中村龍太のレビュー一覧
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成功した起業家の行動様式を研究してまとめたのがエフェクチュエーションという概念で、それを日本人向けに解説した本。解説内容については、とても分かりやすくて良かった。(ただ、原則名がアメリカのことわざを元にしているので、そこは正直分かりにくい。)
紹介される原則は以下。
●手中の鳥の原則
「目的手動」ではなく、既存の「手段主導」で新しいものを作る。
●許容可能な損失の原則
損失が許容可能かに基づいて行動する。
●レモネードの原則
偶然をテコとして活用する。
●クレイジーキルトの原則
問いかけによってパートナーシップを築く。
●飛行機パイロットの原則
コントロール可能な活動に集中する。
考え方としては納得感があるし、面白かったのだけど、一般会社員(例えば、企画部員だとして)が実践・応用するにはハードルがありそう。最後の2章で、日本におけるエフェクチュエーションの実践例が紹介されるのだけど、ちょっと特殊すぎて、一般化できない。まあ、そういうのも含めて、答えを求めるのではなくて、まずは行動せよ、ということなのかもしれないけど。 -
Posted by ブクログ
エフェクチューションとは、不確実性の高い状況における意思決定の理論である。熟達した起業家の行動パターンを分析すると共通する明確なパターンが存在していたというもの。中でもパートナーシップを結ぶ方法として売り込みではなく問いかけすることが重要であることになるほどと思った。有名なマーケターである森岡さんのように数字を用いて勝算があると自信を持って事業を行うことが当たり前なのかと思っていたが、熟達した起業家のほとんどは不確実性の中でエフェクチューションを用いて確立を高めている。起業はしないかもしれないけれど、今の仕事に活かせる思考だったので、何回も読み直したい。
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# エファクチュエーションの考えかた
- 未来は予測不可能。とくに起業や新規事業の場合
- 目的論的に考えるよりもむしろその不確実性や偶然を活かすという発想
# エファクチュエーション5つの原則
- 「手中の鳥の原則」目的手動ではなく手段手動でなにか新しいものをつくる。手動手動とは、手持ちの手段を活用すること。手持ちの手段を理解するには自分について3つの理解が必要①私は誰か?(特性、能力、関心、性格などのアイデンティティ)②私は何を知ってるか?(活用できる知識。人生経験)③私は誰を知ってるか(頼ることのできる人のつながり)
- 「許容可能な損失の原則」期待利益の最大化ではなく、予想損失が許容可能な範囲内を定義しコミットする
- 「レモネードの原則」予期せぬ事態や危機、偶然をテコとして活用する
- 「クレイジーキルトの原則」交渉、交流可能な人たちと目的論的にではなくパートナーシップを構築しようとすること。おねだりをし合う中でwinwinを目指していく。
- 「パイロットの原則」コントロール可能な活動に集中し、予測ではなくコントロールによって望ましい成果に帰結させる
# 私のエファクチュエーションへの感想と今後の活用
- この考え方は起業に向けて取り入れるべき。
- なぜなら目的論に考えると、むしろ逆になんとでも企画段階では言えてしまう。また目的論だと企画の粗探しにフォーカスしてしまう。
- むしろやってみることが大事。そのやってみるの中でどうやってみるかの原則をエファクチュエーションは述べている。
- 手始めにやるべきは手中の鳥の3つの問と、損失可能領域を考えること。
- これは内省期間が終わったら取り組むことにする
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3.5
エフェクチュエーションは、スタートアップ=ホームランを狙わないといけない、という強迫観念に対して、「自分が出来る事から少しずつスケールしていけば良い」と勇気づけるための理論としては一定評価できると思った
一方、起業理論としてcausationとeffectuationが双頭をなして、二項対立となる概念かと言われるとそうではない気がする。やはり世界を変えるような起業はcausationからしか生まれないと思うし、一口に起業と言っても対象が違う印象を受けた(ユニコーンベンチャーとスモールビジネス)。effectuation は起業のハードルを下げる一方で、成長のスケールやスピード感を求める上では適さない概念なので、規模化する上ではcausationに振り切ってリスクを取りに行く部分は必要になってくるのではないかと思った。
また法則の当てはめも結構強引な部分がある(特に第10章)気がしており、causationの考え方の中で偶然の副産物を上手く利用したものが、さもeffectuation の枠組みで語られている印象を受けた(例 appleのiPhoneは明確にcausationの成果では?) -
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ネタバレ・コーゼーションとエフェクチュエーション
