【感想・ネタバレ】人は2000連休を与えられるとどうなるのか?のレビュー

あらすじ

人生に行き詰まりを感じ仕事を辞めた男・上田。至福の日々も束の間、迫りくる不安に対抗すべくもがきはじめるが――内省と実験の果てに訪れるまさかの「哲学的」展開とは?衝撃の体験談!

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Posted by ブクログ

ただのニートと何か違うのか、と言われると何とも言いにくいが、とにかく約6年間休みを得たら、人はどうなるのかという実験本でもある。著者の感性に共感する部分が多く、擬似体験をしているような感覚を味わう。

杉松、という年上の女性の家に居候する著者。まだ若い男女だ。しかし恋人でもなく、互いに干渉し合う仲でもない。家賃3万円の関係。二人とも猫好き。杉松は働くが、著者は働かない。

その著者の文章に「自己の濃度」という言葉が使われていた。凄く分かる気がする。これは「他者の視点」の対岸にある言葉だ。人に会わず、合わせず、時間を意識せず、居場所に縛られず、自らの価値観だけで生きていると、濃度は高まる。自我100パーセントの濃さになり、徐々に、他者への興味が薄れ、他者の言動がストレスになる。

ー ネットの悪意に飲み込まれる。どこかで読んで嫌だなと感じた言葉が、ふとしたときに自分の口から出てきていると気づくと焦る。読むことは食べることに似ている。言葉は食べもののように問答無用で体内に入ってきてしまうし、変なものを食べて腹を壊すように、変な言葉を読んで心を壊すこともあるのだろう。毎日泥水をすすっているが何の影響もありません、と言う人はいないし、毒をがぶがぶ飲んでも平気です、と言う人はいない。ものを食べれば身体に影響が出るのは普通のことだ。わざわざ言語的汚物を食べてはいけない。それは便器の水をすすって腹を壊すようなものだ。自分が日々どんな言葉を食べているのかは自覚したほうがよいと感じた。無自覚に言葉を食べていれば、腹を壊すように頭を壊す。

ー 読むことが食べることならば、何も食べないという発想も出てくる。言葉の断食である。文字を読まない。徹底して読まない。十日ほど試した。ネットを見る時間を制限し、次に数日全面的に禁止し、その後、読書も禁止してみた。二、三日で分かりやすく変化が起きた。頭の中が静かになるのだ。いかに日々、食べた言葉を消化することに頭を使っていたかを実感した。食べる言葉の量を減らすと、自然と頭の中を流れる言葉の量も減る。思考と呼ばれるものの大半は、じつは食べたものの消化で、食べる言葉の量を減らすと思考の量も減るらしい。

他者との融合、固有の自我に彷徨う。深く堕ちるでもなく、その「濃度」について考えさせられる。深く堕ちないのは、杉松がいたからだろう。その意味では、完璧ではない。しかし、完璧ではない代わりに、登場人物がいるおかげで私小説のような味わいがあると思った。

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2025年07月28日

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ネット掲示板のニートのエッセイかと思いきや、離人症にまでなるほどのメタ作品であった。数行の間にもどれだけの歳月と苦労苦悩があったのかと思わされる。

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2024年08月21日

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タイトル見た時に想像していた内容とは大分、いや一部はその通りだったが、いい意味で裏切られた本だった。
にしても、本を読む習慣がなかった人が、いくら時間があるからといって脳の本とかを読んで、よくもまあこんな視点を獲得、いや元々持っていたモノを知覚したのかな。
同居人とは何もなかったのか甚だ疑問ではあるけれど、同居人もかなり変わった人なのだろう。
今更こういう人生を送りたいわけではないが、今家にある本だけでも繰り返して読めば、あるいはこの人のような視点を得るのかもしれない。
表紙はあえてこのようにしたのかもしれないが、学者が書いた自分の考えを、実際の人生で体験し、それを自分の言葉で表しているから、わかりやすい考えも多く、このように考えられたら、今感じてるネガティブな感じは大分なくなるのかもしれない。
これはやはり買おうかな。

