ギヨーム・ピトロンのレビュー一覧

  • なぜデジタル社会は「持続不可能」なのか ネットの進化と環境破壊の未来

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    デジタル社会に必要な半導体の製造工程における水や電気の使用量・サーバーの発熱に伴う問題・デジタル機器を製造するために必要なレアメタル問題といった様々な観点からデジタル社会の持続不可能性を述べた本。
    デジタル化に乗り遅れたテクノロジー製品は他の製品に比べて利便性が下がり売れなくなるが、デジタル化を進めると環境破壊に繋がりうるという観点は、外部不経済性の問題に通じるなと思った。どう解決していくかを検討していく必要がある。

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    2022年12月18日
  • レアメタルの地政学 資源ナショナリズムのゆくえ

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    自分が鉱物業界に携わる立場であるため、読み終えた時の衝撃が大きかった。
    立場を抜きにしても、データをもとに俯瞰的に語られているため、歴史的、地政学的に得るものが多い。

    昨今、脱炭素化がブームのように叫ばれているが、このようなバックデータを理解して推進している人がどれほどいるのか。
    より多くの人に読んでもらいたいと思う一冊。

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    2021年01月17日
  • レアメタルの地政学 資源ナショナリズムのゆくえ

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    ネタバレ

    めちゃくちゃおもしろかったです。過去人類は様々な資源を活用してきました。土、石、青銅、鉄、石炭、石油。そしてこれからのデジタル化とクリーンエネルギーの中心になるのはレアアースであり、それを握っているのは中国を筆頭とした新興国であると。
    過去に先進国が鉱山開発による汚染に対して近隣住民の反発があって、コストダウンも手伝って新興国に鉱山汚染を輸出してきた。さらにその輸出により資源の確保で先進国は弱い立場にある。
    これから新興国でも生活レベルが上がれば地元住民からの反発も予想されるため、鉱山開発も自前主義になっていくのか。枯渇の問題に対して海底資源や宇宙資源開発競争がどう進むのか。今後数十年に渡って

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    2021年01月06日
  • レアメタルの地政学 資源ナショナリズムのゆくえ

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    グリーン/デジタルテクノロジーの進展が、レアメタル需要を高め、中国の地政学的地位の向上、環境破壊を進める。
    ジェレミー・リフキン「グローバル・グリーン・ニューディール」が指摘しない負の一面に対する指摘。
    事実関係の確認が必要。

    ・レアメタル・レアアースの効用:磁石(動力)、電池、触媒、半導体、エネルギー効率向上等

    環境負荷
    ・電気自動車製造時のCO2排出量はガソリン自動車よりも大きい?
    ・電子機器製品はライフサイクル全体で生じる廃棄物の2%?(2gのICチップを作るのに、約2kgの廃棄物が生じる)
    ・リサイクルはコスト面で採掘に勝てない(合金化されており分離・回収が困難(東京大学岡部徹)、

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    2021年01月24日
  • レアメタルの地政学 資源ナショナリズムのゆくえ

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    ネタバレ

    中国のレアメタル開発と環境負荷の途上国への押し付けと廃棄物には対応しても資源には注目しないライフサイクルアセスメントの不備と。
    さて、日本がどうするのがいいのかはかなりややこしい。実は結構日本はこの辺それなりに出るのではなかろうか。でも鉱山業の環境負荷は明治の御代以前から散々な目にあっている。

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    2020年07月05日
  • なぜデジタル社会は「持続不可能」なのか ネットの進化と環境破壊の未来

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    GXとDX!みたいなのが社会的なトレンドで、デジタル化やカーボンニュートラルに向けての取り組みを推進しましょうという事だが、これって真逆の取り組みですよ、というのが本書。個人的には、パラダイムシフトとなる本であった。

    どちらも未来志向で良い事、というのが今までの価値観だが、本書で取り上げるDX、つまりデジタル社会は資源を浪費しまくるし、環境に悪い。冷静に考えるとその通りだが、なぜか今までよく考えていなかったと反省。

    世界中に出回る計340億個のデジタル機器の重量は合計2億2300万トン、自動車で言えば、車1億7900万台に相当。情報通信技術は世界の電力費の10パーセントを占め、原子炉100

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    2025年01月15日
  • レアメタルの地政学 資源ナショナリズムのゆくえ

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    DXやGXに興味があり、最近流行りの地政学ということで読んでみた。

