ローランプティマンジャンのレビュー一覧

  • 夜の少年

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    父親の苦悩と悲しみが波のように襲ってくるように感じた。
    ひとことで言うと辛い、だろうか。

    妻を病気で亡くした後、二人の息子を育てる私、というように父親のひとり語りで始まる。

    父親の気持ちが切々と綴られていて、父親の視点でしか知り得ない物語だったが、ラストの父さんへというフスの手紙で胸を締めつけられた。

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    2023年07月05日
  • 夜の少年

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    父親の気持ちが痛いほど伝わり苦しくなる。息子とどう接したら良いのか分からない父親の葛藤、逡巡が手に取るように分かる。
    子どもと一心同体の蜜月時期を過ごした経験のある者ならば、子どもが見知らぬ他人のように理解できない存在になってしまう哀しみ、寂しさに共感してしまう。
    子どもが親の求める姿の許容範囲を越えた時、失望し言葉を失う、会話は途絶え、沈黙…けれど見捨てることなどできない。親だから、子どもだから。
    その関係は哀しい、けれど愛しい。

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    2023年01月24日
  • 夜の少年

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    ネタバレ

    些細な出来事の連続の先は夜だった。

    ささやかに生きてきた真面目で朴訥な男性が、病気で妻を失い優しい長男との関係が少しずつ狂っていく。

    毎日が「あのときこうしていたら」「ああしたほうがよかった」の連続で生きている。どこに生まれ生きていてもそれは不変なのかも。

    フランスは政治が日常生活に密着していますね。読み始めは面くらいました。

    帯文は重松清さん、重松作品が好きな人に読んでもらって感想を聞いてみたいなぁ。

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    2023年04月02日
  • 夜の少年

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    ネタバレ

    父親も長男も不器用でなんだか切なかった。ちょっとずつ道を逸れていった結果あんな大事になるなんて。みんながジルーやジェレミーのように生きられるわけじゃないから…

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    2023年01月22日
  • 夜の少年

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    読みごたえのある本。
    幸せに暮らしていた四人家族が、母親が癌で亡くなってから、長男に変化が起こる。
    3年の間、休みは母親の見舞いで過ごし、成績も下降し、苦労している父親に迷惑をかけないように、地域の短期大学に進学する。極右の仲間と付き合い、父親とも距離を置く。
    ある日事件が起こる。彼が殺人を犯してしまう。
    裁判、判決と、父親の心は揺れ動く。どうすれば良かったのか、どう子どもと向き合えばいいのか、父親の心理を詳細に描写している。

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    2022年09月28日
  • 夜の少年

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    舞台はフランス北東部メス。
    とある一家の父親の語りで進んでいく物語。
    朴訥で不器用な父親の語りのせいか、小説ながら切実なノンフィクションの手記を読んでいるような感覚になる。

    優しくて弟思いの長男フス(フスは愛称。本名はフレデリック)は、スポーツが好きな明るい子で、母親が病に倒れたときも、思春期の時期を犠牲にして家族をフォローし、家事を積極的にする、とてもいい子だった。
    病に倒れた妻を見舞い、看取り、妻の死後どう子どもたちを食べさせていくかに必死で、家族のフォローにたち回ってきたフスに「ありがとう」の一つもいえなかったことに、父親は後悔の念を綴る。

    そしてフスは高校に入ったころ、家族よりも友

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    2022年08月30日
  • 夜の少年

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    ネタバレ

    大切に思っている人と会話する重要性について考えさせられる。私もこの父親と同じように、会話しないで済むならそうしないようにするからだ。
    きつい結末でだった。

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    2022年07月20日
  • 夜の少年

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    子ども、家族と「向き合う」とは何か。正しさとは何か。過干渉、放任、自立・・・とてもとても考えさせられる本。読んで良かったのだが読後がキツい。

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    2022年06月13日
  • 夜の少年

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    なかなか重い。

    日本では政治信条で親子関係がこじれるとかあまりないことかとは思うけど、自分の子がファシズムとか曰く的な新興宗教に執心してたら、この父親と同じようにどう関わったらいいのか分からなくなるかもしれない。

    じゃあ何が正解なのか。正解なんてないんだろうな。

    子が大人になった時点で、それは子ども自身の問題だと割り切って考えられればいいのかな。無理だろうな。親ができるのはどこまでいっても子どもを守ることだけだろうな。

    子どもが道を誤っていると感じたとき、暴行されたとき、何があっても味方だから、人を殺めることだけはやめようと言い切れるか。

    ちゃんとできなくても、そこだけは子どもに言い

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    2022年08月27日
  • 夜の少年

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    男手ひとつで兄弟を育ててきた父。思春期を迎えた兄はなにやら悪いやつらとつるんでいる。そして事件は起こってしまった。なかなかに重たい。兄だけが悪い訳じゃないのにね。

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    2022年08月23日
  • 夜の少年

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    フランス北東部の町に住む主人公は、国鉄に技術者として働いている。男の子2人の父親であるが、妻を癌で亡くした。左派の団体を支持し、息子のサッカーを見に行く平凡な日々だったが、高校生になった長男は右翼系の少年たちとつきあうようになり、家での口数も減った。兄弟の仲は良く、弟は兄を慕っている。弟は兄より勉強ができ、パリの進学校へと進む。父親と兄とのぎくしゃくした関係の続く中、兄が血まみれで帰宅する。仲間を殺してしまったのだ。

    終始父親の目線で語られる。思春期を迎え、自分と違う価値観で進み始める息子。息子やその仲間の行動をSNSで追う姿が危うい。最後のページの獄中から父へ宛てた手紙で、読者は初めて息子

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    2022年08月02日
  • 夜の少年

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    もっと話しておけば。
    いつからそうなってしまったのか。
    あの時の選択が違っていれば現在は全く別の環境の中にいたのではないか。
    自分の親に対して、息子に対して、付き合ってきた彼女に対して。
    そんなことを考えさせられる作品でした。
    どの辺か夜の少年なのかは不明。

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    2022年06月12日