石井光太郎のレビュー一覧

  • 会社という迷宮―――経営者の眠れぬ夜のために

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    以前参加していた読書会で、参加者の1人が課題本そっちのけで夢中になって読んでいると言っていたのが、この『会社という迷宮』です。

    会社員でもないので、「読んでもあれかなぁ」と思っていましたが、あの楠木健さんが、この本をイチオシしていた記事を読み、購入の一押しになりました。

    読んでみると、「会社」に持つイメージが丁寧に壊され、いかに現代人が凝り固まった固定観念に囚われているかを痛感します。

    できないことをできるようにするのが「会社」であるという根本に立ち返った上で、いかに自分の「分」を認識して、ユニークな挑戦をするのか。

    著者の、ちょっと硬派だけど、ロマンに溢れた筆致が、ことごとく読み手の

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    2025年11月27日
  • 会社という迷宮―――経営者の眠れぬ夜のために

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    ネタバレ

    特にJTCの経営層に読んでもらいたいと思った名著。自分が経営層に抱えているモヤモヤを言語化してくれたように思える。

    経営コンサルタントは会社という法人の医者とでも表現すべき存在かもしれないが、バブル崩壊後の失われた20年で急速に増殖したのは、経営者が自信や指針を見失っているからに他ならない。俺がコンサル嫌いなのも、老人の医者嫌いと同じで、自分で考えて自分で答えを出すプロセスに意義や意味を見出しているからかもしれない。市場(しじょう)分析とは既存事業の売上高等の情報の寄せ集めに過ぎず、経営者が見るべきなのは市場(いちば)である。雑多なものとの出会いが市場にはあり、経営者は独自の視点でその雑多性

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    2025年07月16日
  • 会社という迷宮―――経営者の眠れぬ夜のために

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    終生手放さずにいる本になると思う。
    経営者になったら読み返し、自省をするヒントが溢れている。
    主観を手放すな。人材は育てるものではなく活かすもの。そのワード(戦略、利益、成長、改革、組織)はいったい何なのか?専門家と経営者は全責任、視野が違う。
    会社で何をしたいのか?会社は何がしたいのか?

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    2025年03月24日
  • 会社という迷宮―――経営者の眠れぬ夜のために

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    会社という迷宮

    会社が生きるための手段である競争戦略が目的として刷り込まれ、儲かることが最優先、経営者すら交換可能な存在なったのはいかに

    本来の経営者の仕事は、会社の目指す価値、夢や志を体現する担い手となること、何が価値かを決めるのが経営者で、他人に決められた価値を追求することが仕事ではない

    価値とは作るものではなく認められるもの、絶対的な基準があるものではなく、人により異なるもの、事業とは世の中へ独自の新しい価値を問うものではないか?

    帳尻、結果である利益を調整して装置を運転するだけの経営者が長い目で成功したことはない

    目の前に見える体格の成長は必ずしも会社としての本当の成長を意味

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    2025年03月22日
  • 会社という迷宮―――経営者の眠れぬ夜のために

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    大袈裟にではなく、まさに「目から鱗」という言葉に相応しい鋭い観点で、一方で人間味のある柔らかいトーンで経営者のあるべき姿を伝えてくれる。楠木建氏が絶賛をする書であり手にとった。経営者だけではなく、働く意義や社会への接し方への問いが宿った時に自身のような凡人にとっても大いに心に響く内容であった。

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    2025年03月01日
  • 会社という迷宮―――経営者の眠れぬ夜のために

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    2025/01/12「会社という迷宮」石井光太郎☆
    本来、「会社」は「目的」があって設立される。(SONYの設立趣意書が有名。) しかるに現代は、「パーパスは何か?」「ガバナンス・コンプライアンス」「利益と株主還元」が問われ、重視される。まさに本末転倒。それで著者は、愚直に「企業トップの『企業への想い』」に執着する。その想いの原点に帰るしか資本主義経済の再生はありえない。

    「企業とは」という根源的問題を提起する本
    「企業は利益を生み出す機関」という狭い定義・認識は資本主義経済を破壊させる。「倫理」を基礎とした「経済合理性」が基本の仕組み。
    マックス・ウェーバー「プロテスタンティズムと資本主義

