「性差の日本史」展示プロジェクトのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2020年に開催された歴博の企画展の内容をコンパクトにまとめた本。日本におけるジェンダー観、性別分業の様々なあり方を、古代から現代までを俯瞰するかたちでなぞっていく。様々な興味深い事例が、様々な図版と一緒に紹介されており、時勢の影響もあって、行きたくとも行けなかった人も博物館をまわっているような気分になれると思う。また巻末の参考文献一覧は、歴史研究とジェンダー論の組み合わせが様々な、豊穣な成果を生んでいることを分からせてくれるし、ジェンダー論という身近に感じられる問題についてさらに考察を深めたい人にとってもよいとっかかりとなるのではないだろうか。
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Posted by ブクログ
歴史の中で女性の地位や働きがどう変遷してきたかを、具体的なエビデンスを元に説明してくれる。エピローグには村木厚子さんの「ジェンダーを超えて」のインタビュー内容が、YouTubeに配信されているのをQRコードで見ることができる。
2021年世界経済フォーラムで報告された、日本のジェンダーギャップ指数は世界120位だったそうだ。
古代「魏志倭人伝」には「長幼や男女の区別はない」とあるそうだ。古墳時代前期の古墳には女性が葬られているところも多く、女性首長が多く存在していたことが分かる。しかし律令体制が本格化した頃から役割が固定化され、平安時代の朝廷は男性中心の社会となる。そして中世には男性中心の家 -
Posted by ブクログ
〈目次〉
第1章 古代社会の男女
第2章 中世の政治と男女
第3章 中世の家と宗教
第4章 仕事とくらしとジェンダー~中世から近世へ
第5章 分離と排除へ~近世・近代の政治空間とジェンダーの変容
第6章 性の売買と社会
第7章 仕事とくらしのジェンダー~近代から現代へ
〈内容〉
昨年、国立歴史民俗博物館でおこなわれた、「性差の日本史」のガイドを簡単にまとめたもの。こうした展覧会は欧米では当たり前だが、日本では初めてだったらしい。古代の埴輪から中性の遊女、御家人の未亡人が惣領になる話、江戸時代から女性の地位が下がること、遊郭の話、明治期の女工、戦後の女性などを簡単にまとめられて