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2024年05月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

めっちゃ面白かった。
もともとエッセイが読みたくて手に取った作品だが、その実中盤は自己啓発本、後半は哲学書みたいな本だった。
人間のデータベースを作るパートで十分病んでると思うが、そのへんは全然序章だった。

人間は人間関係の中で自己を意識するため、人と関わらないと自己の感覚が薄くなり肉体が強く意識されるようになる。
「自分を変える」ということは自己を再定義した上で自己を否定することであり、それゆえ再定義の過程でかりそめの自己が強く意識され、人は変わることが難しい。

この辺、自分が2000連休取ったとしてもたどり着けるとは思えない領域だな…と思った。

作者と杉松の退廃的な生き方に憧れる…と思った。
が、最終的に杉松がネコ6匹育てながら自分の家まで建ててて笑ってしまった。めっちゃちゃんとしてる。

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2023年10月08日

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これは哲学書だ。
読む前は途方もないニート生活の中での出来事を面白おかしく書かれたエンタテインメントだと思っていたが、読み進めるうちにそんなありがちで簡単に想像できる話ではないことを思い知らされる。
仕事を辞めて住むところがなくなり転がり込んだ先の同居人・杉松と拾い猫の毛玉とのコミュニケーションや、仮住まいとして与えられた物置に籠り、様々な方法で積み重ねた自身との対話を経て、最後に「知覚点」まで削ぎ落とし、人間の世界や生死へ向けられた考察には思わず引き込まれた。
絶妙な言葉選びや日常描写も秀逸で何度も思わず笑わされた。上質なエンタメとしての一面も持ったハイブリッドな一冊。おすすめ。

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2023年07月08日

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いつも憧れていた生活を先にしていた人がいるなんて…と読み始めた。6年近く、理解ある異性知人の家の一畳半物置に住み、仕事をせず生きる。
こんなにも生きること真剣に考え、それに専念し、人間関係を極限まで断つ。この環境下で人間がどのような行動を取るのか。著者の行動と思考過程を通じて理解する。

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2023年06月06日

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発売当初タイトルが気になって電子書籍で購入して、今回オーディブルで出ていたのでそっちも聴いてみた。何度読んでも聴いても興味深くて、どんな人なんだろうと思った。会って話してみたいとも思うし、会いたくないなとも思う。

鋭い観察眼と言語化する能力に長けていて、子どもの頃から私とは根っこから違うセンスを持っている方のように感じた。こういう本をたくさん読んでみたい。

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2023年03月21日

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哲学者と研究者とシステムエンジニアと主集マニアの自分を用いた人体実験。
n数を増やして、論文にされるとよいかと。

連休は引きこもりではない。
横道世之助の中に、一年間の引きこもりを、一年間いらないと言っていると、表現していたが、そうなのか?仕事してるから意味があって、対外活動していないといらないになっちゃうのか?少なくとも、いろいろと飽きちゃうんだろうというのは、知れてよかった。

『日常的な意識状態が変容して、それまでとはちがう認識世界に至ったとき、それを真実の世界だと思い込んでしまう。これは危険な罠なのだと理解した。無防備なままに神秘体験をすれば、「日常世界は仮のもので、これこそが真実の世界だったのだ」と世界観が再構築されてしまう。このとき、自身のかかえる劣等感や、肉体に蓄積された情念への観察がなければ、「愚かな人類は滅びるべきだ」という極論に飛び上がる可能性もある。』
これってオウム真理教のこと?
ことと思った。

