種田輝豊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
著者の外国語学習の執念が伝わってくる一冊。外国語学習の本を書いている方に共通するのは、言語学習にかけている圧倒的な時間なんだと思う。もはや勉強とは思っていないんだと思うけれど、常に外国語に触れている状態になっている。一般的な人はそこまで時間がかけられず、途中で挫折してしまう。そこが外国語に対する抵抗があるかないかの違いなんだと思う。
外国語の学び方で参考になったのは文法書を何回も読むべきということ。著者曰くうるし塗り。そして単語集は無駄という割り切り。要は生きた形で単語も覚えないと意味がないし使えないということ。そして、ブロークンの禁止。海外駐在した人が1年で英語が話せるようになったと言っても -
Posted by ブクログ
千野栄一の『外国語上達法』やロンブ・カトーの『わたしの外国語学習法』の方がやはり優れていると感じた。
ただ、ある言語の入門書を1度通読し、見通しを立て、漆塗りのように都合4度通読するというやり方などは今日も有効性を失っていないし、一読に値する内容もある。
個人的には、オウムは決して「オウム返し」ではなく、人間の言うことをよく聞いてから、真似をするようになるという点が示唆に富んでいると思った。
また、種田氏はトルコ語を学ぶのにドイツ語で書かれた書籍を用いて、ドイツ語の知識も深まったという逸話が参考になった。
種田氏は何度もbrokenになることを戒めており、ペラペラはあまり推奨していな -
Posted by ブクログ
20ヶ国語がペラペラな人の自伝。丸善で名著として平積みされていたので購入した。
自慢話やハウツーではなく、語学狂の筆者ががむしゃらに学んだ軌跡が綴られている。戦前に網走で育った筆者がテープレコーダーを担いでネイティブの音源を収集する。メールなどない時代にペンパルと何年も文通をする。大使館に連絡して文献を取り寄せる等々、若いうちから大変なバイタリティで言葉を習得していく。
「ペラペラといっても少しできるだけでは?」と半信半疑だったが、ブロークンを警戒し、語感やニュアンスを重んじる姿勢をみるに、この方は本当にペラペラなのだと思う。
語学学習のノウハウも書かれているが、「学問に王道なし」と再認識