カタリン・カリコのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
2023年、ノーベル生理学・医学賞を受賞。しかし、その話はひとことも出てこない。それもそのはず、本書執筆時にはまだノーベル賞を手にしていないからだ。
1955年、ハンガリーの田舎町の肉屋に生まれる。中学で生物学に魅了され、ゼゲド大学生物学科に進学。見るもの聞くものすべてが新鮮、科学の世界は彼女のまえに開かれていた。しかし、研究の道に邁進するも、30歳の誕生日に生物学研究所を解雇。ここまでが前半。
後半の舞台はアメリカ。研究者として歩み続けるために、夫と娘を連れ、ポスドク研究員としてアメリカに渡る。ペンシルベニア大学には24年在職、しかしPIにはなれなかった。無数に申請書を書き続けたが、研究助成金もほとんど獲得できなかった。満を持して投稿したmRNAについての画期的論文は、Nature誌からリジェクト。Immunology誌に掲載されることになり、爆発的な反響を期待したが、電話はどこからもかかってこなかった。しかし、めげない。その生き方はどこまでもポジティブ、研究の進め方も正道をゆく。そうこうするうちに、mRNAの技術を用いる時が向こうからやってきた。それは途方もない大きさの波として押し寄せてきた。
座右の銘は、ハンガリー出身のハンス・セリエのことば。カタリンと同じく、セリエも北米に渡って研究を続けた。彼が教えるのはストレスを陽転させる秘訣。本書にはそれが何度も登場する。
5歳年下の陽気な夫ベーラとひとり娘のスーザン(北京五輪のボート競技金メダリスト)、このふたりが彼女の生き方に彩りを添えている。 -
Posted by ブクログ
どの本でもそうかもしれなけれど、特に自伝は学ぶことが多く、著者の人生をたった数時間で振り返ることができ、その人の経験値を読書という形で自分の財産にすることができる。
今回の自伝ももれなく学ぶことが多すぎて、本の要所に付箋が散りばめられた。
自分も生命科学の基礎研究をしていたけれど、カタリンほどの信念や行動力がなければブレイクスルーを起こすのは至難であるだろうなとあらためて実感した。
パンデミック禍でワクチンにより救われた命は、ワクチン開発に至るまでに様々な発見をしてきた名もなき研究者たちに思いを馳せることはないかもしれないが、我々は彼らのおかげで様々な恩恵を享受できていることを忘れてはいけないと感じた。 -
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに
第1章デジタル独裁主義の悪夢を阻むにはユヴァル・ノア・ハラリ
第2章mRNAワクチンが切り開く可能性カタリン・カリコ
第3章生命とはなにか?ワイルスとは何か?ポール・ナイス
第4章コロナ後の働き方はハイブリットワークリンダ・グラットン
第5章未来の都市は債3の場所を求めるリチャード・フロリダ
第6章GAFAの勝者アマゾンは医療を目指すスコット・ギャロウェイ
第7章コロナ後のGゼロの世界イアン・ブレマー
おありに
2020/7発行の”コロナ後の世界”の続編のインタビュー本。
2022/3発行。
リンダ・グラットン
P125 ~その人の人生が幸せであるか否かを左右する
最も大きな要素とは、(お金ではなく)温かい人間関係
だったのです。
リチャード・フロリダ
P134 ~都市は人と人がつながるための場所として機能
している~
P140 ~日本の工場は肉体労働だけでなく、一人ひとり
の知識や能力をフルに活用すること、~単に働く場所
ではなく、労働者を一人の人間として扱う新しい工場
だった。
P147 ~第3の場所とは、人と人がつながる場所
(以前はバーは教会、いまは再定義されつつある)
イアン・ブレマー
P185 ~中国はオミクロン株に勝てない
(その通りだった)
P197 米中冷戦になれば、~日本は米中の板挟みになり
日本経済は中国への依存度が高いので、身動きが
とれなくなる~日本はアメリカにつくしかない。
歴史的、民族的~日本と中国はお互いに信用できない。
P209 力の空白が生じた地域で紛争が多発する。
P214 日本こそが米中協調を促していく役割を担う
べきではないでしょうか。