佐々木チワワのレビュー一覧
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数ヶ月ほど前に読んだ『「ぴえん」という病』の著者による歌舞伎町エッセイ。
「ぴえん」という病は歌舞伎町でのフィールドワークをもとにした社会学本であり、それがものすごく面白く、またその本で著者自身が15歳の頃から歌舞伎町に出入りしている元ホス狂と書いてあったのもあって、著者自身に興味を持ち、本書を手に取った。
著者にとって、小学生の頃にはまだまだ遠く謎多き世界であった歌舞伎町。
しかし成長していくにつれ、大学までの一貫校という名のレールに乗りながら、将来を見据えて「今」を生きることができない空気に馴染めなかった彼女は、歌舞伎町を彷徨い始める。
そして18歳になってからホストクラブに通い始め、初 -
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承認要求を金で買える世の中。SNSの中での賞賛を生きがいにする人々。「推し」カルチャーにより消費される人々。
現代社会の闇と言えばそこまでの話だ。しかし、居場所のない若者たちが集まり、新たなコミュニティを発達させる。そしてその中で独自のカルチャーが発展していく様は、どんな時代でも変わらないことのように思える。
作者は自分の実体験とリアルな取材から、コミュニティの実態を生々しく描写してくれる。
明らかに間違った道に進んでいる人に対して、お前は間違っているといくら言っても意味が無い。だってその瞬間だけはその人は幸せなんだからという言葉は響いた。
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Posted by ブクログ
歌舞伎町に居場所を見出す若者たち。
メンヘラ、リスカ、OD、コンカフェ、女性向け風俗、ホストクラブ、ドンペンTシャツ…etc
この本の中で「男性性の消費」が興味深かった。特に女性向け風俗の話。「女性と性的な行為をして金稼げるなんて最高じゃん♫」と思っていたのだけど、そんな単純な話ではないらしい。射精して終わりの男性客とは違い、女性客は精神的な繋がりを求める。中年女性と手を繋いで若者の街を歩いた19歳のセラピスト(男娼)の話が切なくなった。
また、自分を女として見てくれているかを気にするという。勃起してるのかとか、そういう話。確かに、潤滑油塗っておけばとりあえず挿入できる女性とは違い、勃起 -
Posted by ブクログ
ツイッターでおすすめされていたので読んでみた。
ホストの感情労働についての話と、ホス狂いの承認欲求の話が面白かった。
ホストからの承認だけでなく、他の客との競争による承認という視点は、自分の中では抜け落ちてた視点だった。読みながら本当によくできてるシステムだなぁと思った。
好きなホストに特別扱いを受けたいと思いながらも、痛い客にはなりたくなくて周りを伺っちゃうとか、どれだけ自分を犠牲にして頑張ったかに価値をおく考え方とか、読んでいてちょっと苦しくなる。
主観的な好みではなく、良いとされる値で褒められないと納得できないというのも目から鱗だった。
最近読んできた美容やルッキズムなどの本にある価 -