上田啓太のレビュー一覧

  • カラッポの主人公 名作マンガ再々読

    購入済み

    声を出して笑える

    クスッと笑える、と書いてあったがそれは間違いである
    私は何度も声を出して笑った。
    ブログで上田さんを知り、漫画の評論を始め様々な文章を読んだがこんなに会いたいと思った人は初めてだ。
    ジャンプ漫画から君に届けまで、偏りはありながらも独自な目線で解説が続けられる。
    もっと本を出して欲しいと切実に願う。

    #笑える

    0
    2025年11月27日
  • 人は2000連休を与えられるとどうなるのか?

    Posted by ブクログ

    ただのニートと何か違うのか、と言われると何とも言いにくいが、とにかく約6年間休みを得たら、人はどうなるのかという実験本でもある。著者の感性に共感する部分が多く、擬似体験をしているような感覚を味わう。

    杉松、という年上の女性の家に居候する著者。まだ若い男女だ。しかし恋人でもなく、互いに干渉し合う仲でもない。家賃3万円の関係。二人とも猫好き。杉松は働くが、著者は働かない。

    その著者の文章に「自己の濃度」という言葉が使われていた。凄く分かる気がする。これは「他者の視点」の対岸にある言葉だ。人に会わず、合わせず、時間を意識せず、居場所に縛られず、自らの価値観だけで生きていると、濃度は高まる。自我1

    0
    2025年07月28日
  • 人は2000連休を与えられるとどうなるのか?

    Posted by ブクログ

    ネット掲示板のニートのエッセイかと思いきや、離人症にまでなるほどのメタ作品であった。数行の間にもどれだけの歳月と苦労苦悩があったのかと思わされる。

    0
    2024年08月21日
  • 人は2000連休を与えられるとどうなるのか?

    Posted by ブクログ

    タイトル見た時に想像していた内容とは大分、いや一部はその通りだったが、いい意味で裏切られた本だった。
    にしても、本を読む習慣がなかった人が、いくら時間があるからといって脳の本とかを読んで、よくもまあこんな視点を獲得、いや元々持っていたモノを知覚したのかな。
    同居人とは何もなかったのか甚だ疑問ではあるけれど、同居人もかなり変わった人なのだろう。
    今更こういう人生を送りたいわけではないが、今家にある本だけでも繰り返して読めば、あるいはこの人のような視点を得るのかもしれない。
    表紙はあえてこのようにしたのかもしれないが、学者が書いた自分の考えを、実際の人生で体験し、それを自分の言葉で表しているから、

    0
    2024年05月13日
  • 人は2000連休を与えられるとどうなるのか?

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    めっちゃ面白かった。
    もともとエッセイが読みたくて手に取った作品だが、その実中盤は自己啓発本、後半は哲学書みたいな本だった。
    人間のデータベースを作るパートで十分病んでると思うが、そのへんは全然序章だった。

    人間は人間関係の中で自己を意識するため、人と関わらないと自己の感覚が薄くなり肉体が強く意識されるようになる。
    「自分を変える」ということは自己を再定義した上で自己を否定することであり、それゆえ再定義の過程でかりそめの自己が強く意識され、人は変わることが難しい。

    この辺、自分が2000連休取ったとしてもたどり着けるとは思えない領域だな…と思った。

    作者と杉松の退廃的な生き方に憧れる…

    0
    2023年10月08日
  • カラッポの主人公 名作マンガ再々読

    Posted by ブクログ

    深読みといえばそれまでだが、様々な漫画を独自の解釈でコンテンツとしてまとめ上げる力がとても魅力的で面白かった

    0
    2023年08月16日
  • カラッポの主人公 名作マンガ再々読

    Posted by ブクログ

    上田啓太氏の文章と言葉選びが秀逸すぎる。前半では何度も笑わせてもらった。後半、ドラゴンボールやスラムダンクを介して天才と凡人などの様々な考察には思わず唸らされることも多々。漫画も読む人が読めば哲学書になる。

    0
    2023年08月14日
  • 人は2000連休を与えられるとどうなるのか?

