及川琢英のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ及川琢英「関東軍-満州支配への独走と崩壊」(中公新書)
関東軍は満州事変を勝手に引き起こすなど独断的な行動で知られる。なぜそのような組織になったのか、歴史をたどって記述されている。
序章(1904-19):前史
日露戦争の後、ロシアから関東州と南満州鉄道の利権を得た。それを守備するため小規模な駐屯部隊が設置された。これが関東軍の前身となる。第一次大戦中の対華21か条の要求で権益拡大。また満州での日本の行政権について領事館、都督府、満鉄の間で錯綜、整理が求められていた。また満州での治安維持について張作霖などの現地勢力との連携が模索され、陸軍内や大陸浪人の「支那通」が各勢力と個別に接触したり軍事 -
Posted by ブクログ
戦前の日本による中国大陸統治の象徴ともいえる組織機関「関東軍」に関する概説書。関東軍というと「謀略」や軍事組織として見られることが多く解説等もその流れのものが多いが、この本は中国(満洲)や日本の政局とも絡められており、単純に軍事組織のものを期待して読むと困惑すると思う。
著者は満洲国軍について研究をしている。満洲の歴史とくに張作霖等の有力者が群雄割拠していた事に関する分野に詳しいため、その方面については詳しく書かれている。対して支那事変以降の関東軍については割かれている分量も少ない。もう少し満ソ国境紛争について書かれていたと思った点がちょっと残念。
とはいえ、関東軍創設期について知りたい -
Posted by ブクログ
”独走” の代名詞として悪名高い関東軍の成立から崩壊までを通史として叙述。
本書で著者は、次の3点を意識して論じたという(まえがき)。
第1:関東軍を取り巻く制度的環境~戦場では予測不可能なことが起こり得るため、指揮官には上官の意図を忖度しつつ臨機応変に対処することが求められていたことから、日本陸軍では独断専行が奨励されており、関東軍もそうであった。しかしながら国家機関として、法令や予算による制約があった。そうした中で政府や陸軍中央の思惑を超えて謀略を続け、独走へと至る構造的背景は、いかに形成されたのか。
第2:軍司令官や参謀長、参謀など関東軍軍人の個人的特性~官僚組織である以上人事 -
Posted by ブクログ
どうして日本がアメリカと戦争することになったかというと、日本が満州事変以降の中国侵攻を行ったことが相当のところ影響している。では、どうして満州事変が起きたかというと、大恐慌以降の世界と日本のマクロ情勢があるわけだが、ミクロ的には関東軍が政府や陸軍の意思を放れて、独走したからというのが大きい。
というわけで、関東軍がどうしてそういう体質になったのか、具体的にどういう意思決定のプロセスがあったのかが知りたくなる。
いろいろな本でこのあたりのことは触れてあるのだけど、関東軍だけにフォーカスした本を読むのは初めてになる。ある程度の大きなところは知っているつもりだったが、読んでみると知らないこと、知