S・J・ベネットのレビュー一覧
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ちょうど本書を読んでいる時にエリザベス女王の崩御を知った。
昨年先立たれたフィリップ殿下と共に、作中では威厳を保ちつつも親しみやすく茶目っ気たっぷりな存在として描かれている。
実際のエリザベス女王がどのような人物か、遠い日本からでは伝記やメディアの情報で得られる以上の事は知り得ないが、本書を読んでいても崩御に伴うニュースを見ていても、イギリス国民だけに留まらず世界中からとても愛される存在であった事がひしひしと感じられる。
本作のエリザベス女王は聡明な知性を持ち、事件を解決する探偵としての一面を持ち合わせていたというフィクションの設定だが、実際そんな一面を持っていたのかもと思わされるのもエリザベス女王の人柄や雰囲気が成せる技なのかもしれない。
すでに続編の翻訳刊行も決まっているという事で楽しみにしているし、またそれ以降も聡明でキュートなエリザベス女王を見せて欲しい。
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ネタバレウィンザー城でロシア人ピアニストが殺害される。犯人は?動機は?捜査が進まない中、なんとエリザベス2世が事件解決に(こっそり)乗り出す!
女王故に当然自由に出歩けるわけもなくアシスタントとして新米の秘書官補が情報取集に当たります。
犯人捜しだけではなく、リオ五輪の少し前、現実の出来事や国際関係も話に織り交ぜてあり、そういったところもなかなか面白いです。私はむしろこちらを楽しみました(笑
アラン・ベネットの『やんごとなき読者』は読みましたが本作はエンタメに全振り。他にもエリザベス女王が主人公の作品があるそうで、イギリスって今も活躍されている実在人物をモチーフとした創作に寛容なんですね。
#エリザベス女王の事件簿ウィンザー城の殺人 #NetGalleyJP -
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ネタバレエリザベス女王が探偵役のミステリー。
プーチンやオバマ夫妻や安倍首相など実在の人物の名前が出てきて、現実と虚構がわからなくなる。
女王の誕生日の描写は実際の状況そのままのようで、テレビ番組のお菓子作りのチャンピオンが誕生日ケーキを作った、とあったのでネットで調べたら、まさに今放送中の「ブリティッシュ・ベイクオフ」のチャンピオンを先に知ってしまうハプニング。
女王の若草色のお召しものが素敵。
てっきり女王が、犯人は◯◯ね、と推理を披露されるのかと思ったら、人を誘導してその人が誘導されていることに気づかずに犯人を突き止めるという展開。
なるほど、その方が女王らしい。
その人のことを決して好きではないのに勲章まで与える度量の広さ。
人を使うことを長年やってきた人ならでは。
女王であり政治家。
凡人には想像もつかない一生を送られたことにこのフィクションを通して思いを馳せてしまった。 -
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ネタバレ好きなところ
ロージーのキャラクター(頭も良いし、忠誠心もあるし、強い!)
嫌なところ
ハンフリーズのキャラクター(不遜、女王への忠誠心のなさ)
トリックっていうものはとくになくて、エンタメ小説として読むと面白い。
ただ、ハンフリーズに探偵役をさせたことが嫌過ぎて、謎解き部分でストレス溜まった、、、。
その目的について、作中でも解説(大矢博子氏)でも語られていたけど、納得できなかった。
忠誠心とか信頼を得るためっていうことだったけど、女王の御前で脚を組んで背もたれに寄りかかる奴が今後余計舐めてかかるだけじゃない?ってずっとモヤモヤしながら読んだ。イギリスでも女王の前で脚を組むのは失礼な行為らしいし、、、。 -
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なんてエリザベス女王を深く敬愛しているのだろうというのが第一印象。とりたて英国王室に思い入れがあるわけではない私にとっては、読んでいて愛が重すぎた(笑)。この本はエリザベス女王が主人公だと分かるが、後書きにもあるように、今まで読んできたミステリにも女王陛下がたびたびキーパーソンとして登場するものが多いことに気づいた。いずれの女王陛下もとても魅力的に描かれてているので、本当に唯一無二の方だったのだろう。
ミステリは普通かな。謎解き部分が、女王陛下が解決しました!とスカッとした展開にはならず(理由は分かるが)、非常にもたついてしまった印象。最後はしんみりと。 -
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「エリザベス女王の事件簿」シリーズの2作目(1作目はこちら→「ウィンザー城の殺人」)。
先ごろ亡くなった英国のエリザベス2世が、実は陰の名探偵であったという架空の設定に基づくミステリ・シリーズ。前作ではウィンザー城が舞台、本作はバッキンガム宮殿である(3作目は邦訳未刊行だが、サンドリンガム・ハウス)。舞台となる場所が1作ごとに変わるという趣向である。
大規模修理が必要でてんやわんやのバッキンガム宮殿のプールサイドで、有能だが嫌われ者の王室家政婦(ハウスキーパー)が遺体で発見される。
死因は足首からの大量出血。その場に残されたウイスキーグラスを片付けようとして、誤って破片で動脈を傷付け出血死した、つまり事故死と当初は見なされた。だが、本当に事故死だろうか。
一方、女王には、お気に入りの絵が1つあった。傑作とは言えない、いや、むしろ駄作であるものの、大切な思い出のこもった絵だったのだ。それがいつからか行方知れずになっていた。ところが偶然、その絵が海軍所有になっていることがわかる。いったいなぜ?
