谷頭和希のレビュー一覧
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今や一大チェーンストアへと成長したドンキ
ホーテ。通称ドンキですね。
2021年12月時点で国内店舗数594、海外92
店だそうです。
ドンキといえばごちゃごちゃしたジャングル
に例えられる雑多な商品陳列がよく知られて
います。
全ての店がこのような陳列であり、本来個性
的とされたこの点が、どの店でも没個性とし
て再現されているかといえば、答えはイエス
でもあり、ノーでもあるのです。
実はドンキは店舗毎の「多様性」「個性」が
溢れているのです。
そしてそれは外装のあのペンギンにも表れて
います。
出店の際は地域住民の反対運動などにも発展
した過去あるがゆえに、実はかなりの地域性
地 -
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【この本のテーマ】
北海道・ニセコは、高級リゾートとしてインバウンド需要を取り込むことで、かつての地方の一般的なスキーリゾートから大きな変貌を遂げた。本書は、その変貌の背景にある構造や価値観を「ニセコ化」として抽出し、全国各地に広がる同様の現象を読み解く。そして、その過程を通じて、現代の日本社会において私たちがいかに生き方や地域のあり方を再設計できるのか、そのヒントを提示する。
【概要】
著者が提示する「ニセコ化」の本質とは、ターゲットの「選択」とサービスの「集中」によって、空間や場が特定の顧客層向けに再構成され、まるで“テーマパーク”のようになることである。ニセコにおいては、そのターゲット -
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ネタバレインバウンドで賑わう、北海道ニセコ町の現象を「ニセコ化」=「選択と集中によるテーマパーク化」捉えて、地域振興だけでなく、マーケティング戦略や身近な哲学心理まで当てはめた本。一貫して「選択と集中によるテーマパーク化」という軸で様々な事象がお取り上げており、納得感もあったし、読みながら楽しめた本。
そもそもテーマパークとは理念を軸に空間作りを進める一方で、ニセコ化においては、ターゲット層のニーズをとらえた強みを軸に空間作りを進めるマーケティング的な観点が存在し、既に日本のテーマパークすらニセコ化が住んでいるとも捉えられる、という観点は特に面白く感じた。一方、ニセコ化のネガティブな側面として「静 -
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ドンキホーテについて、民俗学的な視点で研究した本。
ドンペンとは、そのサンタ帽と短い手を広げた姿によって「内と外」や「生と死」という異なる世界を融和させる力をそこに秘めているのではないか、という投げかけはクスッときたが、
かつて嫌われるイメージがあったために地方都市・地域住民に馴染むように、かつ居抜き戦略で中にお金をかけない分、外側ででドンキらしさを伝えられるように、ドンペンを外に出しているという視点はなるほどと思った。
居抜き戦略は地元の歴史の継続にも貢献しており、景観や内装の保存に役立っている。
ドンキは地域と対立してるように見えて、実はそれと融和してる働きをしてきたというまとめは、画 -
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・ニセコ化とは、「選択と集中によるテーマパーク化」
・ニセコ化は日本中に広がっている
・ニセコ化に成功するとそこは賑わう場所になる
・ニセコ化は選ばれなかった人たちを静かに排除する
ということを、ニセコ、千客万来、ディズニーリゾート、渋谷、新大久保、スタバ、びっくりドンキー、ヴィレバンなどの例を挙げて述べる。
ニセコ化は狙ってやれば必ずうまくいくもんじゃない。時代の変化で失敗するケースもある。
公共性と企業経営方針は相反する場合がほとんどだろうから排除はやむなしでは、が私見。マーケティングの結果だからこの問題は昔からあったんじゃないだろうか。今の方が露骨になったとか情報化社会だから拡散さ -
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選択と集中、そして排除を受け入れていけるか。
本書は外国人富裕層が多く訪れるニセコを皮切りに、日本のニセコ化についてまとめている。ニセコ化とは、その特徴を活かしつつ選択と集中をしていくことであり、これが上手くいくことで魅力を高めることができるというのが分かってくる。
一方、時代の変化などで選択したことが合わなくなったり、静かに排除されてしまうことの問題点も指摘しており、実例に頷きながら読んでいた。
このような排除される人がいることに対し、著書が述べる排除された人が受け入れらる場所を沢山生み出すというのは、前向きかつ良い方向性と個人的に感じた。 -
Posted by ブクログ
タイトル詐欺やん!
もっとニセコの現状をつぶさに語ってほしかったよ!現地の観光客、観光産業従事者、行政、観光に関わっていない現地民の話を調査して、総括してほしかった。
しかも、「選択と集中」ってゆうてるくせに、内容が全然違うやん!!
あちこちのネットニュースで記事にしたような内容で、ウケたやつだけまとめて本にした感じするやん!
読みながら、ツッコミどころ多いなーと思ってたら、巻末でちゃんと断ってあった。なんやねん。
でも内容的には面白いところもたくさんあって、概ね楽しく読めた。書き振りがキャッチーすぎて、もう少しお堅い文章で構成もしっかりしてたら論文になってたと思う。
タイトルに副題つけ -
Posted by ブクログ
チェーンストアは既存の都市を均一化するのか。
実はそうでもないんじゃないのということをチェーンストアの「異端児」ドンキを分析しながら掘り下げていく。
一般化というか、全体の傾向として設定された問いを、異端児と認める形態から分析していくという宣言がもう、どうかと思う。
結果的に、均一化という大きな主題を枕に、ドンキの分析をしているような本。
経営学者でも都市や文化の専門家でもなさそうな著者が、いろんな先人の研究の上澄みを啄んで「お気持ち」を表明しているような印象を受けた。
大体、ドンペンがなぜドンキにいるのかの分析で、構造化論とか、文明論とか、いろんなことぶち上げる必要があったのか。
ド