年森瑛のレビュー一覧

  • N/A

    Posted by ブクログ

    他人に判断された自分の属性が本当の自分の属性と違う時、見当違いな慰め・哀れみの言葉に腹が立つ。それと同時に、多様性を認めましょうと謳われている現在の社会において、マイノリティであると判断された自分がその属性から出ようとするならば、既に完成してしまった共生の輪を壊してしまうからこそ逃げ出せない状況、演じることを選択する自分が嫌になる気持ちが痛いほど理解できた。
    それでいて、自分が他者の属性を判断した際には、どんなに選んでもその属性に振られた人に対してかける言葉しか出てこない。本気で向き合うための、他者との会話の難易度が高すぎるからこそ、まどかがうみちゃんに対して行ったように、脊椎反射に近く、言葉

    0
    2025年12月16日
  • N/A

    Posted by ブクログ

    いろんな想いが溢れすぎて、今文章にするのが難しい(後から書き加えるかも)。でも、本当に読んで良かったしこれから何度も何度も読み返すだろうと思う。

    0
    2025年11月05日
  • N/A

    Posted by ブクログ

    主人公の高校2年生 松井まどかは、高身長であるものの体重計の目盛りは40を超えていない。うみちゃん、というパートナーもいるが、今の生活に違和感を感じている。

    100頁ちょっとの短く、すぐに読める作品ですが取り扱っているテーマは非常に興味深かったです。N/Aというタイトルから連想されるように、マイノリティなんだけどどこにも「該当しない」、そんな感覚を味わえます。

    舞台は中高一貫の女子学校という閉鎖された環境で、登場人物たちの考えもバイアスがかかったものですが、そこにバイアスがあることには気づいてなさそう。大人がほとんど登場せず、かつ、少ない大人もろくでもない描かれ方をしているのは、そういう風

    0
    2025年10月10日
  • N/A

    Posted by ブクログ

    あまりにも鋭かった。自分が言語化しきれていない、なんとなくふわっと感じていたことを、綺麗に文章として目の前に並べられていて、心が揺さぶられた。

    0
    2025年09月03日
  • N/A

    Posted by ブクログ

    高校生のまどかは、生理の血をひどく嫌悪している。その熱量は生理を止めてしまうほど烈しいものだったが、彼女はいわゆる拒食症ではない。まどかには同性の恋人がいるがレズビアンではない。世間から少女は「かくあるべし」というレッテルに対して、まどかと一緒に怒りを覚えた。

    0
    2025年08月03日
  • N/A

    Posted by ブクログ

    言葉の持つ力。限定してしまう危うさ。
    読んで感じたことをうまく言語化できないから、言葉を探し続けよう。だからわたしも今は「黙って既読だけつけとく」のだ。

    0
    2024年12月04日
  • N/A

    Posted by ブクログ

    私おじさんなんですけど。
    これ読むと2020年の女子高生を疑似体験できます。
    スマホのVRアプリより凄いです。
    長嶋有さんが共感できない主人公とラジオで言っていたが、共感できないから読んでいると他人の心にダイブするような感覚になるのか?

    0
    2024年10月23日
  • N/A

    Posted by ブクログ

    他の方の感想を読んでN/Aは該当なしという意味だということを知りました。なるほど。物語の理解がより深まりました。この本は世の中には色々な考え方の人がいてそれを尊重しようとかそのような意味ももちろんあると思いますが他にももっと色んな意味が込められているのかと思いました。自分の中では言語化できていないものをうまく文字で表していて作者尊敬!

    0
    2025年10月01日
  • N/A

    Posted by ブクログ

    設定が興味深かったです
    こうゆうグレーな芸能活動をしている子達もどこかにはいるんだろうなあと想像できた事だけで自分には結構価値がありました
    出産を経験したので 親の目線でも読めて複雑な気持ちになりました
    生きづらさはどんな人間でも抱えている時代なのかなあ などと考えたりしました

    0
    2025年09月14日
  • N/A

    Posted by ブクログ

    対人関係で感じてきたことを言語化してくれた。主人公にも言葉足らずな部分があるにしろ、ちょっとだけズレてるというか、気持ちを相手に伝えることができないところに共感した。リアルな女子高生の会話がテンポよく描かれてて面白かった。

    0
    2025年08月17日
  • N/A

    Posted by ブクログ

    言葉の表現がとても豊かで読んでいて楽しかった!
    この本は言語化できなかったあのときの気持ちを書いてくれているー!(∩^o^)⊃━☆゚

    0
    2025年08月13日
  • N/A

    Posted by ブクログ

    4.0/5.0

    自分がどこかや何かに分類され、その枠の中に入れられることを拒み、恋人や友達とはまた違う「かけがえのない人」を求める主人公の、世界に馴染めない様やどこやふわふわと浮いているような儚さが印象的だった。

    ただ、中盤から後半にかけてが、個人的にはあまり何かを感じ取ることが出来なかった。
    特に現状に嫌悪感を抱くわけでも、何かを求めているような様子もなく、ふんわりと終わっていったような印象だった。

