よこのななのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
これは本当に不思議で…最後、「えっ? これで終わりなの!?」と口に出してしまった。
オオカミとブタという登場人物だと、オオカミが悪者だという先入観があり、「3.5km先に橋があるけど今は渡れない」と言って家に招いたオオカミ夫婦が何か企んでいるのではないかと読んでいる間中疑っていた。
しかし彼らはブタを襲ったりだましたりはしない。コーヒーとシナモンロールのようなお菓子でもてなし、家には絵が飾られ譜面台や金管楽器もあって豊かに暮らしている雰囲気。
それでも不穏な空気を感じてしまうのはこれがオオカミだからなのか(外には薪割りの斧もあるし…)。
いやいやオオカミだからといって悪いやつとは限らないぞ、薪は暖炉のために必要なだけじゃないか。と、自分がいかに偏った考え方にとらわれているかに気づかされる。
しかし謎めいた作品だ。誰か解説してくれないかしら。。
【追記】
その後、夫とこの本について話した。最後にワシが「はしなんて、ないよ」と言うのだけど、それ読んで、「なんだ、はしなんてなかったんだ!」って思っちゃうけど、ワシが適当なことを言ってるだけかもしれない、と夫。なるほど!
ワシの発言で、「そうかオオカミは嘘をついていたんだな」なんて思ってしまうけど、橋がないとは限らない。あるかもしれない。オオカミが正しいかもしれない。
で、それはブタ、オオカミ、ワシ、という登場人物へのわたしたちの思い込みによる勝手な解釈かもしれず、もしこれらのキャラが入れ替わっていたら(例えばオオカミがブタの家に招かれるとか)わたしたちの読み方は変わるのかもしれない。そんなことをあれこれ考えさせられる面白い絵本! -
Posted by ブクログ
ネタバレ宇宙船でついた場所で暮らす僕らのお話。
不思議でよくわからない。でも、イラストと文章から難民の子どもなのかなと感じた。宇宙船は飛行機?
たき火は……たき火も出来ないような安全な都会に来たということなのかな。他にも都会的なシーンがチラホラある。
母親が隠れるのは不安を抱えているから。父親が来ていないのは、すでに死んでしまっているのか。お金の問題だったのか。
子どもだけの視点で描かれているから不思議だけど、言葉の端々からは不穏な空気が漂っている。
子どもはそのまま『不思議な話』として読めそうだし、大人は世界情勢と絡めると『そういうことなのかな』と思いながら読む絵本……かな。
ごちそうさまでした。 -
Posted by ブクログ
とても良かった。
他の海外児童文学でも、サメの優しさがキーになっているお話があった。そちらの作品も、怖いイメージのあるサメの意外な姿のギャップが、主人公が重なるような話だったと記憶している。
色々な視点で語れる本だと思うけど、シンプルに物語にスッと入って、イェニーの気持ちで展開を楽しめる。そしてイェニーのことが好きになる。
イェニーは大きな声で話すのは苦手だけど、周りのことをよく見ていて、よく考えて、そして行動を起こせる勇気ある子どもだと、先生も親も分かってくれている、けど「大きな声で話そう」とか「友だちと一緒に遊ぼう」とか、大人は言っちゃうよなぁ。それができた方が、社会では生活しやすいから。本人のためにと思って。
イェニーみたいな子、ということではなく、すべての子どもに「私はこうしたいけど、なぜ大人はそうさせるのか?」と思うタイミングはあるかも(自分もあったかも?)。そういう時、自分は何を言ってあげられるんだろうなあ -
Posted by ブクログ
こういう子いるよ。悪いことじゃないよ。私も読書好き。群れなかったからか周りや親戚からは「変わってる」て言われてたらしい。母が後々教えてくれた。母は私の本好き肯定派でむしろほめてくれてたなあ。授業中、手を挙げて答える、発言するのが苦手な子もいるって。うちの次女なんかそんなかんじ。でもたまに、ぼそっと言ったことを拾ってくれる先生がいて、ありがたかったなあ。イェニーも本をよく読んでいるから、いろんなこと知ってるし覚えてる。周りのこともよく見てる。それってすごいことだし、だいじなことだなあ。大きい声で言えなくても大丈夫。自分らしくして大丈夫だよ。
