木葉功一のレビュー一覧
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クリオダイバー
美術品や骨董品に蓄えられている記憶に潜って、怨念や憤怒や悲しみなど持ち主に害を及ぼす因縁(ジンクス)を取り払う能力者。
クリオダイバー矢堂一彦が、いわく因縁憑きの美術品や骨董品から悪い因縁(ジンクス)を取り払う活躍を描いたミステリータッチのハードボイルドコミック。
「血まみれの令嬢」と渾名されたメルセデスベンツに秘められた特攻したドイツ空軍パイロットの悲しみ、鳴らない龍笛に秘められた持ち主の絶望、「コルドバの緑」と渾名されたスペイン最大のエメラルドリングに秘められた白人にメキシコを侵略されたメキシコ人の白人に対しての憎悪、虐殺を引き起こす拳銃に秘められたハンティングに取り憑かれ -
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前後しちゃいましたが、ワタシが初めて出会った木葉作品!
…実は、当時『め組の大吾』の神田恵を「好きだー」って騒いでいたワタシに、友達Wが雑誌で見た『キリコ』の遊佐を「アンタの好きそうな感じがするよー」と教えてくれたのでした★
(どっとはらい)
確かに、遊佐!遊佐いいねぇ。たまらんねぇ。
本能と自分の欲求に従って生きてる所がたまらん!!
Wの指摘は正しかった訳だ(笑)。
でもそれ以上にハマってしまったのは、コマ割りの流れ方が映像を観てるような錯覚を起こしてしまったところ。
すんごくカッコいい…!!(動きのあるシーンが特に顕著!)
そして、殺し屋キリコ!!眼が離せないんだよ…!
このコの流れは -
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「あいつのせいでおかしくなったんだ」
遊佐の残した傷痕に肉体の奥深くかき乱され忘れかけていた母の面影が蘇る。
職業的暗殺者・榊キリコ、変わりつつある自らに惑う。
「これで、いいんだ」榊キリコを殺す望みだけを頼りに天聯幇殺手(テンレンパンサヤシュウ)・遊佐朗、殺人を重ね生き長らえる。
そして2人が3度出逢う時、夜は仄かな熱を帯びはじめる──。
衝撃的な展開が待ち受ける3巻。
台湾マフィア武闘派ナンバー2を、植物園で暗殺するガンアクション、ラストの遊佐朗とキリコとウィルスのチームで麻薬マフィアの私兵を殲滅するゲリラアクション、映画のカメラワークのような躍動感のコマ割りと派手なアクションが痛快。
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兄を失った。刑事を辞めた。願いはこの手で暗殺者、榊キリコを殺すこと――。
遊佐朗は母国、日本を捨て麗しの島=台湾へ乗り込む。
台湾マフィア「天聯幇(テンレンバン)」に身を潜める榊キリコを狩り出すために。狂気に近い執念を抱える遊佐。女として目覚めつつあるキリコ。
台湾で2人が再び出逢う時、新たな血が流される。
鬼才・木葉功一の長編デビュー作、第2巻。
舞台は、日本から台湾へ。
台湾マフィア内部の下剋上の抗争に、遊佐朗とキリコは巻き込まれる。
遊佐朗とキリコをめぐるスーシンやウィリスを交えての四角関係が絡み、「レオン」「ニキータ」に加えて「不夜城」っぽさなノワール色が強まる2巻。
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目の前で兄の頭が銃弾で吹っ飛ばされた。
渋谷の雑踏の中、一瞬、遊佐朗の視線が捉えた女。刑事としての直感が訴える。あいつが犯人だ!
裏通りを抜け、廃墟と化したビルへ逃げ込む女。追いかける遊佐も廃ビルの中へ飛び込む。女は榊キリコ、暗殺者だった──。
これが、血にまみれ続けることになる2人の出逢いだった。
鬼才・木葉功一、長編デビュー作。第1巻。
野獣のようなタフネスと猟犬のような嗅覚と頭を持つ野獣刑事、遊佐朗。
冷徹な殺人機械で幼子のような脆さがあるアサシン、キリコ。
ふたりの警察やヤクザを巻き込んでの抗争を、天王洲アイルを舞台にした凄まじいカーチェイスや銃撃戦、警察とヤクザと大企業とマフィアの -
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多勢に無勢を相手にする冷徹な殺し屋の面とピュア過ぎる内面がアンバランスな殺し屋・桃(たお)と桃の精神的肉体的なケアをする相棒蜂鳥の相棒以上恋人未満な関係を描いた「桃(tao)」、吉原京町の遊郭に花魁・柿山太夫の幽霊が出るため数多くの浮世絵師が柿山の幽霊画を描こうとするが度々浮世絵師に不幸が起きるという柿山大夫の幽霊画を名無しの浮世絵師に描かせようとする重三郎と名無しの浮世絵師の顛末を描いた「柿山昇天」、カジノに父親がはまり不幸になった復讐のためにラスベガスに対抗するカジノを作ろうとするコールガール・コニカ・ワイルドチェリーと呪われた一生を生きてきたホテルのオーナーの復讐と再生を描いた「WILD
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物語自体はとても好きだ。
しかし作中、フルーツというテーマを強調しすぎている点に関してはどうしても納得がいかなかったというか、好みに合わなかったというか…。
本のタイトルと話の中で既に「フルーツ」は表現されているのだから、わざわざ台詞にして言わせなくていいのでは。台詞の内容にしても、文学表現として特に独創性のあるものではないし…。
各話、無理に喩えをねじ込んでいるせいで陳腐化していると感じた。
物語やキャラクター、世界観、漂う泥臭さ、おどろおどろしさは、本当にとても面白い。
なのに、フルーツの台詞が現れるシーンで「作者」が目立ちすぎてて冷める。