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    2025年01月13日
  • 会社という迷宮―――経営者の眠れぬ夜のために

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    色々な意味で刺さる一冊だった。経営者の主観や自我などを多用しており、これまでは自社を客観視したり利他の心を持つことがある意味正義のような感覚があったが、会社を永続させようと思ったら経営者たらしめるリーダーはもっと我儘で在るべきなのかもしれない。

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    2024年08月12日
  • 会社という迷宮―――経営者の眠れぬ夜のために

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    上司に進められて購入。今年一番の本かも。。。

    【ざっと内容】
    コンサルティング業界で長く勤務し、いくつもの経営者や事業を見てきた著者が企業というもの、経営者というものに対する考えを綴った一冊。企業とは、市場とは、戦略とは、価値とは、企業で働いていると一度は耳にする当たり前の言葉を再定義していく。

    【こんな人におすすめ】
    ・経営者
    ・コンサルティングファームに勤務されている方
    ・経営企画や投資に関わる部門にいる方

    【所感】
    とにかくぶっ刺さりまくった1冊でした。各項目に対して強い共感と、深みを感じる文書が綴られていて、近年の、より具体的なテーマで身近な共感を狙うビジネス書とは全く異なってい

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    2024年08月11日
  • 会社という迷宮―――経営者の眠れぬ夜のために

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    会社は社格という人格を持ったものであり、経営者や管理職は主観を持っていなければならない。
    財務指標や経営管理など外から求められた枠組み、宿題だけこなしていてはダメ。
    自分たちは何をするための存在なのか。
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    ToDo: 創業からの歩みを調べよう。

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    2023年12月31日
  • 会社という迷宮―――経営者の眠れぬ夜のために

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    ネタバレ

    ものすごい本です。
    経営論ではなく経営者論。
    重厚かつ哲学的。
    何度も何度も読み返すことになると思います。
    パーパスやSDGsなどの流行り言葉に踊らされる
    ことなく、本質を見極めて参りましょう、です。
    僕は需要なページは折るクセがあるのですが
    折り過ぎて本が変な形に。
    それくらい大切なことが書かれています。

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    2023年05月29日
  • 会社という迷宮―――経営者の眠れぬ夜のために

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    重厚な内容の経営者論である。経営者つまりは会社とは何か?どうあるべきか?と構えを重視している本のように思う。野球で例えるならば小手先の交わすピッチングではなく、外角低めのストレートを投げ込んでいる本だ。会社すなわち経営者として一番大事な部分は何かを唱えている本である。

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    2022年12月18日
  • 会社という迷宮―――経営者の眠れぬ夜のために

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    ネタバレ

    「会社」にはさまざまなステークホルダー(利害関係者)がいるが、その異なる利害がただ異なるままでは、一つの有機体として「行き先」を持つ「会社」にはならない。しかし、その異なる利害を束ねてまとめる「会社さん」という抽象的人間などいるはずもなく、代わってそれができる存在は、「経営者」以外にはいないのである。
     利害を束ねるとは、単に平均値を取ったり、最大公約数を見出すというような利害調整のことではない。その意味では、民主主義的な考え方で、文字通り合議制や多数決で経営ができるなどというのは幻想に過ぎない。国家の政治ならばそこで主権の奪い合いということになるのだろうが、国家と異なり「会社」の場合には、社

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    2025年04月15日
  • 会社という迷宮―――経営者の眠れぬ夜のために

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    久々にビジネス本の良書と出会った。さすが、あの楠木建さんが「処分しなかった本」というだけのことはある。
    ビジネスをしているとどうしても忘れがちになるビジネスの本質をこれでもかも突きつけられる一冊。

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    2024年05月03日
  • 会社という迷宮―――経営者の眠れぬ夜のために

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    「経営者の眠れぬ夜のために」というサブタイトルが示すように、経営者が直面する悩みやストレスに寄り添ったアプローチをしています。ビジネスの成功に必要な知識やスキルだけでなく、経営者自身の心理的な側面にも焦点を当ている。 本書では,多くの実例を引用しながら、経営者が実践的な問題解決策を見つけるための戦略を提供しています。また、ビジネスを成功させるためには、社員のやる気や意欲を引き出すことが不可欠であること、グローバル化の時代においては、国際的な競争を生き抜くためにリスク管理の重要性が高まっていることなど、ビジネスの現代的な課題にも焦点を当ている。