-
Posted by ブクログ
「わたしは九歳でゴリラに引き取られました。自分で頼んだわけじゃないけど、そうなったのです。九月のある日のことでした。」で始まる2005年にスエーデンで出版2021年に翻訳本として出版された物語。
表紙はオレンジの地に、花柄のシャツを着たらゴリラと三つ編みの金髪の小さな女の子の絵で、とても可愛らしい。
孤児院では皆んなで掃除をしている。養子する人をひとり見つけにお客様が来ることになっているからだ。そんな中わたし.ヨンナは、ヤード(孤児院であるヨモギギク園の園長)先生に手を洗わない事を叱られていた。私は手を洗うって事を覚えられないのだ。
養子を貰いにやってきたのはゴリラのゴリランで、選ばれたのはヨナンだった。ヨナンはボロいボルボ(車の後ろのシートはゴミだらけでした)に乗ってゴリランの住居兼仕事場の古い工場地帯やってくる。アーロン(孤児院の仲間)にゴリラは食べるために養子を貰うのかもと吹き込まれたヨナンは、最初はビクビクしていたが、ゴリランの優しさを知り、ゴリランの商売(ゴリランの裏庭に捨てられたゴミを売る)を手伝いながら楽しく暮らし始める。
しかし、そこにゴリランの土地にプールを作りたいトードがやってきて、2人の生活を壊そうとする。
よく読むとあちらこちらに、伏線がはられていた事が分かる。全部読んでからそう言えばと前を見直してみるのが楽しい。ゴリランもヨナンも優等生ではない。どちらかと言うと変なのだけど、人としてまっすぐで愛おしくなる。
危機もあるし冒険も謎解きもあるけど、全体としてはなんだかのほほんとした可愛らしい話で、読後も気持ち良い。 -
Posted by ブクログ
翻訳家、さくまゆみこさんの書評で紹介されていたので読んでみました。
訳者あとがきによると、作者は「おとなしいこどもがポジティブに描かれている本がもっと必要だと思っていた」そうです。
こういうのは世界共通なんですね。
「ひとりになりたくなくてつまらないことをするよりも、自分がしたいことをひとりでするほうがずっといいって、私は思うんだけど。」
今の私はまさにそれですが、親としては子どもには友だちと過ごしてほしいと思っていたこと、少し反省。
そして、小学生時代にしっかり自分の世界を持っていた娘は、今ではすっかり他人の目を意識したり、他人に合わせようとする人間になってしまったように見えるのはなぜだろう…私が反面教師!?
途中飽きかけたけど、後半のおじいちゃんを立ち直らせるところからはよかったです。
-
Posted by ブクログ
スウェーデンの人気児童文学作家による作品。(日本初翻訳らしく他書はまだないよう)
孤児院にいた女の子ヨンナが主人公。孤児院では掃除ばかりさせられていて、ヨンナはいつも気をつけようと思うのに手を洗うのを忘れてしまって怒られ、ビクビクして生活していた。孤児院の院長は、大人や役所にばかりいい顔をするタイプ。こんなところからは抜け出したいと思っていたが、ある日、ゴリラン(本物のゴリラ)がやってきて、引き取られてしまう。
ゴリランは廃工場に住み、そこで廃棄物を売って暮らしている。
初めは逃げたいと思ったが、ゴリランとの生活は孤児院とは全く違い、清潔さや決まりには無頓着でヨンナの気持ちや意見を大事にしてくれる。次第に2人での暮らしがしっくりしてきた頃、民生委員⁉︎が偉そうにやってきてゴリランがヨンナを養育するに相応しくないと、無理矢理元の孤児院へ連れ戻されてしまう。ゴリランが立ち去った後に残された「さよなら」の張り紙をもらったヨンナは、その一枚の紙切れから、ヨンナだからこそわかるゴリランの秘密を推理し、行方を捜そうとする。
子どもが育つために本当に必要な物は何か?きちんとした人間よりも、人間らしい優しさを持ったゴリランに学ぶ事は多い。
子どもの読者もユニークな生活を楽しみながら、ゴリランの少し不器用な愛情に大切な物を見つけ、心に刻めると嬉しい。
4年生くらいから。