吉川一義のレビュー一覧

  • 『失われた時を求めて』への招待

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    大学で『失われた時を求めて』を読んでから、手に取った。一昨年には読み終えていたのに、なんで感想を書かなかったのか。ぼんやりした自分よ。

    出版当初から、話題になっていたけれど、とてもわかり易い入門書だと思う。私は先に講義を受けて、作品を読んで、休暇の楽しみに読んだので、おさらいとしてはすごく入りやすかった。

    『失われた時を求めて』の、とても洗練された訳本も、著者は手がけていらっしゃる。そちらも持っているが、併読するとなお良いだろう。正直プルーストのこの本は、すごく長くて、取り組むのに勇気が要る。そんな時に、この本をガイドになさって、概要を知って、それで挑まれてもいいだろう。迷える旅人の良き杖

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    2023年05月19日
  • 『失われた時を求めて』への招待

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    ”パリの社交界を描いている”という紹介がされることがあるが、なんで現在の自分となんの関係もなさそうなパリの社交界の話なんて読む必要があるんだろうという、当然の疑問に対してちゃんと回答してくれている。”無意識的想起”と”印象”で”時を超えるもの”として”永遠”を描く、というのはわりあい納得。その他もいろいろ示唆に富んでいて、いままで読んだプルースト入門の中ではいちばん腑に落ちた。

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    2022年10月24日
  • カラー版 絵画で読む『失われた時を求めて』

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    『失われた時を求めて』を、作中の絵画論や登場する絵画、
    絵画を彷彿とさせる情景を手掛かりにして読み解く。
    プロローグ
    『失われた時を求めて』の構成
    本書で言及される『失われた時を求めて』の人物と地名(五十音順)
    第1章 人生と芸術ースワンと「私」の恋
    第2章 死と永遠の生  第3章 肖像と「時間」
    第4章 情景の描写ー暗示された画/隠された絵
    第5章 芸術の創造ーエルスチールの絵画
    エピローグ
    図版出典一覧有り。
    大長編『失われた時を求めて』には、芸術の信奉者である
    著者の感性が色濃く表れている。文学や音楽、そして美術。
    特に絵画に注目し、手掛かりにして、作品を紐解いていく。
    19世紀のパリ風

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    2022年11月10日
  • カラー版 絵画で読む『失われた時を求めて』

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    前提知識は要らない、とあるが、やはり、『失われた時を求めて』を読んでから、または読みながら、というのが臨場感があって良いと思う。

    カラー図版はきれい。マネの『アスパラガス』はいい絵だなぁ。

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    2022年10月24日
  • 『失われた時を求めて』への招待

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    突然、読書のモチベーションが雲散霧消してしまった。
    それを救ってくれたのが、「文學界10月号」に掲載されていた吉川先生の「見出された『失われた時を求めて』初稿」だった。

    最初、ちくま文庫の井上究一郎訳を読んでいた僕は、第5巻で頓挫してしまっていた。
    その時出会ったのが、立教大学の公開セミナー「新訳でプルーストを読破する」であり、吉川先生の訳だった。
    お陰様で、僕もなんとかプルーストを読破することができた。
    僕は、まさに吉川先生によってプルーストに招き入れられたのだ。

    だが、文學界の文章を読んで、さらに本書を読み終えた今、自分が一つの無限ループに入り込んでしまっているのを見出す。
    本書を読め

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    2022年01月09日
  • 『失われた時を求めて』への招待

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    岩波文庫での『失われた時を求めて』を読みたくなった。
    まったく紐解いたことはないけど、分かりやすい文体になっているんじゃないかと期待できそう。この新書で引用される文章からはそう思える。
    それくらい本作品では、あの大作の構造がうまく紹介できていると思うけど。

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    2021年09月18日
  • カラー版 絵画で読む『失われた時を求めて』

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    ネタバレ

    読んだことないけれども、それでもOkとのことで、こちらを覗いてみました。

    率直な感想は、やっぱちょっと難しかったです。

    カルツァ同心会員の紋章の刺繡、について、カルパッチョという人の「岸辺」という題の絵で説明がされているところ辺りまでは、少しわかった‥かな。

    筆者が初めに説明されていましたが、

    作中には、小説家と、作曲家と、画家、という3人の芸術家が出てくる、そうで、

    スワンという人が、ユダヤ人貴族で、一流社交界の寵児として登場し、絵画や芸術についてとても物知りだという感じでした。なので、この本は、彼やその他の芸術家、ブルジョワ貴族たちと、読者の知識の差を埋めるのにも、とても役立ちそ

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    2025年06月11日