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2022年06月23日

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オモコロ20周年に関する記事を読んで興味を持ってライターさんの本。
人生に行き詰まりを感じ仕事を辞めた著者が、至福の日々も束の間、迫りくる不安に対抗すべくもがきはじめ、ひたすら内省と実験を行っていくという体験記。
「連休」だからといって何もしていないというわけではなく、「ひたすら自己と向き合い続ける」というのが、変にネガティヴでもなく(かといってポジティブでもないが)、重くもないトーンでどんどん進んでいく。どこか共感できてしまうというか、普段意識しない自分の心の奥底にも似たようなものがあるのかも、、、と考えさせられます。
濃淡関わらずこれまでの人生で接点を持った人・行った場所・自分の行動・その時の感情等をデータベース化する気が狂いそうな行為をした後、クスリと笑わせてくれるオチがつくところは、この人の根っこのユーモアが感じられてとても面白かったです。

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2025年11月02日

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300連休くらいまでは「うわ〜わかるわかる」と楽しかった
休みが永遠とも思えるくらいに続く初日の緊張と展望、まずは何もしないを楽しむぞ、と意図を持っての無為の日々、次第に飽きてきたところでさてこれはどうしたもんかと目標を立て、毎朝晩のヨガ、朝日を浴びる、ベッドメイク、散歩などをルーティンとする、気づけば夜になる毎日に焦りtogglで全ての行動記録を取り、必須行動と投資と娯楽の割合を対等になるように振り返り続ける、家計簿の全ての取引履歴の店名をあらゆる手段を使って思い出し入力、スクリーンタイムにパスワードを設定し、SNSアプリをスマホから削除する、資格勉強に打ち込み、目標勉強時間に足らないとうずくまる、これが自分の育休中の動きだった

社会に復帰して1ヶ月、かつてあんなに好きだった仕事に意味が見いだせなくなり焦燥感と倦怠感と罪悪感にもみくちゃになる中、自分より大変な目に遭ってそうなやつがいるぞ!と読み始めたら最初こそ同じような道を辿っているように見えたのに途中から哲学が始まってしまい、いや、それでも、最後は?最後は人間界辛いんじゃないの?戻れる?と捲る手を速めたら連載が決まってしまっていた。
そう、自分より不幸である人間を見て安心しようとしてたのだ私は。は〜、書いてしまえば情けなくも清々しい。くそ〜、こいつめちゃくちゃ頭いいじゃんよ、ていうか大喜利連載でやってけるレベルだからそうだよね!気づいてたよ序盤で!そんな人がグズグスになってるのに安心したかったわけ!はー!

ここ一週間で珍しく何冊も読んでるんだが、リンクするように感じるのが多くて、
死は本当に悲しいものなのかは西の魔女は死んだのおばあちゃんを思い出したし、
けだまの死には2粒なのにフィクションには大泣きできる感性はアンドロイドは電気羊〜の世界ではフォークトカンプフ法にパスできないんじゃないか、しかしそれはフォークトカンプフ法が機能していないのか、アンディーと人間をわかつ基準が誤っているのか、と考えるし、
封印していた感情を書き出すはまさにこの本を読み始める直前に、直近数ヶ月の範囲ではあるがやっていて、ライフチャートグラフを書くときに謎の抵抗感が生じたのは感情に触れる作業だったからなのかも、けっこう危険な方法が世には普通に罷り通ってるんだな、とか

自語り乙すぎるけど、明日もなんとか働いて生きてくしかない。ぐえー

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2025年06月01日

Posted by ブクログ

「目的がなくなると人はおかしくなる」これが本書から得られる私なりの結論だ。
社会活動を休んでいると自分と向き合わざるを得なくなる。
連休と言っても年金生活や学生生活、ワーキングホリデーや休職期間、主婦とは全く違う。
何の目的もなく、健康な身体を持て余してしまう。
そうすると今までは守られていたものが全部前に出てきておかしくなる。 
これはそんな内容の観察日記だった。

