末木新のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレp.63
「死にたい」と打ち明けた人間が最も恐れるのは、意を決して行った重大な自己開示が軽く扱われることだからです。
p.64
「死にたい」という気持ちに向き合うということは、向き合う(向き合わされる)側にとってもとてもしんどくて恐いことであり、できれば避けたいものだからです。
p.68
共感することと、肯定することを混同しているかもしれません。
p.73
考えを変えていくためには、頭の中で論理的に考えることだけではなく、「ああそうだったんだ、自分の考えは違ったのかもしれない」という変化に対して感情的に納得できる体験が必要です。
p.78〜79
「死にたい」という訴えが強烈で、そこに目を奪われる分だけ、背景にある問題が見えなくなります。
p.79
あまり期待をしすぎずに、さまざまな人をとりあえず1回あてにしてみて、あてにならない時はサッと乗り換える、くらいの感じがいいと思います。
p.153〜154
仮にこの先も経済と科学技術が発展し続けていけば、今以上に不老長寿に近い状況が達成されるでしょう。その時には、我々は自分自身の人生を満足の上で終わらせ、幸せな死を達成するために、自殺することを目指すようになるはずです。
面白く分かりやすかったですが、新刊だったので、新しい情報やコロナ前後での比較などがもっとあればいいなと思いました。 -
Posted by ブクログ
死にたいと思う人は、国民の2、3割。そしてそののうち2%弱自殺が占めている。と言う事は、実際に死ぬ人はかなり少ないと言うことだ。
死にたいと言われたら、まず自殺潜在能力への介入をする。具体的には、自殺の準備状況の確認であり、準備がなされている場合には、それを物理的に使えないようにすると言うこと。第二にやるべき事は、所属感の減弱への介入であり、それは、関係性を強化することで、所属感を作り、孤独な状態を解消すると言うものです。そのためには、絆または関係性を作るために話を聞くことが重要でした。
自殺を予防しようと思うのであれば、このような不確実性に耐えるために、チームで助け合いながら、人との関わりを続けていくしかありません。
自分自身の自殺を予防するには、周りの人に小さな贈り物をするというのがある。贈り物もらうとお返しをしたくなるので、贈り物すればするだけお返しが来る確率は高くなる。対人関係を充実させ、我々を幸せにしてくれる簡単の習慣としては、他者に感謝をし、その感謝を伝えること。また親切にすることなどが挙げられます。心身の健康のために軽いスポーツや運動の習慣をつけ、きちんと睡眠をとること。
自殺は予防すべきか?自殺対策基本法と言う法律の中に第五條国民は、生きることの包括的な支援としての自殺体対策の重要性に関する理解と関心を深めるよう努めるものとする。あるので、日本国民として自殺予防の対策に励む必要がある。 -
Posted by ブクログ
自殺対策に携わる支援者が知っておきたいリスク要因の話などが簡潔にまとまっていた。新書なので一般の人にも読みやすく、誰もがこうした事態に遭遇したときに、まず何をするのか・何をしないのかがよくわかる。
似たような書籍は他にもあるが、本書の特徴は「自殺が悪いことなのか」について議論している点ではないかと思う。ここでは、ヒト以外の動物の自殺行為を例に挙げて説明しており、種の存続のためのメカニズムとして自殺が選択肢にあることが知れて興味深い。一方で、人間の自殺に種の存続としての機能があるのかと言われると、それは違う気もする。自殺の対人関係論の中では「負担感の知覚」がリスク要因として挙げられているが、本人が周りの負担を減らしたいと思って自殺に至るなら、それは多少なりとも種の存続に寄与しているのだろうか。それでもやはり、ネガティブな影響が上回りそうな気がする。 -
Posted by ブクログ
読み終わって正直な感想として、自殺というものに関してまだまだ分からないことだらけなんだなと思った。個人的には第4章の「自殺は悪いことか」という章が一番気になっていたが、思っていたような内容と回答が得られなかった。結局自殺は悪いことなのだろうか。理論や理屈があるのは分かるが、それを凌駕するほどの苦しさがあるから自殺に至るのだろうし、その負荷が大きすぎてしんどい人間に対して周囲への迷惑などを考えるようにという論が頭にあったとしてもそれは残された人がどうにかしてくれ、俺には関係ないと思って終わりなのではないだろうかと感じた。それほど、人間は誰かのために生きることはできないし、苦しさしんどさはその人にしかわからないものなのだろう。だからこそ、なんかよくわからないけど、そっと近くに寄り添っていてくれる人やコミュニティがあることが大事だと感じた。YouTubeで観た誰かの動画であった、死んではいけない理由はないけど悲しい、みたいな理論でも理屈でもないただただ感情的で、非科学的なものも合理化した現代だからこそ必要なのかもしれない。今後、この分野がどのように発展していくかの期待も込めて星3つとした。
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Posted by ブクログ
ネタバレ自殺潜在能力(死に切る力)、所属感の減弱、負担感の知覚が高まると自殺の危険が高まる。だから「死にたい」と言われたら、まずは物理的に自殺を実行できそうなものを遠ざけ、心のつながりを作って所属感を補強し、その人がしてくれたことなどを折々に指摘して感謝したりしていく。でも一人で対応していくのは無理だから、少し落ち着いたところで援軍を探す。
オデュッセイアにある、セイレーンの歌声に惹かれて海に飛び込まないように、予め自身をマストに縛り付けておく話、なるほどなと思った。
要するに、自殺念慮は衝動的で波があるから、そこを一旦乗り越えるのが大事なんだろう。
自殺対策が法制化されて20年足らず、そもそも自殺対策という観点ができて半世紀、まだその対策の効果が科学的に測定されておらず、公金で行われているから限界もあって、費用対効果が得られているのか謎らしい。でも全てが数値に上がってくるものでもないだろうし、難しそうだなぁ。
人生に思い残すことはないくらい満足して、最高の状況で主体的に選ぶ自殺、かつ他人に経済的にも心理的にも迷惑をかけない自殺、なんてそんなもんは存在しない気がする。
死にたいと感じたことがある人が人口の2,3割だが、実際に自殺で死ぬのはその1割程度で人口の2%に過ぎない、ということだけれど、私は逆に2%も自殺で亡くなってることが驚きだった。50人に1人自殺するってこと?2,3割しか死にたいと思ったことないっていうのも少なすぎて衝撃だけど、つまり「死にたい」って言われた段階でやっぱりちゃんと受け止めないと。
自殺という個人的に見えることも、当然のことながら社会的なことが背景に大きくあることを認識させられた。自殺対策を水際でこてこてするんじゃなくて、福祉にアクセスしやすい、孤独を感じにくい、希望が持てる社会にみんなが参画できることが一番大事。 -
Posted by ブクログ
若年層向けに書かれた本で、構成は割とわかりやすい。
1学術的なもの
2二人称(死にたいと言われたら)
3一人称(死にたいと思ったら)
4哲学的考察
5インフラをどう整備するのか
中年の自分がこの本を手に取ったのは、少なからず自殺の現場に遭遇しているからでもあり、自分自身、生に興味がなくなってきているからでもある。
たいていそうだと思うが、中年になると、あらゆることに興味が薄れてくるし、何かをする気もなくなってくる。気力がないから、死のうとも思わない。
本を読み、よくよく考えてみると、家族がいるからかもしれない。最大のゲートキーパーになりうるのは、家族なのかなと思う。