    Posted by ブクログ

    これは哲学書だ。
    読む前は途方もないニート生活の中での出来事を面白おかしく書かれたエンタテインメントだと思っていたが、読み進めるうちにそんなありがちで簡単に想像できる話ではないことを思い知らされる。
    仕事を辞めて住むところがなくなり転がり込んだ先の同居人・杉松と拾い猫の毛玉とのコミュニケーションや、仮住まいとして与えられた物置に籠り、様々な方法で積み重ねた自身との対話を経て、最後に「知覚点」まで削ぎ落とし、人間の世界や生死へ向けられた考察には思わず引き込まれた。
    絶妙な言葉選びや日常描写も秀逸で何度も思わず笑わされた。上質なエンタメとしての一面も持ったハイブリッドな一冊。おすすめ。

    0
    2023年07月08日
  • 人は2000連休を与えられるとどうなるのか?

    Posted by ブクログ

    いつも憧れていた生活を先にしていた人がいるなんて…と読み始めた。6年近く、理解ある異性知人の家の一畳半物置に住み、仕事をせず生きる。
    こんなにも生きること真剣に考え、それに専念し、人間関係を極限まで断つ。この環境下で人間がどのような行動を取るのか。著者の行動と思考過程を通じて理解する。

    0
    2023年06月06日
  • 人は2000連休を与えられるとどうなるのか?

    Posted by ブクログ

    発売当初タイトルが気になって電子書籍で購入して、今回オーディブルで出ていたのでそっちも聴いてみた。何度読んでも聴いても興味深くて、どんな人なんだろうと思った。会って話してみたいとも思うし、会いたくないなとも思う。

    鋭い観察眼と言語化する能力に長けていて、子どもの頃から私とは根っこから違うセンスを持っている方のように感じた。こういう本をたくさん読んでみたい。

    0
    2023年03月21日
  • 人は2000連休を与えられるとどうなるのか?

    Posted by ブクログ

    哲学者と研究者とシステムエンジニアと主集マニアの自分を用いた人体実験。
    n数を増やして、論文にされるとよいかと。

    連休は引きこもりではない。
    横道世之助の中に、一年間の引きこもりを、一年間いらないと言っていると、表現していたが、そうなのか?仕事してるから意味があって、対外活動していないといらないになっちゃうのか?少なくとも、いろいろと飽きちゃうんだろうというのは、知れてよかった。

    『日常的な意識状態が変容して、それまでとはちがう認識世界に至ったとき、それを真実の世界だと思い込んでしまう。これは危険な罠なのだと理解した。無防備なままに神秘体験をすれば、「日常世界は仮のもので、これこそが真実の

    0
    2022年06月23日
  • 人は2000連休を与えられるとどうなるのか?

    Posted by ブクログ

    オモコロ20周年に関する記事を読んで興味を持ってライターさんの本。
    人生に行き詰まりを感じ仕事を辞めた著者が、至福の日々も束の間、迫りくる不安に対抗すべくもがきはじめ、ひたすら内省と実験を行っていくという体験記。
    「連休」だからといって何もしていないというわけではなく、「ひたすら自己と向き合い続ける」というのが、変にネガティヴでもなく(かといってポジティブでもないが)、重くもないトーンでどんどん進んでいく。どこか共感できてしまうというか、普段意識しない自分の心の奥底にも似たようなものがあるのかも、、、と考えさせられます。
    濃淡関わらずこれまでの人生で接点を持った人・行った場所・自分の行動・その

    0
    2025年11月02日
  • 人は2000連休を与えられるとどうなるのか?

    Posted by ブクログ

    300連休くらいまでは「うわ〜わかるわかる」と楽しかった
    休みが永遠とも思えるくらいに続く初日の緊張と展望、まずは何もしないを楽しむぞ、と意図を持っての無為の日々、次第に飽きてきたところでさてこれはどうしたもんかと目標を立て、毎朝晩のヨガ、朝日を浴びる、ベッドメイク、散歩などをルーティンとする、気づけば夜になる毎日に焦りtogglで全ての行動記録を取り、必須行動と投資と娯楽の割合を対等になるように振り返り続ける、家計簿の全ての取引履歴の店名をあらゆる手段を使って思い出し入力、スクリーンタイムにパスワードを設定し、SNSアプリをスマホから削除する、資格勉強に打ち込み、目標勉強時間に足らないとうず

    0
    2025年06月01日
  • 人は2000連休を与えられるとどうなるのか?

