アンドレイ・クルコフのレビュー一覧

  • ペンギンの憂鬱
    ウクライナのキエフ(キーウ)でペンギンのミーシャと暮らす売れない小説家のヴィクトルは、ある日、出版社から「十字架」を書く仕事を依頼される。
    不穏な空気+ペンギンの物語→

    1990年代、ソ連崩壊後のウクライナが舞台。戦後の日本にしか住んだことのない私には最初、とても不思議な気持ちになった。
    家の外の...続きを読む
  • ペンギンの憂鬱
    短編作家の主人公が謎の仕事を引き受けるが、
    徐々に明らかになってゆく。
    共に暮らすペンギンがなんとも魅力的。途中から一緒に暮らす彼女や子どもとの日常もほっこりするが、主人公は彼女らに愛はないと思っている。
    最後のオチがあっと言わせる。
    旧ソ連ぽいなーと思わせる管理統制社会、闇社会の面影。
  • ペンギンの憂鬱
    憂鬱症のペンギンと売れない小説家。もう、これだけで面白い。

    不可思議でどこか、現実と空想のあわいに惹き込まれるような物語。
    どことなく村上春樹を想わせる文章ですが、訳者のあとがきを読んで納得。

    続編が出ているらしいけれど、どうやら15年以上経った現在でも日本語翻訳は出されていないそうで、残念。
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  • ペンギンの憂鬱
    ペンギンとヴィクトルが互いに依存関係であり「憂鬱症」を通して重なりあう様子がとてもうまいなと思った

    追悼記事を書く仕事を訝しく思いながらも、深くは知ろうとしないとことか、とにかく生活ができればいいと思ってたところとか、ヴィクトルがなぜこんなにも物事に無関心でいられるのかが不思議だった
    作品に終始漂...続きを読む
  • ウクライナ日記 国民的作家が綴った祖国激動の155日
    2022年2月にロシアがウクライナへ攻め込んだ時、日本のメディアのインタビューに答えるウクライナの人たちは、口をそろえて2014年からロシアがこうすることは分かっていたと答えていた。
    この本を読むと、そう思う根拠は十分あったんだとわかる。

    パラパラと読んだけど、この本はウクライナの現代史をある程度...続きを読む
  • ペンギンの憂鬱
    ソ連崩壊直後のウクライナ、売れない小説家のセルゲイは恋人に去られ、動物園からペンギンを1匹引き取る。

    ペンギンのミーシャと共同生活を始めた頃、新聞に追悼文を書く仕事を得る。追悼文と言っても、亡くなった人ではなく存命の著名人について亡くなる前に準備しておく…という奇妙なものだった。
    ーーーーーーーー...続きを読む
  • ペンギンの憂鬱
    ソ連崩壊後に独立して5年が経ったウクライナを舞台にした物語。行き場のない男と女と女の子とペンギンがパッチワークのように寄せ集まって家族の様相を呈している不思議な関係。もしかしたらヴィクトルとミーシャ(ペンギンの方)は互いが分身なのではないかと穿って見る。そうでないとしてもヴィクトルにとって一番気の置...続きを読む
  • ペンギンの憂鬱
    ひゃー面白かった⭐️不穏な空気がずーっと続くところどころでホッとしたり笑えたりオシャレだったり、、、ペンギンのミーシャ、そう、ペンギン。コレが犬や馬やネコだったらこの世界は表せなかっただろう。不条理な恐怖、ソ連崩壊直後のウクライナ、、この本、私の中では上位。ミーシャはどうなったんだろ、そしてヴィクト...続きを読む
  • ウクライナ日記 国民的作家が綴った祖国激動の155日
    [興奮と不穏と]「ユーロマイダン」こと独立広場における民衆の抗議に始まり、大統領の国外逃亡、そして東部での紛争等へと目まぐるしく事態が展開したウクライナ情勢。そんな非日常が日常に急に割り込んできたある一人のウクライナ人作家の日記から、事態の推移を伺うことのできる作品です。著者は、日本においては『ペン...続きを読む
  • 侵略日記
    ウクライナ侵攻について特集した番組の中で本書と著者が紹介されているのを見て手に取り。
    装丁は美しいですが手に取るのに覚悟のいる一冊でした。

