【感想・ネタバレ】自殺学入門 幸せな生と死とは何かのレビュー

あらすじ

自殺という現象については,古代の哲学者から現代の精神科医や心理学者まで,多くの人が考えを述べているが,いまだに分からないこともたくさん残されている。
本書ではそれら先人の理論や考え方をふまえながら,著者独自の視点で自殺という現象を捉え,今現在分かっていることを平易に解説している。
今までヒューマニティの視点から語られることが多かった自殺や自殺予防について,科学的な知見をもとに宗教・文化的な背景も交えて考察し,自殺のメカニズムや危機介入の実際が述べられ,また,自殺予防の経済的価値やSNSなどの現代的なメディアの功罪から,幸福な人生についての考え方まで,今までの成書にはないトピックにも丁寧に触れられている。
自殺や自殺予防に関心のある読者だけでなく,幸福な生と死について考えるあらゆる年代の人にとって最適の自殺学ガイドブック!

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Posted by ブクログ

自殺予防について「満足するまで生き、死んでいくのをサポートするといった」著者の視点にはなるほど、そのような考えもあるのかと思いました。

自殺のデータだけでなく、自殺対策についての歴史なども紹介されており、最後まで興味深く読ませていただきました。

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2025年08月30日

Posted by ブクログ

大学の授業で使うため購入。今まで自殺という分野については触れたことがなかったので貴重な経験だと思った。そもそも自分は死というものについて悲観視しすぎているような感じを持っていたり、もちろん、自殺を推奨する訳ではないが、生きていることを完全なる善、自殺を完全なる悪という風潮があったりすることに違和感を持っていた。本書では、そもそも論自殺は悪いことなのかという部分をはじめ、多角的に述べられているように感じたのと同時に、現実問題の限界も感じることができた。特に、メディアやSNSでの報道により、良い意味でも悪い意味でも刺激が生じるので、その点、本当に多くの人が知識としても持っておく必要性があると感じる。最後に、難しいかもしれないが、小さなことの積み重ねや幸せに対する感性を刺激してあげることが重要なんだなと感じた。おそらく今後も課題としてこの題材は世の中に挙げられ続けるだろうが、完全なる答えは出ることはないのかもしれない。でも、少しづつでもいいからこそ、考えてみることが一歩に繋がるのだと考える。

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2025年06月08日

Posted by ブクログ

「死にたい」気持ちへ周りの人がどうアプローチしていけばいいかから始まり、これまでの歴史上(宗教上)での自死の扱いや、今の政府の自死予防対策が適しているか、マスメディアの扱い方など、1冊で学べることが多かったです。

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2024年06月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

会社の先輩が最近自殺したので読んでみた。
自殺の定義から入り、なぜ自殺は起きるのかを3人の学者と歴史的な見方が書かれていたり、そもそも生きる意味とは、に繋がっていったり。
自殺率の推移について正確にみることも大事だと書いてあってはっとした。統計的に自殺率が下がったからと言って、実際には変わっていないかもしれないなど、学ぶことが多々あった。
心理学の用語も分かりやすく説明されていて、心理学初心者の自分でも最後まで読めた

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2020年10月17日

Posted by ブクログ

自殺と聞くと一般的には悪いこと、阻止すべき課題と捉えられがちだが、本書は自殺はそもそも阻止すべきなのか?と根本的に自殺が持つ問題点を深掘りして解説してある。
今まで漠然としか持っていなかった自殺というワードが、非常に奥深い研究的テーマであることが知れて、非常に興味深く読み進められた。結論として、自殺に関してはわからないことが数多く残されているということがわかったのが収穫。

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2021年01月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

30代男性
コロナ渦のロックダウンによって、コロナ死は抑制しても、自殺が増加すると考察し、「自殺」について理解するために、読みました。(SDGsの「誰一人とも取り残さない」という目標に対して、自殺を減らす方法を考えることも重要と感じて)
自殺に関する統計結果の真実(読み取り方)や、自殺の理解、予防について、客観的な記述がされており、理解しやすかった。さらに、自殺という解明しきれない現象に対して、客観的な内容に加えて著者の考えもあり、理解が深まった。

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2020年09月13日

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