」に転じてしまった。
    明治維新は宇宙人の侵略の所為で、立ち向かうのは7人の女侍という展開はあまりに荒唐無稽で、風野さんどうしちゃったの?という感じ(^^;

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    2017年11月22日