國森由美子のレビュー一覧

  • アントワネット

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    男性側から不妊を描いた小説が稀だということだが、アントワネットから見た話も読みたいような気がする。

    完全に日本のおばちゃんの下世話な感想しか浮かんでこないのが困る。
    5年、10年で諦めかけていたのに突然妊娠することだって普通にある。もう少しゆったりと構えることはできなかったのか。すぐにできる人もいるが、なかなかできない人も普通にいる。
    浮気をして、それを告白なんてダメだろう。それだけでもう無理。
     
    ブダペストの温浴施設の描写は優雅でうっとりした。恋の始めは美しかった。

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    2024年02月20日
  • 不快な夕闇

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    10歳の時スケートに出かけた大好きな兄が氷の割れ目に落ちて死んだ。その喪失感がヤスの心に暗い陰を落とし壊れていく家族とともに闇の中で喘いでいるような日々となる。聖書の言葉が恐ろしい枷となり、父母の修復のための生贄や目覚め始めた性への興味、禍禍しい兄の性的虐待や牛の口蹄疫などいろんな問題がごった煮になった風景が物悲しく広がって、最後の冷凍庫の場面に収束する。
    表紙の少女が身を守る赤いジャケットを着てこちらを見る虚な目に恐怖する。

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    2023年06月18日
  • アントワネット

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    ネタバレ

    全くノーチェックだったのだけれど、國森由美子訳だったので気になって読んだ。
    2人の心と体が離れていくのが男性主人公の立場で淡々と語られていき、時にはどこでどうしてこうなってしまったのかと同情も覚えるのだが、女性の立場で読むと男性のその淡々としたしつこさにちょっとウンザリもしてくる。

    これは優しさなのか愛なのか執着なのか。パートナーと生きるとはどういうことなのか。夫婦とは何なのか、子どもを持ちたいと思うことの意味は。

    ここにあって、迫ってくるのは、齟齬。

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    2022年01月11日
  • 不快な夕闇

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    難しい小説でした。
    幼い主人公が長兄を事故で亡くす直前、罰当たりな祈りをして現実になった事で、聖書を規範に接していた世界と少しづつ離れていく様、それが主人公一人だけでなく家族全員静かに徐々に、それぞれの世界との離れ方をするのが興味深かったです。
    父親のあくまで聖書が基礎である事を変えない姿勢や、次兄オブの聖書を全く気にせず破壊的な行動ばかりする様が目立つ中、妹ハンナはおかしくなっていく家族にも目を背けず、かといって受け入れるでもなく柳の様に受け流す感じが面白いなと思いました。そして母親の描写が薄いなと思ったのは気のせいでしょうか。

    万人に勧められる小説では無いし、かなりクセがあり読むのを何度

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    2023年08月01日
  • アントワネット

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    ネタバレ

    アントワネットというタイトルだけで借りた。まったく予備知識無しに。

    サーマルバスというサナトリウムでの男性の回想。
    彼にはアントワネットという妻がいた。
    一瞬にして恋に落ち結婚したものの、2人にはなかなか子供が授からなかった。
    病院で検査をしても2人ともに異常はないのに・・・

    段々と2人の気持ちが離れていく。
    出会いと別れの話。

    オランダの作家さん。

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    2022年03月25日