八方鈴斗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ最近流行りのモキュメンタリーホラー小説と思って読み始めたら甘かった。
心の中というか作者の頭の中をがんがん覗くイメージの作品でした。
神視点としての顔の怪異が読者?として存在する世界を作者が構築していく物語として読んだけど、それが正しいのかどうか分からない。
一冊だけ小説を出した売れない作家の八方鈴斗が起死回生に選んだプロットが、出版社で禁忌とされている内容で担当編集者から扱えないと断られるがせっかく集めた資料を棄てることは出来ず、友人で売れっ子作家のKに相談して見せることから物語の形の怪異が動き始める。
物語に執着した作家と怪異、そして世界はすべて決められているというキリスト教の予定説ような -
Posted by ブクログ
ネタバレ物語中盤過ぎくらいまでは、事件やネットへの書き込み、メールなどのアーカイブがメインで、物語の進行がやや冗漫に感じはしたものの、物語が佳境に入り終わりまでは一気に進み出し読む手が止まらなかった。
それにしても考えたことなかったなあ、創作している物語の主人公が「実は自分の本意ではないことを創作者によって強制的にさせられている」だなんて。純粋に発想がすごいなと感じた。
私は高校生の時文芸部に所属していたが、大体登場人物は死ぬかおかしくなるかしていたので、もしかして彼ら彼女らも自分の本意ではないことを強要していたのかも、とか考えさせられた。
ラストはよくある読んだ人にも呪いを感染させる系のやつだが、な -
Posted by ブクログ
流行りのモキュメンタリーものホラー、と思わせて後半から物語が怪しい方向に進みだし、着地点がまさかの〇〇(ネタバレ避け)というとんでもない作品でした。
確かに中盤までは近年よくある感じのホラー作品の手触りなのに、作者が語る事を利用して読み手の認識を揺らがせたり、某超有名作のような構造、○極○彦作品のような文章がところどころあったりして、著者のホラー愛が感じられてとても良かったです。
また作者の友人で成功した作家であるKに対する憧れと嫉妬と対抗心が入り混じった感情を、ねっとりと表現されているあたりも生々しくて好きでした。
ただここまでの作品作ると次作はどうなるのかなといらない心配を持ったりして -
Posted by ブクログ
ネタバレ理人さんが晶ちゃんのことを「お嬢ちゃん」と呼んでいたのに、ここぞの大切なタイミングで「晶」呼びになったところが、たまらなくキュンと来てしまった。
本筋とは関係ないかもですが。
過去の一件で孤独な生活を余儀なくされた晶(自分は終盤まで認めなかったがサイコメトリー能力者)と、かつてはグランドフェイクと呼ばれた奇術師、今はオカルト系の事件を追う理人の凸凹コンビによる超常現象ミステリ。
最初は階段を上る幽霊とポルターガイスト。
一度あっけなく解決したと思ったら、その更なる真相があったのには驚いた。
続いては、ドッベルゲンガー。
ああいう真相に落ち着いたのは、どこかで見かけたこの手の超常現象を発現