末木新のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自殺対策に携わる支援者が知っておきたいリスク要因の話などが簡潔にまとまっていた。新書なので一般の人にも読みやすく、誰もがこうした事態に遭遇したときに、まず何をするのか・何をしないのかがよくわかる。
似たような書籍は他にもあるが、本書の特徴は「自殺が悪いことなのか」について議論している点ではないかと思う。ここでは、ヒト以外の動物の自殺行為を例に挙げて説明しており、種の存続のためのメカニズムとして自殺が選択肢にあることが知れて興味深い。一方で、人間の自殺に種の存続としての機能があるのかと言われると、それは違う気もする。自殺の対人関係論の中では「負担感の知覚」がリスク要因として挙げられているが、本人 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自殺潜在能力(死に切る力)、所属感の減弱、負担感の知覚が高まると自殺の危険が高まる。だから「死にたい」と言われたら、まずは物理的に自殺を実行できそうなものを遠ざけ、心のつながりを作って所属感を補強し、その人がしてくれたことなどを折々に指摘して感謝したりしていく。でも一人で対応していくのは無理だから、少し落ち着いたところで援軍を探す。
オデュッセイアにある、セイレーンの歌声に惹かれて海に飛び込まないように、予め自身をマストに縛り付けておく話、なるほどなと思った。
要するに、自殺念慮は衝動的で波があるから、そこを一旦乗り越えるのが大事なんだろう。
自殺対策が法制化されて20年足らず、そもそも自殺対 -
Posted by ブクログ
若年層向けに書かれた本で、構成は割とわかりやすい。
1学術的なもの
2二人称(死にたいと言われたら)
3一人称(死にたいと思ったら)
4哲学的考察
5インフラをどう整備するのか
中年の自分がこの本を手に取ったのは、少なからず自殺の現場に遭遇しているからでもあり、自分自身、生に興味がなくなってきているからでもある。
たいていそうだと思うが、中年になると、あらゆることに興味が薄れてくるし、何かをする気もなくなってくる。気力がないから、死のうとも思わない。
本を読み、よくよく考えてみると、家族がいるからかもしれない。最大のゲートキーパーになりうるのは、家族なのかなと思う。