あらすじ
いま最も注目される科学者、待望の決定版自伝! 共産圏に生まれた「ふつうの生徒」が科学に魅せられ、世界を救う大発見へ――。数々の逆境にも負けず信念を貫いた、不屈の物語!
「ふつうの生徒」だった研究者が、世界を救う大発見へ――。
新型コロナワクチン開発の立役者が贈る、未来へのメッセージ。
自分が特に優秀だと思ったことはない。
これまで、写真のように正確に記憶し、
苦もなく知識を身につけられる人をたくさんみてきた。
初等学校の同級生にも、何でも一度きいたら
忘れないという人がいた。
わたしはちがった。
そんな経験はしたことがない。
しかし、幼いころから、
とても大切なことを知っていた。
――本文より
●各界のトップランナーから絶賛の声!
山中伸弥氏
2012年ノーベル生理学・医学賞受賞/京都大学iPS細胞研究所名誉所長・教授
「どんな困難や理不尽なことが起こっても屈せず、自身の信念を貫き通してきたカリコ先生を心から尊敬しています」
ジェニファー・ダウドナ氏
2020年ノーベル化学賞受賞/ゲノム編集技術「CRISPR-Cas9」開発者
「逆境を乗りこえる力とゆるぎない信念の力を証明する、心奪われる本」
ボニー・ガルマス氏
『化学の授業をはじめます。』著者/ドラマ『レッスン in ケミストリー』原作者
「けっして諦めることなく、だれにも屈しなかった、すばらしい生化学者の真実の物語」
ビル・ゲイツ氏
マイクロソフト社共同創業者
「科学やイノベーションや不屈の精神が世界を変えるなんて、と疑ったことがある人は全員この本を読むべき」
●原題
BREAKING THROUGH: My Life in Science(2023年刊)
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Posted by ブクログ
2023年、ノーベル生理学・医学賞を受賞。しかし、その話はひとことも出てこない。それもそのはず、本書執筆時にはまだノーベル賞を手にしていないからだ。
1955年、ハンガリーの田舎町の肉屋に生まれる。中学で生物学に魅了され、ゼゲド大学生物学科に進学。見るもの聞くものすべてが新鮮、科学の世界は彼女のまえに開かれていた。しかし、研究の道に邁進するも、30歳の誕生日に生物学研究所を解雇。ここまでが前半。
後半の舞台はアメリカ。研究者として歩み続けるために、夫と娘を連れ、ポスドク研究員としてアメリカに渡る。ペンシルベニア大学には24年在職、しかしPIにはなれなかった。無数に申請書を書き続けたが、研究助成金もほとんど獲得できなかった。満を持して投稿したmRNAについての画期的論文は、Nature誌からリジェクト。Immunology誌に掲載されることになり、爆発的な反響を期待したが、電話はどこからもかかってこなかった。しかし、めげない。その生き方はどこまでもポジティブ、研究の進め方も正道をゆく。そうこうするうちに、mRNAの技術を用いる時が向こうからやってきた。それは途方もない大きさの波として押し寄せてきた。
座右の銘は、ハンガリー出身のハンス・セリエのことば。カタリンと同じく、セリエも北米に渡って研究を続けた。彼が教えるのはストレスを陽転させる秘訣。本書にはそれが何度も登場する。
5歳年下の陽気な夫ベーラとひとり娘のスーザン(北京五輪のボート競技金メダリスト)、このふたりが彼女の生き方に彩りを添えている。
Posted by ブクログ
どの本でもそうかもしれなけれど、特に自伝は学ぶことが多く、著者の人生をたった数時間で振り返ることができ、その人の経験値を読書という形で自分の財産にすることができる。
今回の自伝ももれなく学ぶことが多すぎて、本の要所に付箋が散りばめられた。
自分も生命科学の基礎研究をしていたけれど、カタリンほどの信念や行動力がなければブレイクスルーを起こすのは至難であるだろうなとあらためて実感した。
パンデミック禍でワクチンにより救われた命は、ワクチン開発に至るまでに様々な発見をしてきた名もなき研究者たちに思いを馳せることはないかもしれないが、我々は彼らのおかげで様々な恩恵を享受できていることを忘れてはいけないと感じた。
Posted by ブクログ
まだ、1/4ほどしか読み終わっていないのですが、それでもすでに素晴らしい本だと思います。残り3/4を楽しみたいと思います。
ほぼ、1/3ほど読みましたが、ほんとに面白いですね。いくつも名言が出てくるので、ノートに書き留めたい。
読み終わりました。カリコ先生のメッセージには重みがあり、すべての人に読んでもらいたいと思いました。