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2024年02月29日

Posted by ブクログ

カフェ従業員を辞めて、知り合いの杉松さん家の物置で2000日以上過ごした生活を送った人の記録本。考えたことが淡々と綴られており、悲しい内容や自虐はほぼない。家の外には出ているようだが、食事の話、街並みの話、年末年始の話、ニュースの話といった日記でありそうな話題が出てこないのが特徴的。
途中で自分の人生を詳細にデータベース化したり、睡眠食事風呂以外の刺激を禁止した生活を送ったりと、人体実験を行っていることも多い。自分が2000連休になっても同じようにはならないと理解させられるとともに、著者の実体験は納得感が強い。
しかし最後まで読んでも作者の人となりはほとんどつかめなかった。途中で好きな食べ物を聞かれて思い浮かばず困るシーンがあったが、観察対象としての自分に興味があるだけなのかなと思った。

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2024年02月10日

Posted by ブクログ

最初はいかにもニート的な、俗な感じでこの先が不安だとかインターネットやってるとか言っていた作者が、社会や他者との接点を極限まで減らしていく中で、人生や思考をデータベース化したり、無意識の動作を意識化したりしだす。自己のすべてを表層意識と理性で捉え直していくことで、どんどん離人症めいて自分が希薄化していく。
自分のことを上田と、他人事のように言うのが怖かった

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2023年12月31日

Posted by ブクログ

軽めのタイトルとポップなカバーからは想像もつかない重い内容。実験的な観察日記から、最後には哲学的な試作の書に変わる。自分とは何か考えていった果てに、自我が世界に溶け出していくのが面白い。それでいて、生来の笑いの感覚がそこはかとなくやどっているのが絶妙。真面目な議論を突き詰めると、どこかで笑いに変わってしまうのはなぜだろう。世界から一歩引くメタを利用して現実をズラす共通点があるからだろうか。

離人症のきらいがあったからこそなんだろうが、著者も指摘するように悟りとか、洗脳とかに近しいところに踏み込みながら理性的に記述できるのがすごい。少しは哲学、というか心理学的素養がある方だと思うが、一から哲学議論を自分なりに積み上げているので、誰かの議論を引き合いに出さなくてもとても強靭で説得力があった。作家が論理的でない方法で思想を示すような、そんなイメージ。哲学者でいえば、最後の方で唯一、須原さんについて言及があって気になった。

途中出てきた過去の記憶をひたすら書き出すのとか、試したくなるけど少し怖い。

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2023年01月03日

Posted by ブクログ

ガハハと笑いながら読むつもりで買ったのですが、思ったよりも学がある著者で(酷い表現でスミマセン...)、なるほどなぁ...と感心しちゃいました。

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2022年10月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 筆者が仕事を辞めて、ブログの女性読者「杉松」が借りる家の物置(一畳半)に居候し、雑誌の大喜利連載のアルバイトで月数万稼いで暮らしていた「2000連休」の実体験が書かれてある。

 まず、筆者と杉松は、私には“お互いドライそうに見えて大分仲の良い弟と姉”みたいな関係の友人に見えた。ネットで知り合った男性を家に居候させることにした杉松はすごいなと思った。
 連休中に今までに出会った人の名前、読んだ本、聴いた音楽や、記憶をPCにデータベース化したのだが、そのために卒業アルバムを実家から取り寄せたりと徹底しすぎていて、「狂っている……」と思った。長い連休を経験しても、そのような行動を取る人はなかなかいないのではないかと思った。

 私が印象的だったのは、途中で崩れた生活リズムを整えようと思った筆者が、「自動思考」という言葉を本で知って、「規則正しい生活を送ることができなければダメなのだと強く思い込んでおり、そして自分を責めている」と気づいたところである。本から影響を受けて、「規則正しい生活を『課題』として引きずっている自分の心を見たほうが良いのではないか」と考えるようになったのが面白かった。

 連休日数が長くなるにつれ、どんどん哲学の様なことについて考え始めるのだなということがよく分かって面白かった。また、家で猫と暮らすことになるのだが、「猫ちゃんがいる暮らし、良いな……」と思った。

 

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2022年09月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルの疑問文に対する回答としては、筆者の場合は思考がインナースペースにどんどん落ちていく、というものになる