    はじめに、レアメタルが私たちの生活を支えていることがわかる。
    次に、レアメタルの採掘は非常に環境負荷が高いことがわかる。
    そして、中国や新興国がレアメタルを多く生産していることがわかる。

    我々は環境汚染は他の国に任せて、レアメタルを安く手に入れてきた。
    そのツケが今回ってきている。

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    2023年05月13日
  • なぜデジタル社会は「持続不可能」なのか ネットの進化と環境破壊の未来

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    なかなか気づきの多い本でした。
    人間は、見えないもののことを考えるのが苦手だと思っていますが、この本は、見えないもののことを考えることの大切さについて、改めて気づかせてくれたと思います。

    デジタル社会は、情報社会といっていいと思いますが、物質的にもエネルギー的にも消費が少なくなると思っていましたが、まったくそうではないのですね。

    デジタル機器の製造には、多種類の希少な元素が必要であるゆえ、その採掘に、大量の物質の消費を伴っています。
    そして当然、それには、大量のエネルギー消費を伴います。

    また、情報のやりとりにおいても、現在の方法では、大量のエネルギー消費を伴い、さらには、情報の蓄積にお

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    2022年12月18日
  • なぜデジタル社会は「持続不可能」なのか ネットの進化と環境破壊の未来

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    GAFAを含め、データセンターや企業の温暖化ガス排出、環境破壊が凄まじく、彼らの環境対策にたいして疑義を持ち、偽りなのではないかと一石を投じている。
    私たちがインデックス運用をすることでそういった企業に投資をし、さらに持続不可能を加速しているとのこと。もし、彼らが真の環境ディスラプターであれば一理ある。

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    2022年07月24日
  • レアメタルの地政学 資源ナショナリズムのゆくえ

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    脱炭素、再生可能エネルギーについても環境負荷がかかることについて考えなければならない。
    本当に持続可能な地球にするためにむやみに安くすればいいとは言えないかも知れない。
    歴史から資源も持つ者が覇権を握ってきたのは明らかである。これからの中国の行方に注目したい。

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    2022年01月17日
  • なぜデジタル社会は「持続不可能」なのか ネットの進化と環境破壊の未来

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    ネタバレ

    現在デジタル分野は、温室効果ガスの総排出量の4%弱。
    携帯電話よりスマートフォンのほうが、より希少金属をより多く使っている。

    エストニアは、行政サービスの99%はオンライン。
    MIPS=物質集約度。身の回りのものは、環境負荷を考えると平均30倍の重さがある。テクノロジーが絡むとMIPSは大きくなる。レアメタルなどがあるため。
    低資源から遠のく。

    スマホを使うと、必ずデータセンターにつながる。
    シェアリングキックボードは、赤字だが人々の行動データで収益を生み出せる。データは黒い金。
    データが伴えば、赤字の事業も金のなる木になる。

    アッシュバーンは世界のインターネットトラフィックの7割が通過

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    2022年08月01日
  • レアメタルの地政学 資源ナショナリズムのゆくえ

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    中国にレアメタル資源を依存している状況が多くの国にとって経済的・軍事的安全保障上の脅威となっている。また環境保護団体などは脱炭素社会の実現を目指す一方で、そのために必要なレアメタルの鉱山開発に対しては環境破壊だと言って反対する。このままでは脱炭素社会の実現は難しく、また中国のように環境負荷の大きい方法で鉱山開発・金属製錬ができる国の国力ばかりが増強される。レアメタルをめぐる世界大戦が勃発しないように、人類が真剣に考えなくてはならないテーマが多数あることを実感。

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    2022年04月09日
  • レアメタルの地政学 資源ナショナリズムのゆくえ

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    ネタバレ

    EVはハイブリッド車はガソリン車の2倍≒10kgのレアメタルが使われている。
    レアメタルの採掘は「汚い」。

    1980~90年代レアアースはアメリカやフランスがトップ生産国だった。汚染とともに。環境保護法案で規制しつつ、廃棄物を輸出し、レアメタル採掘を外注。

    USGS調査 生産量
     中国 インジウム44% オアナジウム55% 蛍石65% グラフィト65% 
     アンチモン77% ゲルマニウム71% チタン50%
     レアアース95%(OPEC石油の41%)
     コンゴ コバルトの64%
     南アフリカ プラチナ、イリジウム、ルテニウム83%
     ブラジル ニオブ90%
     アメリカ ベリリウム90% 

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    2020年10月11日