・損失の許容可能性は自信や動機の強さに連動する
・人生が酸っぱいレモンを与えるなら、レモネードを作れ
・3種類の壺:ナイトの不確実性
・何ができるかを発想する「手中の鳥の原則」、行動へのコミットメントを決定する際に用いる「許容可能な損失の原則」、他者との相互作用における「クレイジーキルトの原則」、予期せぬ事態に対処する際の「レモネードの原則」、コントロール可能な活動に集中し、予測でなくコントロールによって望ましい結果に帰結させる「飛行機のパイロットの原則」
・巻き込み力だけでなく、巻き込まれ力も意識
・ワークグラム -
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ネタバレエフェクチュエーションの本質は「不確実性を創造のエネルギーに転換する5原則」にある。特に重要なのは手中の鳥原則による既存リソースの再評価だ。自社の人的資本・物理資産・関係資本を可視化し、意外な組み合わせから新価値を生み出す。例えば空き倉庫をAI学習拠点に転用するような発想がここから生まれる。
許容可能な損失の原則では、リスク管理のパラダイムシフトが起こる。従来のリターン最大化思考ではなく「失ってもよい範囲」を明確に設定することで、迅速な意思決定が可能になる。計算式「当期利益×0.3+遊休資産評価額」は具体的な指針となる。
レモネード原則は失敗を逆転させる技術だ。製造ミスを商品特徴に転換した亀田製菓の事例のように、予期せぬ事象を「設計された偶然」として活用する。重要なのは72時間ルール--問題発生後3日以内に3つの転換案を作成し、最小実行プランを選択するプロセスだ。
クレイジーキルト原則が促すのは異質な協働関係の構築。競合を含む多様なパートナーと、漸進的コミットメントを重ねながら生態系を形成する。自動車業界のEV同盟や異業種コラボ事例が典型例である。
飛行機のパイロット原則の核心は「環境との対話的適応」。完璧な計画より、リアルタイムの軌道修正能力が重要となる。2週間サイクルでの進捗評価と、顧客反応/市場変化に応じた即応的調整が求められる。
日本企業への適用で鍵となるのは「もったいない精神」の再解釈。遊休資源をコストではなく潜在価値と見なし、伝統的な人的ネットワークを現代ビジネスモデルに変換する。稟議制度と実験的実行を組み合わせたハイブリッド戦略が有効だ。
実践的落とし込みのためには3つの軸が不可欠。第一に資源マトリクス作成--スキル・人脈・資産を可視化し組み替える。第二に損失許容計算--数値化された安心感のもとで行動できる。第三に異業種マッチング--予測不能な相乗効果を生む。
経営者層への伝達では「不確実性逆転術」という切り口が有効。脳科学に基づく認知的不協和の喚起(遊休資産の機会損失提示)→直感的理解(AR可視化)→即時行動(テンプレート配布)の3段階プロセスが効果的だ。
重要な気付きは「適応速度が競争優位を決める」という現実。エフェクチュエーション実践企業は意思決定速度が2.8倍速く、失敗転換期間を58%短縮できる。これが生存率2.3倍差の根拠となる。
最終的な学びは「不確実性との共生技術」。予測精度競争から脱却し、変化そのものを価値創造の触媒とする新たな経営パラダイムが、VUCA時代を勝ち抜くカギとなる。自社リソースの再定義と動的適応の繰り返しが、持続的成長を可能にする。 -
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コーゼーション(因果論)
環境分析による最適な計画 目的が明確で資源豊富、予測可能なものに限る
ステージゲートシステム、セグメンテーション マーケティング ポジショニング
エフェクチュエーション(実行理論)
予測ではなく、コントロールによって不確実性に対処する思考様式
1.手中の鳥の原則 :目的主導ではなく、手持ちの手段主導で新しいものを作る
Who I am 誰か? What I know 何を? Whom I know 誰を? Slack 余剰資産?
2.許容可能な損失の原則:リターンの大きさではなく、損失が許容可能かに基づく
小さな歩幅で第一歩 行動しないことの機会損失
3.レモネードの原則 :避けるのではなく、偶然をテコとして活用
新しく何ができるか?
4.クレイジーキルトの原則:コミットする関与者とパートナーシップ 手段持込み
自発的な参加者 資源とビジョンの持込み ジグソーではなくパッチワーク
売り込みより 問いかけ
5.パイロットの原則 :予測ではなくコントロールで成果を帰着させる
創造される事業機会 -
Posted by ブクログ
本書に書いてあること自体は、特段難しいことでもなく、特段新しい概念でもない。おそらく他の方が言ってたり定義されてることの言い換えとなっている。
ただ実践できるかはかなり難しい。この本で観点は書かれているとは言いつつも、形に出来る人は極少数と言える。結局は、著者のような行動と知力があって成り立ったと言えるだろう。
この働き方が個人的にもいいなと感じる。
例が具体的で想像できる点が本書の良さ。難点は、きっかけについてはもう少し具体的な内容であってほしかった。結局はここが肝と言える内容のため。
こういう内容が仕事となり得るのか、と思うことは間違い無いです。