岩田文昭のレビュー一覧

  • 浄土思想 釈尊から法然、現代へ

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     周囲のお薦めで読んでみたけれど、これが専門外の方が書いたのかと思うくらいまとまっていて深みのある内容だった。
     初期仏教からの流れで七高僧、そして法然上人、そのお弟子たち、そして親鸞聖人、果ては近代真宗についても触れられる壮大かつ丁寧な内容であった。
     親鸞聖人の部分については、これはいろんな見方が出るところかなと思うが、それは自分が真宗中心だからそう感じるのかなとも思う。
     物語でしか分からないわたしたちという大きなテーマがある。そうだなと感じる。ただ、物語のその向こうを感じていくことをしたいのだよ!!ということもある。物語でこれでいいではない。そういうことも思わされた。
     これが大正解!

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    2023年09月12日
  • 嘉村礒多集

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    私小説の極北、草ぶかき近代文学を分け入った先にある、苔地蔵とでも言おうか。

    無の境地に立脚していると、伊藤整が日本の私小説を指摘している通り、著者も真宗の影響を多分に受けているという。

    因果を受け入れ、道徳を斥ける。その姿勢は悪人正機を連想させるが、業苦とは、他人にとっては独りよがりの大相撲にしか見えないが、根がピュアな分読ませるものがある。


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    2025年08月07日
  • 浄土思想 釈尊から法然、現代へ

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    一般的な浄土教や浄土思想の概説書というよりは、あとがきで筆者の記述があるとおり、ポール・リクールを代表とする「物語論」に立脚して、浄土教や浄土思想の変遷をまとめている点が本書の特徴だと思う。

    ただ、概説書としての役目も果たせている内容かと思う。「物語論」や浄土思想の詳細について知識がないまま読み始めても、十分な脚注があるためストレスなく最後まで読みきることができた。

    第六章の近角常観に関する記述については、筆者が近年力を入れている研究テーマとのことだが、浄土教そのものについては、筆者の専門ではないようだ。

    本筋とはあまり関係ないメモ:

    霊的体験を主張の根幹とする姿勢ついては、個人的にあ

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    2024年11月19日
  • 浄土思想 釈尊から法然、現代へ

    匿名

    購入済み

    浄土の教え

    全く門外の私が意を決して読みました。当たり前のように接してきた浄土教をあらためて勉強させていただきました。

    #タメになる

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    2023年11月04日
  • 嘉村礒多集

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    自己憐憫は醜怪だがここまで突き抜けたら別な景色。つぶさに人間のこころ、その光と影を見つめ続けるのはつらい。それでも安易な叙情に流れぬ礒多の生き様には居住まいただされる。人間だ。捻くれ者だった祖父の若い頃の写真に似ているから読み始めたジャケ買いだった。今はもう完全に失われた同人を何遍も思い出した。

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    2024年08月19日
  • 嘉村礒多集

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    ネタバレ

    嘉村磯多集

    編者:岩田文昭
    発行:2024年3月15日
    岩波文庫

    嘉村磯多(1897-1933、明治30-昭和8)の短篇小説8編、随筆6編、書簡6通が、編者・岩田文昭氏により甦った。嘉村磯多の名は、岩田氏が10年前に上梓した「近代仏教と青年~近角常観とその時代」(岩波書店)で知っていたが、嘉村作品を読むのは初めて。編者の解説によると、嘉村文学は「私小説の極北」と言われているらしい。嘉村のプロフィールが書かれており、それを知った上で読むと小説もすっかり理解でき、かつとても楽しめる。

    初読というか、楽譜でいう初見では、少し読みづらいところもあるが、1.5回程度読み(1回読んで主要なところを読

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    2024年06月18日
  • 浄土思想 釈尊から法然、現代へ

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    浄土教ないし浄土思想についての概説的入門書です。

    法蔵菩薩のエピソードや浄土三部経についての簡単な説明のあと、中国仏教における浄土思想のなかで、善導に焦点をあてて解説がなされています。つづいて、日本での浄土教の展開に移り、源信、法然、親鸞のほか、法然の弟子のひとりである證空についてある程度ページを割いて解説がなされています。

    著者は、浄土思想にかんするさまざまな物語がもつ力に注目することで、過去から現在にまでおよぶ浄土思想の意義を把握することをめざしています。そうした著者の姿勢は、浄土教の非神話化を推し進め、近代以降に哲学者たちによってその思想の意義がさまざまに論じられた親鸞をあつかうさい

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    2024年02月01日
  • 浄土思想 釈尊から法然、現代へ

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    浄土思想とは、念仏である「南無阿弥陀仏」は誰でも、いつでも唱えれる言葉で「阿弥陀仏」と一体になっている事で悟りを得て仏になれると言う、こと。現代版「歎異抄」が分かり易い。現代の宗教思想とは、多くが宗教的拠り所というよりむしろ精神的な面へとシフトしている、という。本書は素人にはかなり難しく理解し難いが、人の心・悩みがもっと現実的な心理療法等へ願いを求め始めており、更に今後生成AIでの説教など精神安定法話等にも進展するかもしれない。

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    2023年12月17日