2時間で丸わかり 物流の基本を学ぶ2014/11/6
著:木村 徹
著者は、物流・貿易研究所所長。通関士。JETRO認定貿易アドバイザー。物流の川上から川下まですべてを経験している物流のエキスパートとして、大手商社、JETRO、JILS、地方公共団体、大学等で、物流や貿易に関する講演や講義を行う他
...続きを読む、日本関税協会で講師を務める等幅広く活躍している。
物流なしでは、経済がまわらないし、私たちの生活も成り立たない。物流は日本経済の根幹を担っていると言っても過言ではない。
物流は利益を生まないコストセンターであると一昔前まで言われていたものの、近年、コスト削減や効率化によって利益を作り出す部門として、あらためて注目されている。
本書はかの6章により、構成されており、物流業務を体系的に短時間で習得するのにうってつけの一冊となっている。
①ロジスティクスは会社の利益に直結する重要な部門
②物流にかかるお金の話
③いまさら聞けない物流の基礎知識
④物流現場では何が行われているのか
⑤先輩から一目置かれる、覚えておきたい知識
⑥これからはロジスティクスとSCMの時代
2時間で丸わかり・・・等の類の本の大部分は2時間では丸わかりではない本が多い。しかし、少なくとも本書はそんな類の本とは違い丸わかりかもと思わせてくれるような納得感のある一冊であった。
2時間でその業界のことを全てわかる等不可能である。しかし、本書のように基本的なワードや考えのみならず、しっかりと最近のトレンドを織り交ぜることによって確実に知識として実務で役立つことが書かれていると実感させられる。
物流といっても奥が深い。物を運ぶだけではなく、商品の他にも安全を運んだり思いを運んだり一言では語れない。そして物を運ぶということだけを行うことを求められておらず、その他の付随することまでも求められる。
それをチャンスとしてとらえ、他社との差異化を図り、生き残っている企業も多く存在する。他業界と同様物流業界の動きについても非常に早い。
早い安いだけが求められる業界でもなくなった。
大企業のような資本をかけた大規模な物流センターで差異化を図ることが難しい中小企業にとっては隙間を狙えばまだまだ生き残る方法は存在する。そして物流業界にはそんな隙間がまだまだ存在するように感じる。
本書で触れた知識についても本当に一部分ではあるものの業界を知るきっかけにはなった。本書を土台に本業界についての知識を深めると共に派生した他の業界もますます学びたくなった。
楽しく読める1冊。