頼長の性別を変更する事によって、物語に清涼感を与えていると思います。残された記録を再構成するだけでは、かなりえぐい内容になってしまいますから。とはいえ、上巻は歴史小説と少女小説が程よく融合していたのですが、下巻は歴史を追うのに精一杯で駆け足の展開になってしまったのがとても惜しいです。もう少し設定と人物を生かした「らしさ」があればもっと良かったかな。という気持ちがかなり強いです。状況の描写より情景や心理を掘り下げて欲しかったのですがこれは好みの問題か。このくらいが騒がしくなくてちょうど良いのかもしれません。