矢内裕子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
萩尾望都さんといえば、少女漫画の歴史とも言える伝説的な作家さんだ。
が、残念ながら、自分自身は大人になるまで、ほとんど読んだことがない。
唯一読んだのは『トーマの心臓』くらい。
この本では、イタリアの大学に招かれて行った講演をベースに、少女漫画の歴史を概観し、表現の特質について語られる。
表現論ではコマ割りのことが特に多く取り上げられていた印象がある。
規則的なコマを割って物語を作っていくことがむしろ難しいという話があった。
自分にとってはそれ自体が意外で、興味深かった。
少女漫画の自在なコマ(例えば人物がコマを無視して、画面の前面に出てくるような配置)が読めない人がいるというのも、わ -
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Posted by ブクログ
■少女マンガの岸辺で――まえがきにかえて 矢内裕子
■Ⅰ章 イタリアでの少女マンガ講義録
・少女マンガの歴史
・自作についての解説「半神」「柳の木」「ローマへの道」「イグアナの娘」
・質疑応答――イタリア人聴講者からの質問
・ドナテッラ・トロッタ氏によるインタビュー
■Ⅱ章 少女マンガの魅力を語る
・少女マンガは生きている
・私の創作作法
■Ⅲ章 自作を語る 『なのはな』から『春の夢』へ
□萩尾望都氏との初対面 ジョルジョ・アミトラーノ
□イタリアの秋 矢内裕子
□著者あとがき
□解説 中条省平
この数年萩尾望都界隈が滾っている。
個人的には「残酷な神が支配する」で凄まじい漫画に対面させて -
Posted by ブクログ
萩尾氏のナポリ大学での講義内容他。
テーマは 日本における少女漫画史。
漫画については私もあれこれ考察することはあるけれど、「日本における女の子の社会的在り方」に対しての自由への渇望であるとの見方は、「なるほどーーーー」と感じ入りました。
なぜ我々はあらゆるジャンルを漫画に求めるのか。コマの間に何を探って読んでいるのか。なぜBLが確固たるジャンルとして座を占めているのか。
窮屈な日本においてなんだって許される世界が少女漫画!
すごいなー、この「みんなと同じ形」を重んじる日本において、よくこのジャンルが存在を許されたなと感動すら覚える。
ある意味「少女漫画」は少女にしか理解できない謎世界だが、 -
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Posted by ブクログ
姉の持っていた『ポーの一族』を学生時代に読んで、ストーリテリングの巧さに感嘆し、エドガーの行く末に想いを馳せたものだった。
『ポーの一族』の新作が40年ぶりに発表されると聞いて、当時の記憶が思い出されたが、期待半分、不安半分だったので、読むことはしなかった。
そんな時本書が刊行されたので、手に取った。
I章は、もともとイタリアでの日本少女マンガ講義を元にしたもので、著者の視点でのマイルストーン的な作品が紹介されるとともに、自作を素材にテーマやテクニックが語られる。
タイトルは知っているが実際には読んだことのない作品が多くて興味深かった。
II章は、I章を踏まえた上でのインタビ