近本大のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
あー、なるほど。この生活感、「生きる」ために助け合う感じ、凄く好きです。
生き残る事、生存を描いたファンタジー。
冒険や英雄譚ではないというのがポイントです。
…地味な印象はあるのですが、そのおかげで知恵を凝らして困難な状況を乗り越えていこうとする行動、登場人物たちの心境が丁寧に描かれています。
個人的にツボなポイントはファンタジー(中世ヨーロッパ)の生活が感じられる点。
食生活が目立って感じられますが、それ以外でも村の街並みや服装、武器や装備、それから夜の暗さの表現が何とも「それっぽい」。
「魔法についての説明がない」所も生活に根差してる感じがして好みです。
また、キャラクターも魅力 -
購入済み
等身大の中世(地方)。
絵も内容も非常に丁寧。
ストーリーもほぼタイトル通りですが御都合主義がなく
むしろ困難から始まった地方領主と僅かな領民の生き残りの物語で、先行きは今の処悲壮でしかない(3巻まで)のですが、不思議と悲惨とかグロテスクだけと感じないのは出る人間が「魔女」を含め「領民」であり、幼い子も「こうなるしかない」でも「どうにかして生き伸びたい」という全員地に足の着いた強い願いを持つ逞しい人々であるからであり、それゆえに読み手は彼らの日常と刹那の喜びと未来の希望を持つゆえの明るさも共感できるのではないかと思います。