梅田孝太のレビュー一覧
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ショーペンハウアーの哲学。
筆者は特任教授を務める梅田孝太博士。
専門は哲学・倫理学、クリティカルシンキング。
ショーペンハウアーの哲学は2冊目だが、1冊目は正直あたまに入ってこなかったし上澄を舐めただけのようなもので自分には響かないものだった。
ショーペンハウアーと言えば幸せについてのようだが、幸せの裏側や側面には孤独があり、今回読もうと思うきっかけは孤独についてであった。
そんなきっかけで、たまたま手にした梅田孝太氏の著書だが思いのほか良かった。いや、私にはとても良かった。
いきなり哲学ではなく、ショーペンハウアーの生い立ちと人となり、人との関わりと哲学、ここから入っており哲学は少なめ -
Posted by ブクログ
ショーペンハウアーと言えばペシミズムのイメージで、彼の肖像画からも見えるように人生に絶望してる老人のイメージだった。
実際はそこまででもなく、新しい生き方や哲学を模索し、彼自身も老後を楽しく過ごしていたらしい。過去に闇落ちしたアニメや漫画の主人公の老後みたいな感じでかっこいい。
ただ、「生きる意思」を必死に抑制した所で何も本質的な解決にはならないような気もした。欲望に従ってそこそこ成功するのが1番幸せそうな気もする。実際お坊さんとか金の亡者で肉食いまくってるし、、、
「生きる意思」が人間の逃れられない本能なら、それに逆らうことは苦痛を伴うんじゃないの?
作者が「おわりに」で、わたしは幸せで -
Posted by ブクログ
ショーペンハウアーの思想について簡潔に解説している入門書です。
ショーペンハウアーの主著である『意志と表象としての世界』は、カントの二元論の枠組みを継承しつつ、表象にもとづいて理解される世界を超えたところに、無目的な意志に突き動かされて活動する人間の真実を見ていました。彼は、生きようとする意志の奴隷であることから自由になることをめざし、芸術と共苦の意義についての考察をおこないました。
多くの人びとはこうしたショーペンハウアーの思想を、ペシミズムの世界観とみなしてきました。インド哲学にも親しんでいた彼は、意志の否定によって悟りの境地に到達することをめざしていたということができます。近年の反出 -
Posted by ブクログ
「人生とは苦しみである」とか「他者と関係しながら働く事は基本的には不愉快なことである」みたいな似非アフォリズムが私の頭を支配する。つまり、現状をネガティブに表象することで分かったような諦観で自己暗示し、傷を深めないように防衛する手段だ。これは私の悪い癖の一部なのだが、似たように悪い癖をもつ哲学者がいた。一緒にするにはレベルが違い過ぎるが、ショーペンハウアーその人だ。
自分の頭で考えないようになるから、読書なんてやめてしまえ、みたいな彼の読書論は、衝撃的だった。読書を楽しみ始めたばかりの若い私は、必死でこれへの反論を考えた。考える事の矛盾に気付き、自分の頭で考えないなんて言いがかりが間違いで馬