カティ・マートンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
メルケルのコロナ対応に際して国民に呼び掛けた演説に感動して、どんな人物か少しでも知りたいと思い、読み始めました。
東日本大震災の惨事から原発政策からの完全撤退の決断、ロシアの天然ガスパイプラインへの投資の決断、中国への経済的傾斜への舵取り、ユーロ危機に際してEU支援に背を向けるも、コロナ禍で財政疲弊したEU加盟の国への支援にフランスと共に財政負担を決断等、その時々のドイツやEU、民主主義陣営を守るべく行動の数々がまさにメルケルなのだと思います。
首相の仕事を「私の呪わしい努め」と表現する人物、「努力の人だったと歴史書に書かれたい」と語る人物、本書が言うには「名誉や功績より、結果を求める人物」、 -
Posted by ブクログ
メルケルの人生と政治家としてのスタンス、実績、他国との付き合い方が分かる本。
日本にいると、欧州のトップ同士の付き合いとか分かりにくいけど、よくそれが理解できる。
メルケルとプーチンは元警察国家出身だから、お互い理解(ただし共感では決してない)できるし、対ロシアとの交渉は、欧州、時にはアメリカも含めメルケルが対応することが多かったよう。
また、アメリカ大統領で1番信頼していたのがブッシュだったらしい。
同じ女性として、ここまで頭が切れて人生を切り拓き、だけど権力に溺れず、家庭を大事にする人は素直に尊敬できる。
勿論かなり良い方に描かれてはいるだろうけど、メルケルと統治下のドイツ政治を知る最適な -
Posted by ブクログ
著者をあまり意識せずに読み始めたので、誰目線?って感じが強かった。
今でも存命の方の、伝記的要素の強い本なので、どうしてもフラットな書き方はできないのは分かりつつも、賞賛する方の書いた本と言う雰囲気がダダ漏れだったのはちょっと残念。
ただ、日本人が、日本語で、遠いヨーロッパの首相を務めた女性のあゆみを知ることに於いては、決して内容的に劣るものでは無い事も確かです。
この本を日本に出版し、彼女について私たちが知る事はとても有意義な事でしょう。
彼女が引退し、ウクライナとの戦争が始まったのは偶然では無いと思います。彼女の力で今までくすぶりつつも戦争にまで発展しなかったんだと、この本を読み、強く思い -
Posted by ブクログ
私達はメルケルの多くを知りません。
確かに、ドイツという欧州で重要な国の一つである以上、日本にいてもメディアを通じて触れる機会は多いです。
しかしそれはあくまで一政治家としてのメルケルです。ドイツ関連の本でメルケルに触れる記述をみても、その人物像に触れる記載はほとんどありません。メルケルは多くの自己顕示欲の強い、派手な各国のトップと異なり、プライベートを徹底して明かさない人でした。
そのためメルケルについて多くを知る、ということは困難なことなのでした。
本書はそんなメルケルについて多くを知ることができます。
牧師の娘として生まれ、冷戦下の東ドイツで育ったメルケル
抑圧された生活の中で自分を -
Posted by ブクログ
電気を読むに相応しくないと思いつつも、深く感動し、胸が熱くなる想いで読み終える。彼女が4期歩んだドイツへの想い、東ドイツ出身なればこそ、牧師の娘、科学者という幾つかの運命的なモチーフを痛感する。2021末で表舞台から去った彼女は最後まで謙虚の姿勢を崩さなかった。良し悪しの評価は無責任な後世へ委ねるとして、個人的には世界最高の女性指導者にリストアップされると思える。
伍した中でもプーチン、習近平は権威主義の権化、とても並では太刀打ちできないと思うし、一旦退いたとは言えトランプ主義の残影は残って何時牙をむくやもしれぬ。
最後の時間で「やっと」訪れたアウシュヴィッツ収容所、彼女の想いの片鱗に触れ