あらすじ
小2のイェニーは,読書が大好きで大声を出すのがきらい.教室でもサメのように,静かにひとりですごしたいのに,先生もみんなもわかってくれません.ある日,水族館〈海の世界〉に迷い込んだイェニーはサメと出会い,悩みを相談しますが…….子どもの想像力や感性をユニークに描いた,ニルス・ホルゲション賞受賞作.
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Posted by ブクログ
とても良かった。
他の海外児童文学でも、サメの優しさがキーになっているお話があった。そちらの作品も、怖いイメージのあるサメの意外な姿のギャップが、主人公が重なるような話だったと記憶している。
色々な視点で語れる本だと思うけど、シンプルに物語にスッと入って、イェニーの気持ちで展開を楽しめる。そしてイェニーのことが好きになる。
イェニーは大きな声で話すのは苦手だけど、周りのことをよく見ていて、よく考えて、そして行動を起こせる勇気ある子どもだと、先生も親も分かってくれている、けど「大きな声で話そう」とか「友だちと一緒に遊ぼう」とか、大人は言っちゃうよなぁ。それができた方が、社会では生活しやすいから。本人のためにと思って。
イェニーみたいな子、ということではなく、すべての子どもに「私はこうしたいけど、なぜ大人はそうさせるのか?」と思うタイミングはあるかも(自分もあったかも?)。そういう時、自分は何を言ってあげられるんだろうなあ
Posted by ブクログ
一部の子たちにはドンピシャで刺さる内容。「成長」しなくても大丈夫、と背中を押してくれる。
それにしても、まだ先生たちは声が大きくて友だちが多い子どもが「良い」と思ってるんだろうか。いろんな人がいてこそ世界は面白いのだと、大人なら知ってるはずなのに。
Posted by ブクログ
こういう子いるよ。悪いことじゃないよ。私も読書好き。群れなかったからか周りや親戚からは「変わってる」て言われてたらしい。母が後々教えてくれた。母は私の本好き肯定派でむしろほめてくれてたなあ。授業中、手を挙げて答える、発言するのが苦手な子もいるって。うちの次女なんかそんなかんじ。でもたまに、ぼそっと言ったことを拾ってくれる先生がいて、ありがたかったなあ。イェニーも本をよく読んでいるから、いろんなこと知ってるし覚えてる。周りのこともよく見てる。それってすごいことだし、だいじなことだなあ。大きい声で言えなくても大丈夫。自分らしくして大丈夫だよ。
Posted by ブクログ
翻訳家、さくまゆみこさんの書評で紹介されていたので読んでみました。
訳者あとがきによると、作者は「おとなしいこどもがポジティブに描かれている本がもっと必要だと思っていた」そうです。
こういうのは世界共通なんですね。
「ひとりになりたくなくてつまらないことをするよりも、自分がしたいことをひとりでするほうがずっといいって、私は思うんだけど。」
今の私はまさにそれですが、親としては子どもには友だちと過ごしてほしいと思っていたこと、少し反省。
そして、小学生時代にしっかり自分の世界を持っていた娘は、今ではすっかり他人の目を意識したり、他人に合わせようとする人間になってしまったように見えるのはなぜだろう…私が反面教師!?
途中飽きかけたけど、後半のおじいちゃんを立ち直らせるところからはよかったです。