山沢晴雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
生涯アマチュアを貫いた作家の幻の長編。同人誌でしか読むことができなかったものなんだそうで。寡聞にして存じ上げなかったですが、読んでみたら・・・そもそも出版はもう何十年も前のものなんですが、それでも面白かったです。さすがに今の時代なのでトリックがなんとなくそりゃわかっちゃったりもしますが、それでもなお。初稿が1982年?それでこの筆致。
「陰の声」もとても興味深かった。詳しい解説は野暮に思う方もおられるかもしれませんが、こういう形で作者の意図を解説されることって逆にないので。いや今の時代であえてこういうのつけてくれるのもいいんじゃないかな。何十年かして今の時代で斬新なトリックが生み出されていた背 -
Posted by ブクログ
ネタバレ知らない作家さんだったが、評判がよかったので気になっていた作品。
これは小説ではなくミステリだ。
トリックが先行するストーリーなので、小説として読むと期待外れかもしれない。また、登場人物がやけに多かったり、同じようなトリック・状況が堂々と用いられていたりと、俗にいう「ミステリ小説」とはかなり異なる短編集だが、作者がトリックを主役に据えている点を考えると、実に実直な作品でかなり好印象なミステリである。
最初は読みにくかった登場人物の多さも、慣れてしまえば、多くの人間(事件とは無関係な人間も含めて)の思惑が交錯する事件であることで、味気のない単調な読み物になりがちなミステリの欠点を補っている -
Posted by ブクログ
惹句があんまり怖すぎて、恐る恐る読んでみたのだが、実物はいたって普通のミステリ。よく引き合いに出される天城一氏の作品などに比べれば遥に読みやすい。ついでに口を滑らせてしまうが、能書きばかりで看板倒れの感が否めない天城作品よりもミステリとしても上だと思う。
なおパズラーではなくトリックを愛でるタイプのミステリ。作者本人は「手品文学」と自称していたそうな。そのトリックがあまりにも入り組んで分かりづらいのが、恐れられた理由らしい。確かに一読で頭に入らない感じはあるものの、アリバイ崩し系のミステリはみんなこんなもんじゃないの的なことは思わないでもない。