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2022年08月28日

Posted by ブクログ

自分を使って人体実験のようなことをしてみたり、いろんなことを突き詰めて考えてみたり、そういったことが面白く書かれている。
最後に紹介されていた「自死という生き方」という本がとても気になった。

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2022年06月19日

Posted by ブクログ

約2,000日間、社会とのつながりを極限まで希薄にした生活。興味・関心の変遷とこれに応じた行動を通して人間世界を考察。
思いついたことはまず実践してみる行動力と些細なことから展開されるハッとする考察。終始、肩肘張らずに書かれる文章が妙に生々しく、一気読み。

◯自分を変えたいと言うとき、その人間はひたすらに自分のことを考え続けている。(中略)自分に強烈に感情移入しながら同時に自分を殺そうとするようなもので、そもそも矛盾した発想だったんじゃないか。
自分を変えようとすることは、古い自分を殺そうとすることで、基本的には、血なまぐさい発想なのだと思う。人はハエや蚊を平気で殺す。見なければ見ないほどに殺せる。

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2022年05月28日

Posted by ブクログ

表紙がライトだし、軽めのブログ本かと思ったら「なんじゃこりゃ!」という本ですごく面白かった。河出書房さすがだわー。

分類が難しい。「ブログエッセイ」ではあるんだと思う。
無職になって、いわば人生見つめ直し期間に突入した人が、いろいろ考える過程のリアルエッセイなのだけど、見つめ直し具合が異常に深い。
「異常に」が肝。ほぼ心理学人体実験。

前半まではちょっとした自己啓発止まりなので、「自己啓発エッセイ」的にも読めるのよね。しかしさらに深く潜る筆者なのであった。

かといって重すぎる筆致ではなくて、クスッってところもあるし、元々文体が面白い。
深く潜る過程での気づきのあれこれは、誰しも人生に行き詰まった時に感じる何かなのだけど、とてもわかりやすく言語化してくれている。

ただこの深く潜っちゃったところが、好みの分かれるところかもなあ。
ちょっと狂気スレスレで私は好きです。ここがポイントよね。

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2022年05月25日

Posted by ブクログ

正直言って、思っていた内容と違っていた。
気楽に読めない。
こんな自分はもう嫌だと強く思うほど、きのうと同じ自分が維持されてしまうジレンマ。
自分を変えたいと強烈に切望しながらも、その行為は古い自分を殺すことに等しく、血なまぐさい発想だという矛盾。
やや哲学的過ぎますが、嫌みのない文章で引き込まれてしまいました。
人柄が表れます。

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2022年05月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ


仕事を辞めて知り合い宅の物置部屋で暮らすようになった作者の2000日。

心に残ったところがあります。
【人が自分を変えようとすることは、古い自分を殺そうとすること…人はハエや蚊を平気で殺す。見なければ見ないほどに殺せる。…しかし自分を変えたいというとき、自分を見つめながら殺そうとしており、当然殺すことは難しくなる。本当に人が変わるとき、ざぶとんの下にいた虫を知らぬうちに尻で踏んでいたかのように変化するのではないか。変わりたいという感情は、自分はこのような人間であるという自己規定の残りカスみたいなものではないか】

変わりたいと思ってもがいていた時はなかなか変われなかったのに、変わりたいという気持ちより、自分はこういう人間なんだと自分を見つめて認めることを大切にするようになったら、いつの間にか少し変わっていた…という経験があるので、まさにその通りと思いました。


最近、死んで無になるという事がどのようなことかが分からなくて長い間考えているのですが、この本を読んだら何だか少し分かった気がしました。
くすくすと笑える所も多く、面白い本でした。

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2024年12月15日

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社会と繋がらなくなると、人はどんどん観念的になることがわかる。大学院生のときのようだ。無駄なことで悩む。ヒマもありすぎると毒だ。
労働を賛美するつもりはないが、適度な社会とのつながりも大切だと思う。

