秋元康隆のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今、日本国と日本人にかけているものがあるとすれば、真っ先に上げるべきは倫理であると言える。日本人にはどうも近代における倫理がインストールされていないようだ。成田悠輔なる人物の言動がよく表している。彼のように著しく倫理に悖る人間が公共で発言し、且つ政府委員として公共政策に関わるなど、彼個人が倫理に悖るだけでなく、日本国の社会全体が倫理を欠いている。
これは本著の中でも取り上げられているが、日本の学校教育の中で、倫理についての教育が成されていないことが非常に大きい。「道徳」と名のついた教化はあるが、実際には愛国教育(それも間違った形の)であり、倫理は教えていないのである。これでは日本人には倫理はイ -
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Posted by ブクログ
●カントの倫理学について、悩みや疑問に答える形で、その理論を解説した本。
●本書で挙げている悩みや疑問に対して、適切なカントの理論を用いているのか少し違和感を覚えた。と思っていたら、著者自身がそこに自覚を持っていて、一般的にイメージされる「浮世離れした、何の役にも立たないカント倫理学」とは対照的に、「私たちに生きる上での指針を与えてくれるカント倫理学」を伝えることが主眼にあったからこその違和感だったようだ。実際のところ、挙げている悩みの答えとは的外れだと思うカント倫理学の紹介もあるが、全体としてカント倫理学を生きる指針として役立てるプロセスは紹介できていると感じた。 -
Posted by ブクログ
カント倫理学の根本的な立場を明確にしたうえで、その考えかたにもとづいて、現代の応用倫理学でとりあげられるさまざまなテーマに対してどのようにこたえることができるのかという問題について考察をおこなっている本です。あつかわれている応用倫理学上のテーマは、「ビジネス倫理」「道徳教育」「生殖・医療倫理」「環境倫理」「AI倫理」「差別に関わる倫理」の六つです。
カント倫理学において重要とされる定言命法についての解説をおこなったあと、著者は「道徳法則とは、それぞれの人のなかでのみ存在しうるのであり、その人のうちにしか存在しえない道徳法則がその人にとって誤りであるということはありえない」と主張します。
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