    0
    2025年08月06日
  • N/A

    Posted by ブクログ

    文學界新人賞。選考会で異例の満場一致。

    表現があまりにも豊か。文学的表現にしようと捻り出したというより、自然に出てきているように感じた。そのくらい豊かさに溢れていた。
    まるでベテラン芸人の会話にユーモアが散りばめられているかのように。

    カテゴライズされた配慮はいらない、でもお墨付きがある。一方でその人宛に綴る自分独自の言葉には責任が伴う。
    観察眼と叡智に富む作品だと感じた。

    ラストはちょっと物足りなかったけど、かなり好き。もう一度読むと思う。

    0
    2025年07月30日
  • N/A

    Posted by ブクログ

    該当なし
    それでいい それでいいのだが、生きづらい
    わたしは誰かをカテゴライズせずにいたいしカテゴライズされたくもないが、不可能で泣き、それが社会

    0
    2025年06月19日
  • N/A

    Posted by ブクログ

    なん、か、なんて、いうんだろう。
    自分とはもちろん違う、他人。だから感じ方とか使う言葉とか行動とか、もちろん違う、けど、多分まどかちゃんが求めてる、なんの理由がなくても「わたし」を見てくれて優しくしてくれるものを求めている感覚はわかる気がする気がする。
    かけがえのない他人か。うーん。
    多分、生理のことも恋愛のことも、多分何のジャンルにも括られない「わたし」を見て欲しかったというか、うん、これは誰しもがわかることなのかな。
    で、それに最後出会えたっていう感じなのかな。
    うーん?

    NAって「該当なし」ってことか!
    うん!やっぱり!!
    多様性が謳われる現代だからこそ、人と人とのコミュニケーションに

    0
    2025年05月29日
  • N/A

    Posted by ブクログ

    読みやすくて色々と考えさせられました。
    親世代の私は自分の娘が主人公の女の子と同じ気持ちになった時、どうやって寄り添ってあげられるだろうと考えてしまった。

    『生理』というものが嫌で痩せて生理がこないようにしてしまう主人公。
    本にも書かれていたように定型文として声をかけるのではなく、本人の話をじっくり聞いて向き合っていければいいのだけど。。。そんな簡単にはいかないのかな。
    人はどうしてもその人を理解するために自分の知っている型にはめてしまいがちだけど、悩んでる人にとってそれは余計なお世話でしかないんだろうな。
    読書を通して自分の中の偏見も少しは認識出来るようになってきた気がする。

    0
    2024年12月09日
  • N/A

    Posted by ブクログ

    生理前、生理中は自分が女であることが普段以上に憎くなるし、男女平等なんて生理がある時点で終わってるだろとか、生理の煩わしさと辛さなんて男にわかるわけないんだから理解してるふりすんなとか思う、八つ当たりなのはわかってるんだけど。これこそ性別でカテゴライズして決めつけてる。現代はカテゴリーが多いし、そのどこかに自分があてはまることで安心できる。そして、他人をもどこかにあてはめようとする。どこかに該当するんじゃなくて、「自分」でいいのに。

    0
    2024年12月05日
  • N/A

    Posted by ブクログ

    一気に読んでしまった。
    恋人とは違う「かけがえのない他人」わたしもほしいって思ったことあるし、生理止めたいって思ったことある。
    今はいろんな言葉で分類できるけど、そうじゃなくてっていうのも、わかってあげれる気がする。

    帯についてる村田さんの書いた「安易に言語化できないものたちが、物語の力によって、この小説の中に確かに存在している」
    これに尽きる。

    わたしはこれを読んでこれ以上の感想はうまく言語化できない。(あれ、、、バカなだけかも。)

    0
    2024年11月08日
  • N/A

    Posted by ブクログ

    何者でもない自分が誰かの違った型にはめたものの見方で見られることへの嫌悪。 
    そんな自分も誰かのために紡ごうとする言葉がマニュアル化してしまうことに苛立ちを感じる。本当にその人のためを思った言葉が出てこない。
    かけがえのない他人を追い求めるがそもそもそんな人いるのかという寂しさ。
    自分は一体何なのか。に行き着く。

    私はなぜ生理が嫌い?もともと男性?なぜモテる?あまり腑に落ちない表現あり。
    うみちゃんはまだ金木犀の香りがしてる→まだ吹っ切れてない?

    0
    2024年10月30日
  • N/A

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    マイノリティのカテゴリー化、コミュニケーションの軽薄化という現代的な主題と、性という普遍的な主題を組み合わせており、とてもいい。
    文体も(たまに違和感を覚えてしまうこともあったが)現代的な比喩が多く面白い。
    かけがえのない他人なんていない。それでも支え合って生きていこう。って思った。

    103 自分の言葉で人の心を揺らしてしまうのが怖くて、自分の言葉の責任を担保してくれる何かが欲しくて、他人のお墨付きの言葉を借りたくて仕方がなかった。多くの人に使われてきた言葉を使用すれば、まどかがオジロとの今後の関係を安全に保っていられることは間違いなかった。

    112 うみちゃんは、恋人ではないし、友だちで

    0
    2025年11月29日