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2024年05月12日

Posted by ブクログ

途中までは、社会から離れていき、内省や自己観察を深めていく過程がとても面白かった。

後半は自己を離れて自己(あるいは社会的動物としての人間)を観察するという、仏教世界(よく知りませんが解脱という言葉を思い浮かべた)に通じるようなものを感じさせるが、自分に照らすと内容がちょっと遠すぎる感じがした。

全てを通り越して再び社会に繋がりを持つというところが難しいはずだが、 2000連休が終わる過程の説明が薄くて残念だった。

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2023年07月08日

Posted by ブクログ

2,000連休…6年近くって凄いなぁ。
とは言え本著、「連休」と称するのは「フルタイムの仕事がない状態」に過ぎず、大喜利の投稿で月数万円を稼ぐ仕事は続けていて、マーケティング要素の存在を感じました(笑

タイトルからは、「2,000連休ゲットした僕が、前からやろうと思ってたコトにどんどんチャレンジ!」という本かなと思っていたのですが、読んでみるとそういう陽キャ感は一切なし。
強いて言うなら「鏡に向かって『おまえは誰だ?』と言い続ける」実験や、射精という行為を分析する行いは、好奇心に基づくものだと思いますが、明るいトーンではないなぁ。
ゆるーい日常レポートから始まり、徐々に思索の海に沈んでいく展開は、世の中と上手くマッチングできなかった著者が、思索の中でマイナスをゼロに戻す営みだったのかもしれません。

興味深かったのは、著者がネット+読書を禁止したことで「頭の中が静かになる」「いかに日々、食べた言葉を消化することに頭を使っていたかを実感」という感想を述べていたこと。
断食道場の"情報バージョン"だと思いますが、こういうデトックスも必要なのかもしれません。ハードル高いですが。。
あと、「強い感情の出てくる記憶を思い出せる限り書き出していく」という作業、だいたい自分の黒歴史に向き合うコトになる訳で、スーパーしんどいはず。でも、それをやって「朝目覚めると、頭の中が澄み渡るように静かだった」というのは、ひょっとしてこのメゾットは一般化して世の役に立てるコトができるのでは?と思いました。
(一定程度過去のトラウマに悩んでいる人がいるのなら、向き合い方は教えるべきなのかも。なんなら学校教育で。)

2,000連休、有給でもらえないかなぁ(笑

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2022年11月03日

Posted by ブクログ

もともと著者のブロガー時代の読者だったので購入。

人となりをある程度知っているため、特に考え方に対する驚きや新しい知見は得られなかったが、まさか自慰のことまで言及してくるとは。

だからと言って特に人に薦めたいとは思わない。

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2022年10月16日

Posted by ブクログ

QuizKnockの河村さんがTwitterで紹介していたので読んでみた。普段考えないことを追究していて面白かった。

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2022年07月03日

Posted by ブクログ

再読。
自分の記憶は呼び起こさせれなかった。
ただ、無為に過ごすことの魅力と恐怖が相半ばというところ。
このように過ごせる勇気はないかな。

著者の個人的体験を綴ったものなのだけど、読んでいるうちに自分の昔の記憶が呼び戻されることが、起きて不思議な感覚。
時間おいて再読しようと思う。

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2022年06月12日

Posted by ブクログ

少しでもお金稼いでいるわけだから、厳密に言えば連休ではないかなーとは思ったけど。
あまりにもお休みだけが続くと、思考がものすごく深くなったり、変な方向へいったりしながら、こうして頭がクリアになっていくのかも。
著者が京大出身だからっていうのもあるけれど・・・ところどころ変人っぽさが際立ってた。笑
字に触れる生活をしないと頭の中が静かになっていくとか、いろんなことを禁止してみると離人的な感覚になるとか、人間の体って不思議。

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2022年05月16日

Posted by ブクログ

感想を書くのが難しい!
多分2000連休与えられても、このようになる人はそんなにいないのではないかな。
杉松と毛玉の事が書かれているとき、ホッとします。
現在が気になります。

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2022年05月10日

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