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    2023年04月15日
  • 会社という迷宮―――経営者の眠れぬ夜のために

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    ネタバレ

    ビジネス用語として広く用いられている「戦略」「市場」「組織」等の言葉を題材に、これらが本来内包する意味合いに改めて焦点を当て、現状との乖離に警鐘を鳴らす一冊。
    コンサルタントとして企業経営に携わる立場として、半ば無意識に「事実に基づく客観的な分析を行えば、適切な戦略を導出できる」ことを念頭に置き、検討を進めている自分の思考の癖を自覚した(改めて、SCP/RBV/DC等の経営理論を「知っている」ことと、その知識をダイナミックに「活用する」ことの断絶を認識した次第)。
    個人的に最も印象的であったのは、「「主観」から逃避する誘惑」(p.242)という小見出し。本来会社とは、その存在目的からして「主観

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    2022年10月25日
  • 会社という迷宮―――経営者の眠れぬ夜のために

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    私自身、7年近く経営戦略コンサルティングという仕事に従事していたが、つくづくとコンサルティングという仕事は極めて特殊であり面白い仕事だったと思う。そもそも職種名にもなっている”戦略”というワード1つ取ったところで、その意味するところは千差万別であるし、ビジネススクールで習うような辞書的な定義を覚えたところで全く意味はない。自分にとっては、自らがひたすらにその意味するところを考えながら、それを実プロジェクトの中で形にしていく、というプロセスを通じて、ようやく自分なりの理解が定まっていった、という気がしている。

    さて、外資系戦略コンサルティングファームの代表格であるボストンコンサルティンググルー

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    2022年10月02日
  • 会社という迷宮―――経営者の眠れぬ夜のために

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    ネタバレ

    経営について、本質的な考察をした本。(本質的ゆえ抽象度がかなり高く、具体的な企業事例などは一切出てこない)

    会社は時価総額やらガバナンスやら、外から求められることを我先にと達成する存在ではなく、その会社の主観で信じている価値を軸に経営すべしという主張は、確かにその通りと思う。ただ最後の寄稿文にもある通り、会社規模が大きくなって経営と現場が乖離したり、創業者が引退したりするうちに、その主観は薄れ、会社も「主観を実現する手段」から「客観的な尺度で高評価を目指す装置」となり、経営者も従業員もそのための道具となっていく(いわゆる疎外)のは、ある種仕方ないことかとも思う。
    なので、本書で語られているこ

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    2022年07月31日
  • 会社という迷宮―――経営者の眠れぬ夜のために

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    散文的で目的地がなく、読解力が試される本だった…
    難しいことを一方的に喋る上司と一晩中呑んだような疲れがある。
    私はと言えば、弊部の部長が読んだと言っていたので話を合わせるために読んだのだ。
    内容?得たもの?そんなもの哲学書に求めるな。

    パーパスやSDGsに踊らされるな、なんて、食い物にされまいと無駄な抵抗をしている人間に甘言を囁いて、結局別の宗教を注ぎ込む、典型的な「コンサルタント」だ。

    しかし、これが本質だ、と抽象的なことをつらつら述べられると、「ふむ、これが本質なのか」と裸の王様を認めたくなるのもまた典型的な「ニンゲン」なのだ。

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    2024年04月20日
  • 会社という迷宮―――経営者の眠れぬ夜のために

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    本質的だが抽象的で実務的ではないかも。いろいろな考え方の可能性が示唆される。

    【戦略】
    ・どこまでいっても、経営は不完全な情報、不確実な環境・状況の中での意思決定である。戦略も、あたかも水面のような足場の上でしか成立しない。
    ・戦略を公表しているのは、戦いながら手の内を体外発表しているようなもの。

    【市場】
    ・市場は本来、そこに閉じこもるものではなくて、縦横に歩き回るもの、もしくは渉猟する場

    【組織】
    ・組織は戦略に従う
    ・社会的手抜き効果
    ・何を意図するかによって組織の構えも変わる

    【改革】
    ・改革には現在に対する否定文が必要

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    2023年01月29日