三浦元博のレビュー一覧
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『万物は流転する』で垣間見たホロドモールのあまりの残酷さがいつまでも脳裏に残っているなか、たまたま本書が目に入ってすぐに借り出した。
ウクライナの歴史的・文化的な背景から解説があり、本作で直接的な分析があるわけではないものの、2026年現在いまだ終結を見ていない戦争に至る文脈にも理解が及ぶ。大飢饉に至る道筋と引き金となった具体的な施策、そして実際に農村で何が起こっていたかについて、確かな資料・研究と生き残った人々の語る言葉から明快に描き出しており、非常にわかりやすかった。
ホロコーストと比べるとホロドモールの存在を詳しく知っている人はかなり少ないと思われるが、人間というもの政治というものが一体 -
Posted by ブクログ
ウクライナ戦争初期の1年に書かれた本。大分状況は変わっていると思うが、かなり突っ込んだ取材をされていて生々しい。
長いので、読んでる間に前の方を忘れるのが難点だが。
プーチンて元々確固たる信念があるわけでもなく、特定利益集団に担がれているというのは読んだことがあった。剛腕独裁者ということではなくて、国民の心情を巧みに読み取って実現してきたのが秘訣らしい。
ロシア自体が猜疑心と被害者意識の塊ってことか。ロシアがない世界に興味がないと言っていたのを思い出す。
本気で西がロシアを潰すつもりだと考えていたんだろう。
ロシア人は、結構、強いものに普通に日和る文化らしくて。反抗する人は、海外へ逃げ -
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Posted by ブクログ
副題は「ソ連崩壊後の四半世紀を生きる」。1980年代生まれの人たちを通して、ソ連の崩壊、資本主義の導入、プーチンの台頭とロシアの歴史を振り返る。
プーチンは権力掌握後、新興財閥(オリガルヒ)、メディア、世論調査機関などを次々と管理下に置いていった。江戸時代や戦時中の隣組のような密告主義、「集団的人質行為」がロシア人の心理に根づき、どんな行動が自らのグループを危険にさらすか分からないために、多数の国民は消極的にし続けていた。「訳者あとがき」によると、プーチン政権の戦略は、国外では戦争、国内では法の恣意的運用によって市民を恒常的な不安状態におき、体制維持のために不安を醸成し続けるというもの。同じ社 -
Posted by ブクログ
現代における民主主義の衰退と権威主義の台頭を鋭く分析したエッセイ。アン・アプルボームは、ピュリツァー賞を受賞した歴史家・ジャーナリストであり、彼女の洞察力と経験が本書に色濃く反映されている。アメリカのトランプ政権やイギリスのブレグジット、ポーランドやハンガリーの権威主義政権の台頭など、具体的な事例を通じて、民主主義がどのようにして危機に瀕しているのかを描く。
― 本書は欧米で見られる権威主義を扱っているが、読者は読み進むにつれ、語られる多くの事象がよそ事ではないことに気づくのではなかろうか。たしかに、日本の政治状況を権威主義と呼ぶには、ポーランドのカチンスキやハンガリーのオルバーン、トルコの -