石井光太郎のレビュー一覧
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以前参加していた読書会で、参加者の1人が課題本そっちのけで夢中になって読んでいると言っていたのが、この『会社という迷宮』です。
会社員でもないので、「読んでもあれかなぁ」と思っていましたが、あの楠木健さんが、この本をイチオシしていた記事を読み、購入の一押しになりました。
読んでみると、「会社」に持つイメージが丁寧に壊され、いかに現代人が凝り固まった固定観念に囚われているかを痛感します。
できないことをできるようにするのが「会社」であるという根本に立ち返った上で、いかに自分の「分」を認識して、ユニークな挑戦をするのか。
著者の、ちょっと硬派だけど、ロマンに溢れた筆致が、ことごとく読み手の -
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ネタバレ特にJTCの経営層に読んでもらいたいと思った名著。自分が経営層に抱えているモヤモヤを言語化してくれたように思える。
経営コンサルタントは会社という法人の医者とでも表現すべき存在かもしれないが、バブル崩壊後の失われた20年で急速に増殖したのは、経営者が自信や指針を見失っているからに他ならない。俺がコンサル嫌いなのも、老人の医者嫌いと同じで、自分で考えて自分で答えを出すプロセスに意義や意味を見出しているからかもしれない。市場(しじょう)分析とは既存事業の売上高等の情報の寄せ集めに過ぎず、経営者が見るべきなのは市場(いちば)である。雑多なものとの出会いが市場にはあり、経営者は独自の視点でその雑多性 -
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会社という迷宮
会社が生きるための手段である競争戦略が目的として刷り込まれ、儲かることが最優先、経営者すら交換可能な存在なったのはいかに
本来の経営者の仕事は、会社の目指す価値、夢や志を体現する担い手となること、何が価値かを決めるのが経営者で、他人に決められた価値を追求することが仕事ではない
価値とは作るものではなく認められるもの、絶対的な基準があるものではなく、人により異なるもの、事業とは世の中へ独自の新しい価値を問うものではないか?
帳尻、結果である利益を調整して装置を運転するだけの経営者が長い目で成功したことはない
目の前に見える体格の成長は必ずしも会社としての本当の成長を意味 -
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2025/01/12「会社という迷宮」石井光太郎☆
本来、「会社」は「目的」があって設立される。(SONYの設立趣意書が有名。) しかるに現代は、「パーパスは何か?」「ガバナンス・コンプライアンス」「利益と株主還元」が問われ、重視される。まさに本末転倒。それで著者は、愚直に「企業トップの『企業への想い』」に執着する。その想いの原点に帰るしか資本主義経済の再生はありえない。
「企業とは」という根源的問題を提起する本
「企業は利益を生み出す機関」という狭い定義・認識は資本主義経済を破壊させる。「倫理」を基礎とした「経済合理性」が基本の仕組み。
マックス・ウェーバー「プロテスタンティズムと資本主義 -
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上司に進められて購入。今年一番の本かも。。。
【ざっと内容】
コンサルティング業界で長く勤務し、いくつもの経営者や事業を見てきた著者が企業というもの、経営者というものに対する考えを綴った一冊。企業とは、市場とは、戦略とは、価値とは、企業で働いていると一度は耳にする当たり前の言葉を再定義していく。
【こんな人におすすめ】
・経営者
・コンサルティングファームに勤務されている方
・経営企画や投資に関わる部門にいる方
【所感】
とにかくぶっ刺さりまくった1冊でした。各項目に対して強い共感と、深みを感じる文書が綴られていて、近年の、より具体的なテーマで身近な共感を狙うビジネス書とは全く異なってい -
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ネタバレ「会社」にはさまざまなステークホルダー(利害関係者)がいるが、その異なる利害がただ異なるままでは、一つの有機体として「行き先」を持つ「会社」にはならない。しかし、その異なる利害を束ねてまとめる「会社さん」という抽象的人間などいるはずもなく、代わってそれができる存在は、「経営者」以外にはいないのである。
利害を束ねるとは、単に平均値を取ったり、最大公約数を見出すというような利害調整のことではない。その意味では、民主主義的な考え方で、文字通り合議制や多数決で経営ができるなどというのは幻想に過ぎない。国家の政治ならばそこで主権の奪い合いということになるのだろうが、国家と異なり「会社」の場合には、社 -
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「経営者の眠れぬ夜のために」というサブタイトルが示すように、経営者が直面する悩みやストレスに寄り添ったアプローチをしています。ビジネスの成功に必要な知識やスキルだけでなく、経営者自身の心理的な側面にも焦点を当ている。 本書では,多くの実例を引用しながら、経営者が実践的な問題解決策を見つけるための戦略を提供しています。また、ビジネスを成功させるためには、社員のやる気や意欲を引き出すことが不可欠であること、グローバル化の時代においては、国際的な競争を生き抜くためにリスク管理の重要性が高まっていることなど、ビジネスの現代的な課題にも焦点を当ている。
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ネタバレビジネス用語として広く用いられている「戦略」「市場」「組織」等の言葉を題材に、これらが本来内包する意味合いに改めて焦点を当て、現状との乖離に警鐘を鳴らす一冊。
コンサルタントとして企業経営に携わる立場として、半ば無意識に「事実に基づく客観的な分析を行えば、適切な戦略を導出できる」ことを念頭に置き、検討を進めている自分の思考の癖を自覚した(改めて、SCP/RBV/DC等の経営理論を「知っている」ことと、その知識をダイナミックに「活用する」ことの断絶を認識した次第)。
個人的に最も印象的であったのは、「「主観」から逃避する誘惑」(p.242)という小見出し。本来会社とは、その存在目的からして「主観 -
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私自身、7年近く経営戦略コンサルティングという仕事に従事していたが、つくづくとコンサルティングという仕事は極めて特殊であり面白い仕事だったと思う。そもそも職種名にもなっている”戦略”というワード1つ取ったところで、その意味するところは千差万別であるし、ビジネススクールで習うような辞書的な定義を覚えたところで全く意味はない。自分にとっては、自らがひたすらにその意味するところを考えながら、それを実プロジェクトの中で形にしていく、というプロセスを通じて、ようやく自分なりの理解が定まっていった、という気がしている。
さて、外資系戦略コンサルティングファームの代表格であるボストンコンサルティンググルー -
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ネタバレ経営について、本質的な考察をした本。(本質的ゆえ抽象度がかなり高く、具体的な企業事例などは一切出てこない)
会社は時価総額やらガバナンスやら、外から求められることを我先にと達成する存在ではなく、その会社の主観で信じている価値を軸に経営すべしという主張は、確かにその通りと思う。ただ最後の寄稿文にもある通り、会社規模が大きくなって経営と現場が乖離したり、創業者が引退したりするうちに、その主観は薄れ、会社も「主観を実現する手段」から「客観的な尺度で高評価を目指す装置」となり、経営者も従業員もそのための道具となっていく(いわゆる疎外)のは、ある種仕方ないことかとも思う。
なので、本書で語られているこ