乾敏郎のレビュー一覧

  • 脳の大統一理論 自由エネルギー原理とはなにか

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    推論を始める時、脳はまず外環境について何らかの想定を置き、その想定が正しければこんな感覚信号が得られるのではないかという予測信号を生成する。次に、この予測信号と実際に受け取っている感覚信号を比較すると、その誤差が小さくなるように元々の想定を更新する。そして、新しい想定のもとで再び予測信号を生成して感覚信号と比較する…という計算を繰り返して、最終的に予測誤差がゼロになったときに、外環境の推定結果として知覚が得られる。

    上記が脳が推論する基本原理だという。

    ここまででもなるほどと思うのだが、この本が面白いのはその先で、この原理があらゆる脳の機能(ひいては身体活動)にも適応できると主張する点だと

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    2024年03月03日
  • 脳の大統一理論 自由エネルギー原理とはなにか

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    難しかった…。自由エネルギーを最小化するという原理一つで、知覚や運動、感情や学習など、脳に関係する現象を説明しようとする、という考え方を紹介するもの。
    知能を説明する新しい考え方があると聞いて自由エネルギー原理に興味を持って、岩波科学ライブラリーで見つけたからちょうど良いと思ったものの、たった120ページを読み切るのにとても苦労したし、まだ一言二言分の理解しかできていないと思う。
    すぐにまた読むような気力がないけれど、少し寝かせて、再読するか、関連するものは読みたい。
    そもそも岩波科学ライブラリーは自分の専門にほぼ当てはまるものを一冊読んだだけで、斜め読みするのにちょうど良いと思い込んでいたけ

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    2022年08月16日
  • 脳の大統一理論 自由エネルギー原理とはなにか

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    ネタバレ

    Fristonの自由エネルギー理論の紹介。
    脳の持つモデルと外界を知覚した結果の差分(驚き)が意識である、と文章にしてしまうと単純なモデルなのだけど、ベイズ統計や情報理論など、かなりの数学的な背景がないと本当に意味しているところは理解できない。本書で興味を持った人は原著に当たってね、というところだろうか。

    Fristonも90年代からずっと、脳機能画像の分野ではトップを走り続けてきており、その集大成として自由エネルギー理論をまとめたというところだろう。正直、本質は相当に難解だけど、関連書籍もずいぶん日本語で読めるものが出てきておりボチボチ読んでいこう。。。

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    2022年01月03日
  • 脳の大統一理論 自由エネルギー原理とはなにか

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     AI、シンギュラリティの大元になっているのがこの本で言うところの自由エネルギー原理である。
     大脳皮質の感覚、運動、認知(連合野)、モチベーション(内臓運動皮質)はループを形成しているだけでなくこれらの働きは「自由エネルギー原理」で説明できるというのが「大統一」ということらしい。
     統合失調症、自閉症もこの理論で説明可能となる。発達障害、自閉症スペクトラムも同様な説明ができていくものと考えられる。(個人的にはきっかけであり、その後の生活の積重によるものだと思っているが)
     「情動はこうしてつくられる ── 脳の隠れた働きと構成主義的情動理論」では「身体予算管理能力」と称されていたが要は生物の

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    2021年04月09日