    簡単な地図がついてますがロシア・ウクライナの地理も歴史も文化も全く知らないので最初は中々とっつきづらかったのですが読み進むうちにウクライナ人の矜持のようなもの...続きを読む
  • ペンギンの憂鬱
    閉館した動物園から引き取ってきたペンギンのミーシャと二人で暮らすモノ書きのヴィクトル。著名人が亡くなった際に新聞に掲載する通称「十字架」を書く仕事を引き受けるが、出先の宿では銃声で目を覚ましたり、引き受けた子供の親からピストルを受け取ったり、常に陰鬱な緊張感が続くロシア文学らしいウクライナ文学。
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  • ペンギンの憂鬱
    孤独について深く考えさせられる本
    人は皆それぞれが違う形で孤独を抱えていると思わされる。
    全体を陰鬱な雰囲気が包んでいるがそれを感じるのもまた良い読書体験
    ペンギンがそれを緩和してくれる
  • ペンギンの憂鬱
    憂鬱症のペンギン・ミーシャと暮らす売れない小説家のヴィクトルは、生活のために新聞の死亡記事を書き始める。

    ペンギンの話と思いきや、少し幻想小説のような不思議な雰囲気もあってとても好み。部屋をぺたぺたと歩くペンギンも可愛い。
  • ペンギンの憂鬱
    孤独なひとりの売れない小説家と一羽の憂鬱症のペンギンが巻き込まれていく、日常に混じりゆく不穏な気配とその真実を繊細かつユーモラスに描いた物語。ミステリ要素も含み、ペンギンはとてもかわいく、楽しく読めました。

    豊かに風景を描き上げる繊細な文体でつづられるのは、危うい社会情勢。地雷が埋められて爆発した...続きを読む
  • ペンギンの憂鬱
    「鬱のペンギンと暮らす売れない小説家」っていう設定だけで読みたくなった!

    そうか、ヴィクトル=ミーシャだったのか…。

    ヴィクトルの周りで、その一つ一つが人生の転換点になるような出来事がたくさん起こっているのに、何の起伏もないまま淡々と物語が進んでゆく。
    ラスト付近でついにヴィクトルが能動的に動き...続きを読む
  • ペンギンの憂鬱



    [残す本]

    春先に書店でカバーに惹かれて買った本。
    会社を辞めてしまう同僚に最後に会った時におすすめの本として紹介したら、ウクライナの作家さんだよね、と言われて、書店に並んでいた理由を知った。

    これから亡くなりそうな著名人、通称「十字架」を見つけては、追悼記事を書くという仕事を任された売れ...続きを読む
  • ペンギンの憂鬱
    ウクライナの状況が描かれた小説である。といっても戦争ではない。主人公がペンギンを動物園から譲り受け、さらに新聞社から生きている人が死んだ場合の追悼文を書く仕事をしている。子どもを知り合いからあずかり、さらに編集長が行方不明になり、ペンギンの飼い主も死亡する。話が最後まで見えない小説である。
  • ペンギンの憂鬱
    売れない短編作家と、憂鬱症のペンギンの話。

    最近急に寒くなってきたけど、ひんやりした空気の中で読むに相応しい小説だった。
    ウクライナ人の作家の作品だけど、ロシア語で書いているのが原因か祖国ではあまり読まれず、むしろ翻訳されたものがヨーロッパでよく読まれているっていうのが小説にも何となく微妙に曇りっ...続きを読む
  • ペンギンの憂鬱
    鬱々とした雰囲気なんだけど、読めてしまう。ただ思ったよりページ数は多くて淡々としているけれど、文章自体は読みやすい。
    単純にペンギンが出てくる本なら読んでみようかな!なんて思っただけなんだけれど、思いもよらない陰謀だとか。読んでいくに連れてそういうことかーと思いました。
    続きがあるみたいだけれど、翻...続きを読む
  • ペンギンの憂鬱
    ソ連崩壊後のウクライナが舞台
    翻訳本ですが、読みやすい文体です
    薄暗い雰囲気の世の中に、売れない小説家と鬱病のペンギン、知り合いから預かった子供。
    疑似的な家族と追悼記事の仕事
    なんとも不思議な設定ですが、読後はウクライナの複雑な歴史について知りたくなります。
    鬱病のペンギン、その後どうなったんだろ...続きを読む