倉科顕司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
主にロシアからとされるサイバー攻撃に関する過去10年ほどのトレンドや背景がまとめられた一冊。
ウクライナに対しての攻撃のみでなく、エストニア、ジョージアなどへの攻撃についても言及している。
DOS攻撃からワイパー的な攻撃への変遷など、サイバー攻撃の高度化の流れについても分かりやすい。
アメリカ、イスラエルからイランに対する攻撃である、いわゆるスタックスネットについても制御システムへのサイバー攻撃のパンドラの箱を開けた例として触れている。
産業用制御システムを含めて、インターネットに接続されたものが如何に脆弱であるかを示すストーリーが多い。
電力など、インフラへの攻撃が如何に深刻になるか警告し -
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Posted by ブクログ
2015年ウクライナの送電網をサイバー攻撃によりダウンさせ、また2017年にウクライナを始め世界中の組織に感染を広げ甚大な損害をもたらしたNotPetyaによる攻撃を実行したとされるサンドワーム。
本書は、攻撃手法を解明し、攻撃者を特定するため懸命に働いたリサーチャー等の努力に焦点を当てつつ、攻撃者の実態を明らかにすべく取材した内容を一書にしたものである。
ロシアGRUに属するハッカー部隊と言われる彼らの攻撃の目的は一体何なのか。そうした攻撃に対してどのように防御、対策を講じていくべきなのか。
新しいサイバー戦争の実態を描いた本書は、重い問いを投げ掛けている。
著者は、雑誌WIR