小島武仁のレビュー一覧
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これまでの日本はそれはそれで良かった。ただ、いつまでも良い訳ではなく、最近ではそれにしがみつくことがこの国の足を大きく引っ張ってきいるとも言える。そんな状況下で過去からの流れに影響されることなく自由に研究してきた人達が目の前の問題、将来の課題に対する意見や解決策を述べている。非常に頼もしい意見ばかりだ。
社会に役立つための研究をしている訳ではなく、自分が取り組んできた研究が社会のこういうところに役立つはずだ、という考えがとてもいい。こういう人達に任せたいと思ってしまう。
絶対的安心がないと採用しないという日本独自の安全策に見切りをつけて、この人達の考えを試しに一度取り入れてみるという方法はない -
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4人の天才たちとは,成田悠輔,斎藤幸平,小島武仁,内田舞。それぞれ,外国でも注目されている日本の知性たちです。
このうち,わたしが著作を読んだことのある人は,斎藤幸平さんだけ。
どの方の意見も,説得力に富んでいて,なかなか刺激的でした。
本書の編集者である高橋弘樹氏は,「おわりに」で次のように述べています。
この本はぜひ,ゆるめのBGMのかかったカフェや,ヒーリングミュージックのかかった寝室でゴロゴロしながら,読んでいただければと思います。(本書,207ぺ)
わたしは,テレビが鳴っている様な場所では本は読めないのですが,自宅の炬燵に寝っ転がって,延べ4時間くらいで読み終わりま -
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知的好奇心を満たす程、深くロジカルに考察を述べたり、新説が披露されるような本ではない。寧ろ、本著の素晴らしさは、それとは真反対の所にあり、天才たちを手の届きやすい場所まで引き下ろしデフォルメ化する事で、人への興味から学問への入り口に足を踏み入れやすくしている狙いにある。マッタリと読めて、穏やかな気持ちになる。
意識してそうしている、というのが日経テレ東大学のプロデューサーでもある高橋弘樹氏。コンセプトを補強するのが巻末の天才たちのプライベートエピソードだ。打ち合わせ中にいきなりセロリを食べ始める成田悠輔。会食に牛肉を選ばない斎藤幸平。社会制度上嘘をつかなくてはいけないと言うストレスをアルゴリ -
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資本主義は、民主主義は、日本社会は、
どう“変調”していくのか ──?
予測不可能な時代を生き抜くヒントを
「最先端の知性」がはじめて明かす
YouTubeチャンネル【ReHacQ】プロデューサーの高橋弘樹さんが、以前手掛けていたYouTubeチャンネル【日経テレ東大学】で過去ゲストとして招いた4名について、チャンネルで触れたインタビュー内容などを書籍化したものです。
成田悠輔氏や内田舞氏の出演回が好きだったので、本書籍を手に取ってみました。
読んでみたら、斎藤幸平氏の部分が結構気になりましたね。彼の著書『人新世の「資本論」』読んでみようかな。いや、マルクスの資本論を先に読んだ方がい -
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世界に名だたる超有名大学。自分には全っっったく縁のない、頭の回転が超早い秀才の中でもさらに一握りの「天才」が思い描く未来像。その答えが意外とシンプル、というところに面白みがある。ダイジェストなので何度も何度も読んでしまった。
なぜいま不幸か。これからの人の幸せとは。
私フィルターなので、プレステ5の映像をファミコンで出力したような劣化が起きるけど。総括。
物質面では充足しきった今風に言うところの「ニーズの掘り起こし」という経済活動が、逆に枯渇を生んでいる。平たく言えばCMのせいでみんな不幸。何か足りない、もっともっとと常に刷り込まれ、そう思わせてるのが富裕層という勝ち逃げ社会。
お金ではな -
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最先端の知性に学べ、という主旨で、4人の時の人が登場している。書き方のスタイルとしては、'オフィスアワー'という、教授の部屋を自由に訪れ会話しているような雰囲気で進められている。
成田悠輔氏は麻布から東大、経済学部で最優等論文で卒業後渡米、MITでドクターを取得してイェール大で教鞭をとる。謂わばエリート街道まっしぐらに見える人生だが、中学から不登校気味で、代わりに多様な大人が集う世界で過ごした経験が、その後の考え方へ影響を与えたと思われる。何をやっているかわからない、ことを理想に、常識にとらわれずにデータ分析で突き詰めていく。これまでの画一化された思考に疑問符を呈する。
人 -
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成田悠輔氏と斎藤幸平氏の話は一度どこかで耳にしたことがあるものだったが、小島武仁氏と内田舞氏は全く知らなかったので、どちらかというと前二人の話を軽く読もうかなと思って購入。
成田氏は、最近の高齢者への発言で、イメージが頗る悪くなってしまった。まだ謎のままの人だ。ただ、アメリカの富裕層の高校生がAO入試のネタを100万円以上かかる「2週間で多様な経験を買うためのパッケージツアー」に参加して自分をプレゼンすることで合格を勝ち取っているという話は、衝撃を受けた。さもありなんと思っていたので、やはりホントにそうなんだ!と驚いた。日本もそうなりつつある。教育格差はどんどん進む。
斎藤氏は、いくつか著作を