女王は秘書官補のロージーに、絵を取り戻すこと、そしてなぜ海軍に所有が移ったのかを調べることを命じる。
この2つの一見、関わりがなさそうな事件が、実は深いところで絡み合っていることが徐々にわかってくる。
女王が探偵として活動する際に、隠れた手足となって働くロージーに今回も指令が下る。そんな彼女の元に、不快な怪文書が何通か届く。どうやら死んだハウスキーパーも嫌がらせを受けていたらしい。果たしてこれも事件に関係があるのか。
表題の「三匹の犬」は、著者あとがきによれば、古典力学の「三体問題」とシャーロック・ホームズの「パイプ三本分の問題」から来ているという。どちらかというと後者の方がより当てはまる。難題を解くときに、ホームズはいつもパイプを3本連続で吸って考える。それをもじって、犬好きのエリザベス女王が犬三匹を連れて散歩しながら考えた、というわけ。女王の犬が事件に巻き込まれて酷い目に遭うわけではないので、犬好きの方も安心してよい(ただ、高齢で亡くなる犬は登場する。これは実際、女王の犬が亡くなった時期を舞台にしているため)。
本作の売りは、かっちりと調べられた舞台背景に、架空の事件を配していること。女王や王配、各国首脳などは実在の人物で、トランプ大統領が誕生したアメリカ大統領選や、イギリスのEU離脱(ブレグジット)など、実際の出来事も出てくる。その最中に、もしもバッキンガム宮殿で事件が起きていたら、そしてエリザベス女王が探偵さながらの洞察力で事件の捜査にあたっていたら、という「if」を楽しむシリーズである。
犯人=黒幕に関しては、割と早い段階で予想はつく読者が多いのではないか。事件の全容はあまり後味のよいものではないのだが、女王がなぜ駄作の絵に愛着があったかを示す最後のエピソードが効いていて、読後感は悪くない。
英王室研究者によるあとがきも舞台背景を補って秀逸。 -
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ウィンザー城で若い男の遺体がクロゼットから発見される。晩餐会に呼ばれたロシア人ピアニストで、遺体はあられもない姿だった。事件について城では箝口令が敷かれ、警察とMI5はロシアのスパイによるものと見なし捜査するが、容疑者が50名もいて難航する。でも大丈夫。城には秘密の名探偵がいるのだ。その名もエリザベス2世。御年90歳。世界最高齢の女王が華麗に事件を解決する!
だいぶ前に気になっていたものの、すっかり積んだまま放置してしまっていた。んー、面白くないわけではないけれど、ちょっと設定が無理やり感があるというか、結局女王よりも他の部下が活躍していて結局おいしいところも警察が持っていくので、種明かしのおお~となる場面のインパクトは少し弱く感じた。イギリス王室のスタッフたちや女王との関係性など、ややディープなところが好きな人は雰囲気そのものを楽しめると思う。女や高齢者ってだけで上から目線の奴、ほんと嫌な感じ。小説の世界では出会いたくない~~。 -
Posted by ブクログ
ウィンザー城で若い男の遺体がクロゼットから発見される。晩餐会に呼ばれたロシア人ピアニストで、遺体はあられもない姿だった。事件について城では箝口令が敷かれ、警察とMI5はロシアのスパイによるものと見なし捜査するが、容疑者が50名もいて難航する。でも大丈夫。城には秘密の名探偵がいるのだ。その名もエリザベス2世。御年90歳。世界最高齢の女王が華麗に事件を解決する!英国で10万部突破、18カ国で翻訳。
現役のイギリス女王陛下が主人公で、しかも探偵役のお話、と聞くだけで、気になって読みたくなる。単なるミステリではなく、王室に生まれた女王の苦悩や、女王という立場として培われてきた強さ、王室に仕える使用人たちの陛下に対する忠誠心と、彼らを家族のように慮る陛下の優しさ…などなど、陛下の人間性を描いた部分が胸を打つ。
オバマ元大統領やプーチン大統領など、各国の首脳たちの名前も出てくるのが、この話をリアルに仕立てていて興味深い。
400ページ超えという大ボリュームだけど、飽きることなく読み終わった。大満足!