    Posted by ブクログ

    「目的がなくなると人はおかしくなる」これが本書から得られる私なりの結論だ。
    社会活動を休んでいると自分と向き合わざるを得なくなる。
    連休と言っても年金生活や学生生活、ワーキングホリデーや休職期間、主婦とは全く違う。
    何の目的もなく、健康な身体を持て余してしまう。
    そうすると今までは守られていたものが全部前に出てきておかしくなる。 
    これはそんな内容の観察日記だった。

    0
    2024年02月29日
  • 人は2000連休を与えられるとどうなるのか?

    Posted by ブクログ

    カフェ従業員を辞めて、知り合いの杉松さん家の物置で2000日以上過ごした生活を送った人の記録本。考えたことが淡々と綴られており、悲しい内容や自虐はほぼない。家の外には出ているようだが、食事の話、街並みの話、年末年始の話、ニュースの話といった日記でありそうな話題が出てこないのが特徴的。
    途中で自分の人生を詳細にデータベース化したり、睡眠食事風呂以外の刺激を禁止した生活を送ったりと、人体実験を行っていることも多い。自分が2000連休になっても同じようにはならないと理解させられるとともに、著者の実体験は納得感が強い。
    しかし最後まで読んでも作者の人となりはほとんどつかめなかった。途中で好きな食べ物を

    0
    2024年02月10日
  • 人は2000連休を与えられるとどうなるのか?

    Posted by ブクログ

    最初はいかにもニート的な、俗な感じでこの先が不安だとかインターネットやってるとか言っていた作者が、社会や他者との接点を極限まで減らしていく中で、人生や思考をデータベース化したり、無意識の動作を意識化したりしだす。自己のすべてを表層意識と理性で捉え直していくことで、どんどん離人症めいて自分が希薄化していく。
    自分のことを上田と、他人事のように言うのが怖かった

    0
    2023年12月31日
  • 人は2000連休を与えられるとどうなるのか?

    Posted by ブクログ

    軽めのタイトルとポップなカバーからは想像もつかない重い内容。実験的な観察日記から、最後には哲学的な試作の書に変わる。自分とは何か考えていった果てに、自我が世界に溶け出していくのが面白い。それでいて、生来の笑いの感覚がそこはかとなくやどっているのが絶妙。真面目な議論を突き詰めると、どこかで笑いに変わってしまうのはなぜだろう。世界から一歩引くメタを利用して現実をズラす共通点があるからだろうか。

    離人症のきらいがあったからこそなんだろうが、著者も指摘するように悟りとか、洗脳とかに近しいところに踏み込みながら理性的に記述できるのがすごい。少しは哲学、というか心理学的素養がある方だと思うが、一から哲学

    0
    2023年01月03日
  • 人は2000連休を与えられるとどうなるのか?

    Posted by ブクログ

    ガハハと笑いながら読むつもりで買ったのですが、思ったよりも学がある著者で(酷い表現でスミマセン...)、なるほどなぁ...と感心しちゃいました。

    0
    2022年10月30日
  • 人は2000連休を与えられるとどうなるのか?

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     筆者が仕事を辞めて、ブログの女性読者「杉松」が借りる家の物置(一畳半)に居候し、雑誌の大喜利連載のアルバイトで月数万稼いで暮らしていた「2000連休」の実体験が書かれてある。

     まず、筆者と杉松は、私には“お互いドライそうに見えて大分仲の良い弟と姉”みたいな関係の友人に見えた。ネットで知り合った男性を家に居候させることにした杉松はすごいなと思った。
     連休中に今までに出会った人の名前、読んだ本、聴いた音楽や、記憶をPCにデータベース化したのだが、そのために卒業アルバムを実家から取り寄せたりと徹底しすぎていて、「狂っている……」と思った。長い連休を経験しても、そのような行動を取る人はなかなか

    0
    2022年09月07日
  • 人は2000連休を与えられるとどうなるのか?

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    タイトルの疑問文に対する回答としては、筆者の場合は思考がインナースペースにどんどん落ちていく、というものになる

    0
    2022年08月28日